最初は紙に鉛筆でスケッチします。
その下描きに、水性ボールペン(黒)で輪郭線を描きます。
鉛筆の下描き[2]とペンの輪郭線(主線)[3]を、それぞれスキャナーでPCに読み込みます。
PCで色をつけたり、細かい模様や髪の毛を描き足していきます。
[2]下描きも
[3]主線も
[4]彩色も
[5]着物の模様も
[6]髪も
[7]帯模様も
[8]帯揚げも
[9]蛇の目傘も、
別々のレイヤー(「層」という意味で、透明なシートみたいなもの)に描かれて重ねて表示されます。
左が完成図とレイヤー構成です
毎年の年賀状と暑中見舞いはほぼ同じような手順で描いてます。良い絵が描ける方法というより、いつもギリギリで時間がなくなるので、比較的手軽に描けるように試行錯誤してだんだんこの方法に定着してきました。
ツールはPhotoshopです。すごいソフトですが、20年も前のバージョンを使っています。
これは私が時代錯誤かつケチなだけで、最新版のPhotoshopはもちろん、Clip Studio Paintみたいな低価格の最新漫画ツールでも、これと同等かそれ以上のことができます。
とはいえ、私のようなヘッポコには機能は十分で、単純な分、筆が軽快です。
以下が、それぞれのレイヤーです。
下描きは参考用にするだけで、完成図には表示していません。桔梗の花はボツ。
主線は黒一色ですが、PCで下の彩色に合わせて色変更しています。
一番下の背景レイヤーにベタ塗りで彩色。
着物の紋様は[13]の蝶模様を縮小コピーして、変形させたり折り目でずらしたりしながら貼り付けています。
帯の模様は[15]の模様を縮小コピーして、貼り付けています。
別のファイルで蛇の目傘を描きます。[2]の下描きの傘部分を当たりにして、Photshopのパスツール(ワクチンの人ではなく、直線曲線を扱える図形ツール)で中心を決めて傘の骨を描いていきます。
人に隠れて見えないところは手抜きして描いていません。
[9]を傘と柄に分けてレイヤーとして取り込み、色を調整(彩度と明度を落とす)して影を書き加えます。
背景より後ろには置けないので、人が重なる部分はレイヤーマスクで抜きます。
傘とほとんど同じです。傘は原寸ですが、こちらは4倍以上で描いて縮小して使っています。
蝶の紋様をデザインするときに参考になったのは日本の昔の紋です。
直接参考にしたわけではありませんが、土曜日午後にEテレで放送している「デザインあ」という15分番組があります。
そこでたまにやる日本の紋の(和筆とコンパスですべて描く)描き方を紹介するコーナーは感動します。
最近妙な風当たりが強いようですが、NHKはやはり面白い番組が多い(回し者ではありません)。