OKINAWA 1999

慶良間列島・座間味島



ZAMAMI OKINAWA(03.Apr-09.Apr'99)


【沖縄へ移動】

 サイクル23の上昇と共に入感し始めたインド洋方面のDXも、1エリアまではなかなか聞こえて来ません。 西日本では良く入感するVQ9(Chagos Is)も、深夜まで毎日ワッチしていても、オープンするのはJA2までで、 何故か1エリアには聞こえないのです。
何時になったらオープンするか判らない相手を毎日待っているよりも、聞こえる所へ出掛けてQSOしてしまおう...と考えたのが、 移動運用のきっかけでした。 加えて今回の移動の後押しをする事になったのは、4月1日から始まった3B9RのDX Peditionでした。 行くならこれに合わせて行くしかないと、急遽日程を組んで出掛ける事になったのです。
インド洋の3B9(Rodoriguez I.)は、このコンデションでは沖縄ならQSO出来ても本土からは難しいと判断したからです。
移動先は、短期間で"確実にQSO出来る"沖縄に決まりました。
3B9Rについては、結果的に本土でも多くの局がQSOに成功しましたが、局数が圧倒的に多い1エリアからのQSO数が、 JAの総QSOの一割程度に留まってしまったことを考えれば、今回の"沖縄行き"は正しい判断でした。

【沖縄県・座間味島】

 今回運用地に選んだ座間味島は、沖縄県那覇市の西方約40キロの慶良間(ケラマ)列島にあります。 周囲約24Kmの座間味島は、沖縄でも有数のダイビングのメッカとして知られた場所です。 この島へは那覇市から毎日2便就航している高速船で55分と、思ったより便利なところです。
透明度の高い座間味の海は、サンゴの美しさと、そこに生息する魚の豊富さでも知られています。 地元の人は"世界で二番目にきれいな海"と座間味の海を自慢します。 "世界で一番"と言わない謙虚なところが良い。
座間味島は小笠原(JD1)と同様、日本では数少ないホエールウオッチングのポイントとしても注目を集めていて、鯨の回遊時にあたる1-4月には、 豪快なザトウクジラのブリーチングを見物することができます。
私自身、自然溢れる座間味島に魅了され、通い続けてかれこれ10年近くなります。 ダイビングをするでもなく、 ただ珊瑚礁の海岸を散歩したり、白い浜辺に横になってノンビリ開放感を味わうのが、この島での過ごし方でした。
何度も訪れている座間味ですが"季節はずれ"の4月に出掛けたのは、今回が初めてでした。

上の写真は民宿のある阿佐の港。後方の山が海抜137mの高月山。
この山で西方向がブロックされ民宿からアフリカ方面は狙えない


 目的地の座間味島には行きつけの民宿もあり、乗り継ぎの手間さえ気にしなければ、 インド洋方面を狙う運用地としては最適の場所でした。
移動運用のため準備するRIGやアンテナは、海外で運用する時と同様のものを用意する本格的なものとなりました。 ただ、今回は国内移動なので、装備一式を前もって"宅配便"で送れるので気楽なものです。

【那覇市で聞く6m】

 4月3日午後、那覇空港に到着。 座間味島行きの船の都合で出発は2日後の5日の朝の予定なので、 それまで那覇市内の旅館に滞在することになりました。
この日は旅館からほど近いローカル局を訪ね、6mをワッチさせてもらうことにしました。 訪れると、なんと!3B9Rがオープンしていて沖縄の各局がQSOしていました!。
この日は30分ほどのオープンでしたが、3B9Rのフェードアウト後も4S7YSG、4S7EAの他に9M2TO等がRST599で入感しています。 明日以降のオープンが楽しみになってきました。
翌4日も夕方から3B9Rが入感しています。 短いオープンでしたが"競争相手"の少ない沖縄では十分すぎる時間でした。
この日は3B9Rの他に4S7EA、UAEのA61AHなども入感、夜遅くなってからVQ9DXが50.110MHzでCQを出しています。 1エリアでは信じられない入感状況です。
やはりここはまぎれもなく"沖縄"なのです!!。


JR6GVのシャックでEyeball QSO。中央はJR6GV・平良さん

"3B9R狙い"で那覇市に移動していたJM1KNQ、JQ3DUEの両局
FT-655と7eleでオープン初日に早くもQSOに成功した!


【座間味島から運用】

 5日の朝、2日間滞在した那覇市を出発、座間味島に向かいました。 春先の海はやはり荒れ模様で、夏場の穏やかな海面とは違って高速船は大揺れでした。 1時間弱の航海の後、目的地座間味島に到着。
民宿に落ち着く間もなく、さっそくアンテナを組み上げ、午後からの運用準備に取りかかりました。 今回の移動で問題だったのは、民宿のある阿佐地区が島の東側の湾に面しているため、 南西のインド洋方面は約140mほどの山に遮られて民宿の場所からは運用出来ないことでした。 このため、運用場所を見晴らしの良い座間味島の西南端の岬、女瀬崎(うなじの崎)に移す事にしました。 この岬は東から北西方向にかけて眼下に東シナ海を一望出来るFBなところです。 "幸い"民宿の送り迎え用のワゴン車を"無線専用"に借り受ける事が出来ました。
女瀬崎(うなじの崎)は、車で片道約20分の山越えになりますが、舗装された観光道路は快適で"通い"も苦になりません。 今回は民宿とこの岬の展望台の駐車場の間を、一日に2往復しながら、深夜まで運用しました。


運用は駐車場に停めたワゴン車/6mのアンテナはRadixの5ele Yagi

南西方向の眺望はバツグン、眼下に広がる東シナ海


 夏場の夕暮れには「サンセット・ツアー」の客で賑わうこの女瀬崎の展望台も、シーズンオフのこの時期は、 日中でも訪れる車はほとんど無く、何の気兼ねもなく運用出来ました。 ただ、岩壁に打ち付ける波の音と、木立を吹き抜ける風の音だけの夜間は、何とも言えない"寂しさ"を感じたものです。


◎ 沖縄移動期間中に入感したDX局。

  4S7YSG 4S7EA 9M2TO 3D2TC VR2XMT 5W1SA 3B9R VQ9DX VK4,6 A61AH V73AT


晴れた時の女瀬(うなじの)崎からの夕日は美しい/運転席横のシートにセットされたFT-655

 今回の移動では沖縄の皆さんに大変お世話になりました。
ありがとう御座いました。(JA1RJU 小笠原 一夫)


【座間味島の3地区】

 座間味島は港のある中心部の「座間味」と北部の「阿佐」、南の「阿真」の3地区に分かれています。 島の中央には眺望の素晴らしい標高137mの高月山があり、慶良間内海に点在する島々や、粟国島、 渡名喜島、久米島が遠望でき慶良間随一の景勝地といった感。 夜にはここの展望台から、遠く那覇市の明かりを望む事も出来ます。
港から車で5分程度の所に、遠浅の波静かな阿真ビーチがあります。 この近くにはキャンプ場や青少年旅行村などの施設があり、夏場は家族連れが多く訪れる人気スポットとなっています。


慶良間列島・座間味島全図


運用場所は最西南端(左端)の女瀬(うなじの)崎