フリー版 UnixWare 7.1 登場

山森丈範 YAMAMORI Takenori ●yamamori

UnixWare 7.1 インストール後の様子


■インストール後の様子

CDEのログイン画面から,インストール時に登録した自分自身のログイン名 (一般ユーザ)でログインしてみます.

○jasup710のインストール

この時点では日本語対応がまだ不完全で,それを補うために, jasup710 というパッケージが用意されています. まず,これをインストールしましょう. jasup710 はCD-ROM #1の中に収められています. 今後もCD-ROMをマウントする時のために,/etc/vfstab のエントリを先に書いておきましょう.

dtterm の中で su し,vi/etc/vfstab に,以下のエントリを追加します.

/dev/cdrom/cdrom1  -  /CD-ROM_1  cdfs  -  no  ro

これで,CD-ROM #1をドライブに入れて,以下のようにしてCD-ROMをマウントし, jasup710 をインストールします.

# mount /CD-ROM_1
# pkgadd -d /CD-ROM_1 jasup710

○解像度の変更

SCOadmin Xサーバはデフォルトでは解像度800x600の8bitカラーになっていて, ウィンドウの表示サイズが大きくなり過ぎるので, これを変更してみました.

[SCO管理(SCOadmin)]→[ハードウェア]→[ビデオ設定管理] と選んで「Video設定」のウィンドウを出して変更できます. 筆者の場合はここで, 1280x1024 16M-color NI 75Hz, 8MB を選択しました.これでログアウトすると, CDEのログイン画面の表示が小さくなっていて, 解像度などの変更が反映されたことがわかります.

ところで今,rootにならずに解像度の変更が出来てしまいました. SCOadminを使うと,「システム所有者」の場合は,本来root権限が必要な システム設定の変更も出来てしまうのです.図(scoadmin.gif)

このSCOadminは,X11環境上で起動するとX11アプリケーションとなり, そうでないコンソール上などではキャラクタGUI画面で動作するという, 面白い管理ツールです.


○ライセンスについて

さて,今インストールしたFree UnixWare 7.1には,60日間有効の 評価用ライセンスがインストールされていますが, 期限以降も使えるように,ここで Free UnixWare 7のライセンスをインストールしましょう. ライセンスは,日本SCOのWebサイトから入手できます. SCOadminライセンス管理のウィンドウを開いて入力します.

なお,Free UnixWare 7のライセンスをインストールしても, 評価用ライセンスの方も削除せず,60日間はそのままにしておく方が いいと思います.インストールの説明のところでも書いたように, 評価用ライセンスの方がFree UnixWare 7よりも, 使用上の制約が少ないのです.

では,Free UnixWare 7のライセンスでは,具体的にどのような制約が あるのでしょうか.最も問題になりそうなのがtelnetです. Free UnixWare 7のライセンスではユーザ数が1のため, 例えば,マシン本体で誰かがログイン中に,別のマシンから このマシンにtelnetで入ろうとすると,ログインを拒否されます. これは考えようによってはかなり大きな制約です. 日本語対応という大きなプラスがある反面, ライセンスによる制限は大きなマイナスと言わざるを得ないかも知れません.


○sj3で日本語入力

日本語入力としては,sj3 が標準でインストールされています. Xアプリケーションへの日本語入力のため,dttermの中から sjxm & と入力して,一度 sjxm を起動しておきます. すると,下図のようなアイコンが表示されます. この状態で一旦CDEをログアウトしてログインし直すと, 次からは sjxm が初期状態で立ち上がり,dttermやNetscapeなどのウィンドウの 下部に,[SJXM   ]というバーが現れます.

[CTRL]+[\]で変換モードのON/OFF,[space]で変換 [Return]で確定です. 変換キーなどの無い英語キーボードでもOKです. 変換モードONにすると,ウィンドウの下部が下図のように変わり, sjxmのアイコンも,入力モードに応じて下図のように変わります.

sjxm ←→ sjxm-kana    dtterm-s
変換OFF 変換ON dtterm の下部 (clickで全体図)
(なお,CDEログイン時にsjxmとdttermがうまくつながらないこともあるようです. その場合は,すべてのdttermを一旦終了させてdttermを起動し直すと sjxmにつながります)

○Netscapeも日本語対応

Netscape Communicatorは4.08が標準でインストールされ, インストール直後の状態ですでに日本語対応されています. ブックマークやSubmitボタンなどの日本語も化けません. File EditなどのNetscape自身のメニューがオリジナルの英語のままなのも 筆者好みです.右上の[N]のロゴは,SCOのロゴに変わっています.

日本語入力も,sjxmを使って可能です.そこで,実際にフォーム入力が 正しく行なえるかどうか試してみました. すると,テキスト入力はまあまあOKなのですが, 1行入力の <INPUT TYPE="TEXT"> の部分で,初期値の日本語を表示できず,Warning のウィンドウが表示されてしまいました. 一方,<TEXTAREA> の複数行の入力フィールドでは,初期値の日本語も 問題無く表示されます.また,入力フィールドのフォントサイズが <FONT SIZE="x"> で変更されている場合,フォントサイズによってはうまく日本語入力が行なえません. また,ウィンドウ下部の [SJXM   ] の縦幅が入力中のフォントサイズによって変化してしまい, 異様に太い幅になってしまったりもします.このあたりはまだ改善の余地が ありそうです.

ちなみに,テキストベースのWebブラウザとしてlynxも標準で インストールされており,こちらも日本語OKです.


○仮想コンソールの切替え

1つのメインのコンソールの他,vt01〜vt08の8つの仮想コンソールがあり, それぞれ,[Alt]+[CTRL]+([ESC],[F1]〜[F8])で切替え可能です. 仮想コンソールの切替えには[Alt]+[SysRq]+([h],[F1]〜[F8]) を使うことも出来ますが,前者の方が操作性が良いため, こちらで覚えた方がいいと思います. (このあたりはインストーラでの画面の切替と統一性が無いですね)

メインのコンソールのみ,コンソール画面にも日本語が表示可能です. また,CDEはvt01に立ち上がりますが,CDEを動作させたまま, コンソールに切替えてコマンドラインでログインすることも出来ます.


○xmkmfはどこ?

Cコンパイラが標準でついていることもあり,何かXアプリケーションを ソースからコンパイルしてみようと思いました.ところが,xmkmf が無いことに気付きました. それだけでなく,X11のインクルードファイルその他もありません. X11開発環境は標準ではインストールされないのです. これは,CD-ROM #2にある,xdevsyspkgadd すればOKです.


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このページは、技術評論社 SoftwareDesign 1999年6月号、『フリー版 UnixWare 7.1 登場』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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