エンクロージャーあれこれ
エンタロージャーの数も大変多いようである。
ローサーのスピーカーで有名なのは、オーディオベクター、TP1、アコースタだろう。
どの機種も年代で形状がことなり、特に、アコースタなどはコーナーアコースタなどのバリエイションも豊富にあるようだ。どの機種も、エンクロージャーの作りは、古いものほど良い。
オーディオベクターのごく初期のものは、上部のホーンが石膏でできており、全面にその先端が角のように出ていたらしい。その次に小型のものができホーンはグラスファイバーのようなものになった。ふたつ付いているユニットは上がPM4、前がPM2、両方ともPM2といろんなバリエーションがあるようで、これにアルニコとフェライトの区別もある(ユニットが代われば製造年が違うのであり、同じ年代でユニットだけが違うといったバリエーションはないという人もいる)。しかし、生産台数はいずれも大変少ないことだけは確かなようである。
ベクター新型は旧型にくらべ大型になり、上部、前面ともPM2フェライトがついている。インピーダンスは全て8オームとなっているが、いつの時点で15オームから8オームになったのかは私は知らない。
また、フレームのほうだが、昔は四角い物凄くゴツイものだったが、現在は丸みのあるものになっている。
スピーカーヘの取付け穴の位置が達っているので、昔のエンクロージャーを買って、新しいユニットを付けることはできない。
ただ、アコースタであれば、斜にして2箇所だけで止めることも可能だ。
私の経験では、音的に間題はなかった。しかし、注意したいのは取付けのボルトのピッチが日本のものとは違い、ネジ山自体がネジ本体から離れた、スプリングのようになっていて、ゆるなまい構造の特殊なネジなので、気を付けなくてはいけない。日本で売っているネジではエンクロージャーに取付けられない。
ローサーはもともと貴族相手ののスピーカーだという話もある。
イギリスのオーディオマニアでも「名前は知っているが、見たことはない」という人が多いと聞いた。確かに現在の「LONDON」「Ambassador」等といった機種は、スピーカーというよりは高級インテリア家具である。「Ambassador」は、美しい木目のある木材を組み合わせた豪華な装飾(まさかプリントではないと思うが一)が施されており、キャビネットのような外観である。音を聞くときは、扉を観音開きにして間くようになっている。構造はカタログで見るかぎりTPlの流れを汲むもので、部屋の壁をホーンの延長として利用する思想は変わっていない。
このようにややこしい話がいっぱいのローサーだが、音そのものはどうであろうか?
昔の雑誌のヒアリング記事などでは個性の強いスピーカーだといわれているようだが、実際に便ってみると、ユニット事態は特長のない音がする(あくまで佐久間アンプでの話だが)。
オリジナルの箱の方がかなり個性があるようだ。どれも低音がですぎるほど良く出る。
普通の家で鳴らすのなら、ベクターは難しいと思う。部屋が大変だろう。日本人の住いは狭いといわれているが、イギリス人も都市部では似たりよったり、いや日本よりも狭いのではなかろうか。しかし部屋は狭くとも、煉瓦造り、木もしっかりとしたものが使ってある。随分と残響があるのではなかろうか?
間接昔を利用するスピーカーだけに和室、とくに天井の具合が良くないとだめだろう。我家では天井の板がまことに簿いので、せっかくのPM4の音がほとんど聞こえない。
こう考えるとコンコルドはローサーを鳴らすのに最適な環境かもしれない。ただ、フルオーケストラやポップスをガンガンを鳴らすのは、50ccエンジンでも飛行機が飛ばせるといっているようで、可能なことかもしれないが、ユニットのことを考えると賢明ではないだろう。