出会茶屋 |
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【大江戸色模様】
題名の出会茶屋は江戸時代のらぶホテル。
TVの時代劇なんかだと不倫の現場なんかでよくでてきます。
小間物問屋の若い後妻と色白の手代とかですね。
実際は上野不忍池あたりに多かったようで、ユーザーの筆頭は江戸川柳によれば大奥の奥女中です。お相手は不忍池からほど近い湯島天神下の蔭間茶屋の若衆や歌舞伎役者など。
大奥にお勤めの方は日頃殿方に接してませんから、たまの逢瀬のときは激しくて、お相手もなかなか大変だったようです。
出会茶屋許せの声は男なり
【衆道今は昔】
さて若衆の方ですが、蔭間茶屋にいるのはプロの男娼で、15、6歳までは殿方のお相手をし、年齢が高くなると女性のお相手をしたそうです。
武蔵さんも真っ青の二刀流ですね。
日本では同性愛は古来「衆道」と呼んで罪悪視はしてなかったみたいですね。
フランシスコ・ザビエルも「日本人は礼儀正しく知識欲もあり素晴らしい民族だが、ただ一つ悪魔の習慣を持っている。衆道である」と言って非難してます(正確じゃないですけど)。
もっとも戦国時代のお大名はザビエル師に非難されても「え、なにが悪いの?」という感じで全く理解できなかったそうです。
女性とのナニは柔弱だけど美少年との衆道は凛々しいものだと思ってたみたいです。
織田信長と森蘭丸が有名がですけど、他にも上杉謙信と直江兼継、将軍家光
と柳生友矩(柳生十兵衛の弟)とか枚挙にいとまがありません。
みなさんお美しいだけでなく文武両道の立派なお侍です。
【念者】
私の絵の若衆はそんな立派なお侍ではありません。文武両道より色道専門の方ですね。衆道の年長の方は念者(ねんじゃ)と呼んで、そういう関係になることを念比(ねんごろ)になると言ったそうですが、この絵の外を見てるお侍はまだ念者になる決心をつきかねてるようです。
でも、もう時間の問題のようです。