Solaris 10(x86)をインストールしてみよう |
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YAMAMORI Takenori ●yamamori |
NISを使用している環境では,インストール完了直後のログイン画面から, NISサーバに登録済みの一般ユーザのログイン名でそのまま ログインすることができます.その際,ユーザのホームディレクトリは, auto_home(またはauto.home)のNISマップに登録されている情報をもとに NFSサーバからオートマウントされます.
NISを使用していない環境では,次のように, 一般ユーザのアカウントを登録する必要があります.
一般ユーザの登録作業にはrootでのログインが必要です.しかし, コンソールのグラフィカル環境にrootで直接ログインするのは好ましくないので, ログイン画面で「オプション」→「コマンド行ログイン」と選び, テキストモードでコンソールにrootでloginします.
ここで,ユーザ名usernameのアカウントを登録している様子を下図に示します. コンソールでは日本語が表示できないため,図のように,環境変数LANG=Cにして, 日本語のメッセージが表示されるのを防ぎます.
・図 一般ユーザのアカウントを登録(コンソールにrootでコマンド行ログイン) ---- # LANG=C; export LANG ← 環境変数LANG=Cに設定 # useradd -m -d /export/home/username username ← ユーザ名usernameをユーザ登録 # passwd username ← ユーザ名usernameのパスワードを設定 New Password: ← パスワードを入力 Re-enter new Password: ← パスワードを再入力 passwd: password successfully changed for username ← パスワード登録完了 # vi /etc/auto_home ← /etc/auto_homeを編集(下リスト参照) # usermod -d /home/username username ← ホームディレクトリを/home以下に変更 # exit ← rootでの作業終了,ログアウト ---- ・リスト /etc/auto_homeの設定 --- # # Home directory map for automounter # +auto_home * localhost:/export/home/& ← この行を追加 ---
Solarisでは,/homeディレクトリはオートマウントで管理されているため, /home以下にディレクトリを直接作成できません. そこで,まずはuseraddコマンドで,いったん/export/home以下を ホームディレクトリに指定してユーザを登録し, さらに/etc/auto_homeにオートマウントの設定を追加したあとに usermodコマンドでホームディレクトリを/home以下に変更する, という手順になります.
この設定により,/home/usernameディレクトリに移動すると, /export/home/usernameディレクトリが自動的にマウントされるようになります. この手順中で,ユーザのパスワードも,passwdコマンドで登録しておきます. なお,この例のようにauto_homeのみを修正した場合は オートマウントにすぐに反映されますが, もしマスターマップのauto_masterの方を修正した場合は automountコマンドを実行して,修正を反映させる必要があります.
一般ユーザの登録が終ったらrootからログアウトし, 再びグラフィカルログイン画面が表示されたところで, いま登録した一般ユーザでログインします. この際に,「オプション」→「セッション」のメニューから, 「共通デスクトップ環境(CDE)」(下図)または 「Java Desktop System」(下図)を選択することができ, それぞれ異なるデスクトップ環境にログインすることができます.