ことのおこりの、4P55
オーディオでは、五極接続は三極接続に比べ音が悪いとされていて、ラジオの
音などとバカにされていた。KT66,EL34などのビーム管、五極管も三極
接続で使うのがあたりまえ。
ところが、佐久間さんは、ある日、人からもらった4P55を眺めているうち
に、せっかく付いているスクリーングリッドを使わないのはもったいない、とい
う気になったらしい。
4P55を良く見てみると、スクリーングリッドがものすごく凝った作りになっ
ている。職人芸である。この職人の技を無駄にしてなるものか。なんとか生かし
たいというのが佐久間さんの気持ちだったらしい。
それから、佐久間さんは、4P55五極接続にチャレンジ。
スクリーングリッドの扱い方に音色の鍵があると発見し、1年以上かけて、ス
クリーングリッドの処理について試行錯誤を繰り返し、トランジスターによる定
電圧回路なども試みた結果、スクリーングリッド用に、もうひとつ電源トランス
を搭載するという、大時代的な手法にたどりついた。
完成晶は「清水」と命名され、「MJ無線と実験」にも紹介された。
その結果、五極接続で鳴らした場合、強烈なエナジー感が生まれること、とく
に、別電源にした場合は、しっとりとした音色になり、これがあれだけバカにさ
れていた、五極接続か、と耳を疑うほどの昔色になることを発見。
また、ビーム管と五極管の違いについては、五極管には、ビールのコマーシャ
ルではないが、コクと切れと冴えがあり、それにくらベ、ビーム管は、いまひと
つ切れと冴えがなく、どちらかといえばベールに包まれたような昔がして、好み
ではない、とのことであった。
飛び火してきた、4B85
(略)
4B85アンプ製作
ついでの701A
真打ち、4212
シャーシ
パーツ
配線
音出し