夜泣地蔵と茶釜石

よなきじぞう と ちゃがまいし

右側の大きな地蔵は夜泣地蔵と呼ばれる。 昔、荷を運んでいた馬方が荷のバランスをとるために脇に落ちていた 地蔵の首を付けて深谷まで行った。そしてこの首を深谷に捨ててしまったが、 その後夜になると「五料恋しや」と泣く声が聞こえるので、 深谷の人が哀れに思ってこの首を五料に届け、胴に乗せたという。

夜泣地蔵の前に大きな石があるが、これは以前は丸山坂の上にあったという「茶釜石」である。 叩くとカンカンと茶釜のような音が響くのでこう呼ばれている。 蜀山人(南畝)は次の狂歌を残している。
 「五両(五料)では あんまり高い 茶釜石
   値(音)打ちを聞いて 通る旅人」

現在も叩くと良い音がするが、少々表面が擦り切れて来ているのが気にかかる。

(1998.8.17)


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