<Prev | CG-Index | Battle | 2000 | Next>
Catch as catch can |
---|
リフトアップをあきらめたカレリンはマエダの体をマットに落とした。
その一瞬の隙をついてカレリンの剛腕をふりほどいたマエダは、間をおかず一気に両足タックルをしかけた。
さすがにこれをかわしたカレリンだったが、マエダは更にタックルを狙う。
両足がだめなら、猿臂を伸ばしてつま先だけでも掴もうとする。
カレリンがグレコローマン仕込みの圧倒的なパワーを誇るなら、マエダは手に触れるものすべてを「決める」キャッチアズキャッチキャンスタイル、スピードとしつこさが身上だ。
何度目かのアタックがついにカレリンを捕らえた。
丸太のような両腿を絞り上げられ、巨体がマットに倒れる。
マエダの腕が首を捕らえ、腕を固めるウイングロックでニアフォールの体勢に持ち込むが、カレリンの鋼鉄のようなブリッジをなかなか潰すことができない。
大きくポイントをリードしたものの、攻めあぐねたままスタンドポジションを命じられてしまう。
相手もかなりスタミナを消耗したはず、勝負だ!とマエダはまたもタックルをしかけようとしたが、カレリンは体を沈めて左四つに組みとめて防ぐ。
しかし、防がれた、と思ったのはマエダの一瞬のおごりだった。
カレリンは組みとめた次の瞬間、胸を合わせたまま一気に後ろにそり投げた。
ベリートゥベリースープレックス。
マエダの視界の中で満員の観客席が流星群のように流れると、水色のマットが視野一杯に拡がった。
<続かない>
◆ラフ(男子百景)