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恋愛ゲーム学補講


第21講 2000年ベスト恋愛ゲーム投票─(3)総括

2001/06/27開講、2001/06/27最終更新

1.2000年恋愛ゲーム総括

 1999年の総括はどうしたという声が…なさそうだが、アンケートの最後の設問を元に2000年の恋愛ゲーム総括と、2001年への展望をまとめておこう。

問、よろしければ投票されたゲームを選んだ理由をお教え下さい。2000年の全体的な印象や、2001年の恋愛系ゲームに期待することなどのご意見も大歓迎です。

 「投票されたゲームを選んだ理由」については前2回を参照。なお、斜体は非情に読み辛いので明らかに引用と分かる部分については以下斜体にしない。例により恋ZERO標準表記に編集してある場合あり。

「AIR」の1年】
  • 何というか…やっぱり(Keyの)一人勝ちという印象は強いですね。私自身はこの系統のゲームのプレイ自体あまり多くしないですので、やはりインパクトや、話題性という意味でこういう結論を出さざるを得ません。なにしろ「AIR」で傷を深追いしすぎたという印象がありますし、もっと本質的な部分で"癒される"ゲームを求めてると考えます。もっとも、本当に傷ついた人間は同じ傷を見せられても(あるいは追体験しても)決して癒されやしないのですが…。なんにせよ、今後は明るい気持ちになれるような作品が出ることに期待したいですね。
  • 名作がぼちぼちってな感じで、よかったかな?っても、2000年といったら「AIR」なしには語れない。
 総合ランキング(ベスト/ワースト)でも確認されたように「AIR」に振り回された後半だった。(「AIR」)以前から私はオフで3作に2作は久弥氏で稼いでそのカネで(3作のうち1作を)麻枝氏が作れと言うことを口にしていたのだが、その「AIR」が売れ過ぎてしまったことが少なくない悲劇を招いた感がある。

【供給過剰の中で】
  • 2000年度のゲームは大作志向が全般的に強い一年のように思えた。(いい例が、「Natural2」「AIR」
  • 大作不在の年という印象が残った年でした。しかも、以前にも増して発売タイトルの過剰供給、そして消費期限〜作品寿命のサイクルがさらに短くなってきて市場の飽和をひしひしと感じます。このまま行くとメーカーもユーザーも共倒れしかねないので、淘汰が進んでもっと市場が整理されると嬉しいです。とはいえ、全く着眼点をはき違えている無能な政治家達のつまらん宣伝活動の為に18禁ゲームの世界にこれ以上の規制などが持ち込まれるのは言語道断ですが。作品傾向としては、昨年多かった観念的シナリオなどダウナー系のゲームが減って、コメディや癒し系、明るく楽しいH系などアッパー系(って言うのか?)が盛り返して来たような気がします。又、従来、恋愛ゲームというと「性的描写の控えめな…」という印象がありましたが今や調教・陵辱といった激しい描写とも共存するようなケースもありますます多面的で分類が難しくなってきている気がします。
  • 本数が今まで以上に大量に生産され、特に旧作のリニューアルが目立った年でもあったと思う。単なる焼き直しに終わらなかった意味では「真・瑠璃色の雪」は良かったと思うが、リニューアルばかり出しているようではその会社の新作製作体制を疑ってしまうと共に過剰供給でユーザーが息切れしてしまうのではないか?ただでさえも新作が大量に出荷された今年は、プレイする時間と金銭的な問題でユーザーがかなり息切れして、全体の印象がぼやけてしまう程ではないであろうか?そんな中でネットの情報を鵜呑みにして特定作品に購入が偏ってしまうのではないであろうか?無論、良い作品の評判が流れることに関してはそれは非常に優れた情報であるが、一部の受けしか得られない作品が全体に広まってプレイするのでは個人の好みもだんだんおかしくなってしまうのではないかと私は思う。まあ、丁度情報の取捨選択や作品を見分ける目を磨くのには良いチャンスなのかも知れないが…。
  • 歴史的な名作はないけど佳作が多かったです。
  • リリース本数が多過ぎて、埋もれて行く佳作が残念で仕方ないです。2001年は、今年秀作をリリースしたブランドがまた良い作品を出してくれる事を期待します。
  • 出すぎです。
  • 昨年ほどビッグタイトルが無かったと思う。「AIR」は個人的にはイマイチでした。
  • 女性の絵師が活躍しましたね、2000年。
  • 不作だった…とか言う前に自分が忙しくてあまり新作がプレイできなかったというのが正しいか。(一応受験…)そのかわり「EA MIND」とか気軽にできるゲームはこなしてた気も。「AIR」に、まわりのひとがさわぐほど影響を受けなかったのも、きっと僕の心がすさんでいたからなのでしょう。きっと。
  • 2000年は(実質的に)ヤフーオークション大活躍の年だったように思います(皮肉)。(ショップ毎にオリジナルグッズをつけるから)そんなところでがんばられてもなー(苦笑)
  • 2000年のゲームは個人的に傑作と呼ぶ恋愛ゲームは発売されなかった。
  • 2000年はあまりパッとするものがなかったけど、2001年は期待できそうです。TLS3」も発売されることだし。
  • ゲーム的恋愛とは別に、ライターが自己主張を強める傾向が広がった1年だと思う(いうまでもなくKey効果だろう)。それはそれで期待を抱かせてくれるが、一方で作り手の思想や人生経験の質も露わになった気がする。発売数が多すぎたことは大きなマイナス。「AIR」のようにじっくりやらなければ理解が難しいゲームを、機械的にこなしていく自称「ヘヴィ」ゲーマーを産み出す一因となっている。まぁ所詮不況の現在、ネット上にはびこるほど現実に存在してはいないにしても、新しいゲームには新しいプレイスタイルが求められることを周知させる必要があろう。
 供給過剰という声が目に付く。どう考えても買い切れないので淘汰圧は働いているはずなのだが、ゲームの性質としてすぐにはそれが反映されてこないため、淘汰される前から次のブランドが現れてきて一向に収束する方向に向かっていない感がある。また、供給過剰がゆえに1つの作品にかけられる時間が減っているというユーザの実感は、恐らくそれ自体が大作の存在の可能性を減らしていると言えるのかもしれない。というより、自分にとって「大作」であればいいのであり、別に大作である必要はないとも思うのだが。

