第2講 声優ゲームとグッズ

〜癒し癒されるために……〜
97/10/23開講、10/27最終更新

0、前書き

恋愛ゲーム学総論第4講「CD-ROMは恋愛ゲームをどう変えたか?」、第5講「おいしい恋愛ゲームの作り方<その1>」に対応した補講です。冗談半分で書いてますのでそれが正しいかどうかは自分自身で判断して下さいね。(笑)

1、声優ゲームについて

(ここで言う「声優ゲーム」というのはもちろん声優を全面に出した恋愛ゲーム、ということであって、それだけがコンテンツの声優ROMに毛が生えたような奴:-)は当方の関知するものではありません。:-))

総論の方では色々とケチをつけている声優ゲームなのですが、では声優ゲームは必要なものなのでしょうか?

答え:必要です。(笑)

確かに恋愛ゲームの質の向上にとって、声優ゲームは望ましい存在とは言い難いものがあります。しかし、声優ゲームには声優ゲームでしかできないことがあるのです。

近年恋愛そのものが多様化する中で、疑似恋愛と恋愛の中間のようなカタチが現れました。いわゆる「声優萌え」です。

声優に対する恋愛は成り立つものなのでしょうか?それは多少なりとも現実味を帯びた恋愛の1つのカタチと言えるのでしょうか?
これは難しい問題です。というより、人それぞれ、ということになってしまうのでしょう。残念ながら私自身は声優属性がそこまで強くないのでそれに答えを出すことはできません。

確かに言えることは、その「恋愛」は初めからほとんどの場合一方通行のものにしかならないということです。成就しないと分かっていて、それで「恋愛」対象に成り得るのでしょうか?
しかしゲームやアニメ等の2次元キャラとは違います。2次元キャラの場合も一方通行な「恋愛」である訳ですが(ゲームの中での恋愛はここでは関係ありません…あくまで現実世界の話なので)、少なくともその対象が確かに現実世界に存在しているからです。
また、一方通行という点で一般のアイドルにも繋がりますが、セイドル(アイドル化しているこの頃の声優)がアイドルと違うのはゲームのキャラというフィルタを通してでもずっと身近に感じることができるという点です。そしてそれは最近のアイドル低迷・セイドルブームの原因の1つなのかもしれません。

このように恋愛対象としての声優はやや宙ぶらりんな位置にあるのですが、それでもその人が声優に「恋愛」感情を抱けたならば私たちはそれをやめさせる権利は当然ありませんし、「現実逃避」というレッテルで非難することはできません。そして、その「恋愛」を少しでもリアルに感じるために声優ゲームと声優イベントが必要とされているのです。


さて、話はいきなり変わって、音声の実装に関してですが……。
音声が入ることはもうすでに当たり前となっているのですが、まだまだ改善の余地は残されていると思います。

重要なのはカスタマイズということでしょう。あらゆる設定がカスタマイズできるのが常識になりつつある中で、音声についてももっと細かなカスタマイズができても良いのではないでしょうか。

一つがBGMとのボリュームバランス調整。PCゲームでMIDI/WAV、あるいはCD-DA/WAVで音源が違えば調整もできるのですが、コンシューマやBGMと音声がWAV合成で出力されているPCゲーム(Win95版同級生2など)では調整ができないので、自分にとっては音声が大きすぎるとかいうことになりかねません。

しかしもっと重要なのが音声のON/OFF。
え?すでに大抵のゲームに実装されている?いやいや、まだまだ甘いんですよ。(笑)
そもそも音声のON/OFFができないものは話にならないのですが、男の子キャラも喋るゲームにおいては、両方ON、女の子だけON、男の子だけON、両方OFFという選択肢がなければなりません。
そして、更にカスタマイズが進めば「キャラごとに音声ON/OFF」ができるというのが必要だということが分かるでしょう。ほら、だって、いらない(興味ない)キャラは音声OFFで素早くカットして、必要な(好きな)キャラだけ声を聞きたいとは思いませんか?ね?(笑)

また、もしキャラごとに音声のON/OFFができれば、自分にとって声がイメージ違うと思ったらそのキャラの音声を外すこともできるのですから「イメージを強要する」という問題を避けることもできます。
すなわち、これからの恋愛ゲームは、キャラごとの音声ON/OFF機能搭載が必須なのです。(笑)

2、グッズについて

話は変わり、飽きることなくどんどん作られているグッズなのですが、ではグッズは必要なものなのでしょうか?

答え:必要です。(笑)

「そんなものにお金を使うぐらいなら、その何割かでも現実の女の子に投資すれば多少はもてるようになるかもしれないのに。」

よく言われることですね。(笑)
しかし、そう考えることが出来るあなたは、十分幸せ者なのです。:-)人は自分の立場でしかものを考えられないのですから、何が正しいかは人によって違うということです。

結論から言ってしまえば典型的な恋愛ゲーマーにおいては上の考え方と一致するとはいいにくいと言わなければなりません。そもそも、発想の順序が違うのではないでしょうか。

というのも「グッズ等にお金をつぎ込む」→「もてない」のではないのです。「現実世界で使う相手がいない」→「お金が余るのでグッズに手を出す」なのですから。(笑)
可哀想な人たちに同情される余地はあっても非難される理由はないでしょう?(笑)

残念ながら私自身はグッズ属性もないので答えを出すことはできませんが、グッズを買うことでたとえそれがかりそめの癒しだとしても慰められることができるなら、それは間違った行為とは言えないのではないでしょうか?グッズを保有することで満足できるならそれでいいではありませんか。少なくとも非難する権利は私たちにはないでしょう。

そう、グッズは確かに必要とされているのです。可哀想な人たちがお金を使うべき対象として。(笑)

3、恋愛ゲームで儲けよう(笑)

本論では「恋愛ゲームは儲からない」と書いているのですが、それは恋愛ゲームの質の向上のために必要な考え方ということであって、実際恋愛ゲームは儲かるのです。それも割と簡単に。(笑)

技術的なものがほとんどいらないというのもあるでしょう。素材が全てですから。グラフィック第一で(有名作家等)、有名声優/人気声優を揃えればすぐ販売数が計算できる。それにグッズやイベントを組み合わせればもうボロ儲け。(笑)
もちろんどこがやってもうまくいく訳ではありませんが、ゲーム全体のレベルが向上し、大きいソフトハウスがますます有利になる中で、非恋愛ゲームで勝負するより成功の可能性が高いのは間違いないことです。

そこでこれから恋愛ゲームを出すソフトハウスにしっかりと認識しておいて欲しいのです。
恋愛ゲームとそれに絡む声優イベント・グッズを出すということは「可哀想な人たちからお金を搾取する」略奪行為であり、また同時に「その可哀想な人たちの心を癒す」救済行為である、ということを……。:-)


(誤解のないように書いておきますと、秋風自身は声優・グッズとも属性がないだけで、「可哀想な人たち」に含まれていると感じているからこそそう書ける訳ですので。(笑))
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