実キロ算出 導入
1.「営業キロ」「実キロ」とは
国鉄・JRを含めた多くの鉄道では、運賃を計算する基となる距離として「営業キロ」を定めています。
国鉄の「営業キロ」の基準はWikipedia
に記載されており、ほぼ実際に列車が運転される距離(以下「実キロ」)を基にして定められているのですが、以下のような場合に実キロとの違いが発生します。
- 通過可能なスイッチバック停車場を通過する列車の場合
- 駅の距離算出基準地点が偏っている場合
- 線路延長計画のない終端停車場の場合
- 停車場中心がホームの偏った位置にある場合
- 路線改良等で駅間の距離が変更になった場合
太字で記載したものの代表が並行在来線が存在する新幹線であり、在来線の線増扱いのため在来線と同じ営業キロが使われています。在来線の場合も、ルートが大きく変わった場合には「営業キロ」を変更する場合もありますが、線増や小さな改良の場合には「営業キロ」は変更されない場合が多いです。
「実キロ」の値について、新幹線は「営業キロ」と「実キロ」に差がある代表のためか、「実キロ」がネット上にも記載されているのですが、在来線については、「実キロ」が網羅的に記載されているものは見つかりませんでした。
実際に実キロを調べる場合、各所の工事資料を探すか、距離が変化した箇所にある「距離更正標」なる標識(実家のようなHANSHIN感様、趣味の鉄道教室様)から変更量を調べる方法が考えられますが、莫大な作業量となりそうです。
そこで、多少の誤差はありながらも、地図上から実キロを計測してまとめるとともに、営業キロと実キロに差がでた要因をできるだけ調べようというのが、この取り組みとなります。
2.地図上の路線情報
国土交通省から、GIS情報として、鉄道データ、鉄道時系列データが公開されています。
いずれのデータにも「路線データ」「駅データ」がありますが、以下のような特徴・差異があります。
- 鉄道データ
- データリリース時点の最新のデータが格納されている。
- ほぼ地図に沿った路線情報となっている。鉄橋や操車場などで上下線が離れる場合は、どちらの路線情報も収録されている(ただし、地図(地理院地図)で描かれている線路すべてが描かれているわけではなく、別路線としてデータ作成する明確な基準はないようです)。
- 駅は、路線の一部の「区間」として登録される。
- 鉄道時系列データ
- 1950年以降の、年代ごとの路線データが格納されている。細かい路線改良は収録されず、主に駅の移動を伴う場合に収録される印象。
- 複線・複々線の場合も一つの路線は一本の線として収録される。
- 駅は、「点」として登録される。同じ駅の場合「鉄道データ」の駅区間の中央の位置と一致していると思われる。
イメージとしては以下の形です。

ただし、両者とも旅客線の本線のみを収録している状態であり、旅客列車が運行されている区間であっても、短絡線(大崎〜西大井)や貨物線(横浜羽沢〜東戸塚)など収録されていない区間もあります。
3.実キロの算出方法・算出対象
提供されているGISデータからの算出を中心に、以下の方法で各駅間の距離を算出します。
- 「鉄道データ」の「駅データ」の中央の位置をその駅の位置として、各駅間の距離を算出する。上下線などで別区間データが登録されている場合は、それぞれの距離を算出する。
- 「鉄道データ」は2016年以降にgeojson形式のデータが提供されているため、2016年のデータおよび最新データを用いて距離を算出する。
- 「鉄道時系列データ」に「鉄道データ」と異なる経路が登録されている場合は、その区間の距離を算出する。
- 「鉄道データ」「鉄道時系列データ」に収録されていない経路や路線改良前の経路がある場合、地図上に作図して距離を求める(細かい経路変更までは追えず、キリもないので、おおむね100m以上の距離変更がある場合に作成する)。
- 駅位置や路線経路は多少のずれがあっても「鉄道データ」「鉄道時系列データ」にしたがう。ただし、明らかな誤りがある場合は作図して駅位置の設定や経路距離の算出を行う。
- 営業キロの単位が「マイル」から「キロメートル」に変更となった1930年以降の経路について距離を算出する。ただし、それ以前に特急列車が運転されていた東海道線・山陽線のみ、1902年からの「マイル」時の距離情報も取り扱う。
- GISデータからの距離算出は、計算が比較的単純で短距離での精度が高いヒュベニの公式を用いる。運行上の起点駅から求めたものを1m単位で四捨五入して表示する。
- 全路線の作成を目標とするが、当面は、特急列車の走った路線に対して作成する。複々線以上の区間については、線路別複々線の場合には別に記載することを基本とする。
4.算出結果の記載・凡例
表の記載内容に記載します。
5.参考文献・出典・注意事項等
各駅間の「営業キロ」および変更日については、Wikipediaおよび停車場変遷大事典の記載を参照しました。
利用したGISデータが「商用利用禁止」であるため、記載した実キロ情報も商用利用禁止となりますのでご注意ください。
各ページに記載した図は地理院タイルに鉄道データ・鉄道時系列データおよび作成した路線データを追記して掲載しています。
算出した「実キロ」はGISデータから求めたものであり、誤差を含みます(表定速度を計算する際の誤差にもなりますが、運転時間も秒切り捨てのため最大2分弱の誤差を含むため、いずれにしろ公開されている情報からは正確な表定速度は算出できません)。
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