2.1.1　長距離列車

(1)新幹線開業前

• 夜行特急は東京〜博多間で運転再開したのち、東京〜九州間で順次運転距離を伸ばしていきます。
• 一方、昼行特急は東海道で運転再開したのち、最長距離列車は山陽、東北、日本海と変化していきます。1961年の段階でこだま・つばめ+みどりで東京〜博多間の日着が可能でしたが、直通の昼行列車が運転されることはありませんでした。東海道区間では電車運転していましたが、山陽線が全線電化されていないことも理由の一つかと思います。
• 1958年からしばらくは「はやぶさ」が全列車中の最長距離の座を守りますが、列車としての最長距離は運転開始時の東京〜鹿児島間の1519.0km。1年足らずで運転区間を1駅短縮し、その後は途中区間の改キロ等で距離を減らしていきます。
• 昼行特急では「白鳥」が1961年の登場から2001年の廃止まで約40年間最長距離の座を守ります。こちらも運転経路の変更、途中区間の改キロがそれぞれ2回あり、起点終点は変わらない中、運転距離は時期により5種類の変化がありました。

• 東海道新幹線が1964年に開業。その後山陽新幹線が1975年に全通した時点で、昼行列車としての最長距離列車の座は新幹線に渡りました。
• 狭軌列車は夜行列車・昼行列車とも、新幹線開業直後の1965年に最長距離を記録。その後は順次距離の短縮が進むことになります。これも長距離輸送の主体が順次新幹線に移っていったことを物語っていると思います。
• 民営化をまたいだ1980年〜1997年が最も変化が少なかった期間。一度改キロによる距離の変化はありましたが、最長距離列車は17年の間変化がありませんでした。

• 1997年からは夜行の最長距離列車は「トワイライトエクスプレス」に移ります。ただし週の半数程度運転の臨時列車だったため、定期列車の最長距離列車も併記しています。
• 2001年に白鳥が廃止されると、昼行の最長距離は一気に半分以下となり、それ以降500kmを超える距離走る列車は登場していません。新たな1位が「白鳥」を分割した「いなほ」であることを考えると、いかに「白鳥」が長距離を走っていたのかがわかります。
• 北陸新幹線や北海道新幹線が開業すると「トワイライトエクスプレス」「北斗星」「カシオペア」と次々と夜行列車が運転終了し、残ったのはサンライズのみになります。この時点で狭軌期間で1000kmを超えて運転する列車はなくなり、昼行・夜行通じて最長距離列車が新幹線のものになりました。

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