こんなに奇妙な小説が他にあるだろうか？
伝説の作家ジェイン・ボウルズの
代表作ついに本邦初刊行なる。

死のぎりぎりの瀬戸際で
<生>に目覚めた片目の捨て猫。
その存在の輝きが
見事に結晶した
｢生きる歓び｣。
　　　　　　　＊
故・田中小実昌との
懐かしい交流をもとに、
<死者>をめぐる回想と批評の
混淆空間を開示する
異色の追悼小説
「小実昌さんとのこと」。
　　　　　　　＊
生の中の死を見つめ、
死の中の生を描く二編。

「ともかく細部がいい。
日常の会話の中に
骨の太い哲学が
溶け込んでいる」
池澤夏樹氏（「朝日新聞」'96年4月24日文芸時評）

　中公文庫　

散歩する父と息子に、
お喋りする兄と妹に、
うつらうつらと
それぞれの時間は流れる

芥川賞受賞作
　　時は静かに流れ、"日常" は輝いている！

室井滋氏（女優）推薦
　
この本にはたくさんの猫達と
猫よりも猫っぽい時間の過ごし方を
する人々が登場するので、
猫好きの方にはおすすめです。
そして、犬好きの方も
一度試してみた方がいい世界かも。

　中公文庫　

猫がいて、恋をして・・・
至福に満ちる日々

どちらも単行本が出ていますが、
著者のデビュー作「プレーンソング」('90年) と
野間文芸新人賞受賞作「草の上の朝食」('93年）の
２編を収録した、お得な一冊。
都会の一角に暮らす若者達の日常が、飾らない文体で切り取られ、
いつの間にか「生きるって何だ？」と問いかけてくる。
ごくごく身近で普通のことに共感したり反発したりするところから、
本当の哲学は始まるのかも知れない。

新訳訳し下ろしと豊富なイメージ写真。
文学なのに横書きで、文字の刷り色もおしゃれ。
何だか本って苦手だなぁ、という人にも
全く新しい手法で迫ってくる。
昔話なんてつまんなーいっ、て思っているそこのあなた、
たとえばこんなアプローチだったらいかが？

吸血鬼小説の代表作、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」から
遡ること２７年も前に書かれた原作。
美しい女吸血鬼カーミラを知る女性が語り手となって進む古典が、
女性ならではの柔らかい文体の訳し下ろしで
現代に生き生きと甦り、
ヨーロッパで撮影されたモノクロの写真が
さらにイメージを盛り上げます。

既に馴染み深いポーの代表作が
読みやすい新訳と
ポーの世界に魅せられたイギリス生まれのフォトグラファーの
妖しくも美しいイメージ写真によって
いま新たに甦る