Free Solaris 7 日本語版

YAMAMORI Takenori ●yamamori
■コラム■ まずはgccが必要

Free Solarisを入手される方には,大きく分けて2つのタイプがあるのでは ないかと思います. 会社や大学などで今までにSolarisを使用したことがあり, Free Solarisの登場をきっかけに自宅でも使用しようと思い立った方と, すでにLinuxやFreeBSDなどのPC UNIXを自宅で使用していて, その流れでFree Solarisも使ってみようと考えられた方です.

後者のタイプの方の場合,当然ccが付属しているものと信じて ccとタイプすると以下のメッセージが出て, インストールに失敗したのかと思うかも知れません.

$ cc
/usr/ucb/cc:  language optional software package not installed

Solarisにはgccがインストール可能ですが, gccをインストールするためには まず,すでに動いているCコンパイラが必要です. そのためには別のOSのマシン上で クロスコンパイラを作るか, gccのバイナリをダウンロードなどで入手するかしかありません.

gccのSolaris 7用のバイナリは,さまざまなサイト上に置かれているとは 思いますが,たとえば以下のところからもダウンロードできると思います.

http://sunsite.sut.ac.jp/sun/

筆者はソースから自分でmakeすることにこだわる方ですので, Free Solaris 7(英語版)の時にはSunOS 4.1.4から クロスコンパイラで gccを立ち上げました.それを今,日本語版上でも用いています.

クロスコンパイラによる方法は,SPARC版では可能ですが,Intel版の場合, GNU binutilsldが対応していないため,不可能かと思われます. ただし,Intel版の場合でも,gccのクロスコンパイラ本体や, binutilsas(アセンブラ)は対応しているため, *.oの状態までクロスコンパイルし,ldの段階はSolaris 7上で /usr/ccs/bin/ldを使ってネイティブに行なうことにより, 理屈の上ではクロスコンパイル可能と思います.

もしチャレンジされた方がいらっしゃいましたら, ぜひ報告をお聞きしたいものです.


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このページは、技術評論社 SoftwareDesign 2000年1月号、『登場!Free Solaris 7 日本語版』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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