【「恋愛」の停滞あるいは後退】
  • 話を聞いている限りでは「AIR」は恋愛ゲームには思えないんですが…。恋愛ゲームの定義は「女性が複数出てきて特定の一人と仲良くなることが可能」というくくりで大体間違いないと思いますが、このくくり自体が(例えばSFのように)シチュエーションの説明であってゲームジャンルではなくなってきているような気がします。
  • だんだんシナリオに厚みのあるゲームが増えて良いことだと思います。
 「AIR」は恋愛ゲームではないので今回の投票対象外としたという意見はいくつか散見された。いや、間違いなく恋愛のフォーマットから外れているし、もはや恋愛ゲームの皮すらかなぐり捨てている。観鈴に至っては麻枝氏の「恋愛以前キャラ」を突き詰めた結果にしか見えない。実際、テキストに立ち戻ってみると、(恋愛を描くのにそれを言葉にするのは貧しいからこういう数字を挙げることに意味があるかは怪しいし、更に統計的観点から言えば一般の物語、および他の恋愛ゲームと比較しないとその有意性は分からないが)画像で書かれた以外のテキストの中で、「恋」および「家族」は以下の回数出現している。

wordcount
11
家族64

 なるほど、家族愛うんぬんと言われるのも無理はない。が、私はあまりその方向は強くは感じず、むしろ、「恋愛」も「家族」もある種のフォーマットであって、「一緒にいること」、「ふたりでいること」という方に力点があるように感じた。出現頻度を見てみよう。

wordcount
いっしょ40
一緒279
ふたり161

 ここまで来ると悪意すら感じる。「一緒にいること」という原初的な関係性は洗練された恋愛からは退行、もしくは「進化」した形態であるが、以前より「恋愛やセックスを含めて、次の関係性の形を模索する」としている恋ZEROにとってみれば、極めてタイムリーですらある「前恋愛ゲーム」であった訳だ。

 なお、付け加えて言えば、いや、付け加えるというより恐らくもっと力点が置かれているのは「ひとりという『関係性』」だろう。

wordcount
ひとり364

 …間違いなく嫌がらせだ。

 さて、しばらく「AIR」を見てきたが、これは必ずしも「AIR」に限ったことではないように思う。すなわち、「シナリオ重視」やら「感動系」やらな恋愛ゲームといった時、その中で恋愛シナリオは一体どれぐらい重視されているのだろうか?ということだ。その意味で、「恋愛の停滞あるいは後退」は恋愛ゲーム全般に蔓延しているようにすら感じる。

 これはやはり恋愛それ自体のトランザクションは端から見てごく詰まらないものが、当事者に置かれることで(幻想を共有することで)初めて特別な意味合いを持つという性質とも無関係ではないのだろう(「AIR」に戻れば当事者どころか読み手は徹底して傍観者に置かれた…)。これを解決するには大きく分けて(i)何とか恋愛話自体で愉しませる、(ii)シチュエーションやキャラで萌え度を上げることで「当事者」にしてしまう、(iii)恋愛以外の部分で愉しませる、の3つが考えられるが、恋愛ゲームが無数に出続ける中で(i)でかつユーザの印象に残るものを作り手が作れなくなっているのではないだろうか。そして残った2つが「萌え系」と「感動系」(恋愛要素のある複合ジャンルゲーム、この場合はノベル)ということになっているのであり、その恋愛表現は推して知るべしという訳だ。もちろん、難しいからといって放棄していいものでもないから、私が2001年以降に期待するとすれば正々堂々「恋愛」で勝負する(心を揺さぶる)恋愛ゲームと言いたい。

【コンシューマ沈黙】
  • コンシューマの恋愛系ゲーマーから見た2000-2001年: 恋愛系ゲームは、PCでは色々出たかも知れませんが、コンシューマではまるで買う気にさせるのが出なかったので、基本的にPCゲームを買わない私としてはヘボい1年でした。良かったゲームっていわれても…。情けないことにKIDのゲームくらいしか買ってないので選択の余地が…。2001年のコンシューマの恋愛系ゲームは「TLS3」を筆頭として「メモオフ2」やら絵の綺麗なPC移植ソフトやらが多少は出てくると思われるので、まぁ2000年よりはマシかも知れません。とはいえ買ったとしても5本程度のような気もしますが。2001年は多少持ち直すかも知れませんが、今後もどうせ売れやしないコンシューマーの恋愛系ゲームはどんどん減って行くんでしょうねぇ。無意味なコンシューマへのこだわりを捨てれば恋愛系ゲーマーライフが楽しくなるのは分かっているんですが…。
 コンシューマは(「ガンパレードマーチ」を除くと)沈黙。(私を含めて)PCゲーマーはコンシューマ移植の意義をしばしば問うが、それでも必要としているユーザがいるのは確か。もちろん大半がPCゲーマーと被っていると思われるのだが…。

【ロリ】
  • 2000年は私の大好きなロリッ娘物がちょこちょこ見られる様になったので嬉しかったです。2001年は、もっと増えると良いな〜(^^)
 自作自演では…ない。ソフ倫の自主規制で(登場人物が高校生がメインの)恋愛ゲームの存在が危ぶまれたが、全くの杞憂。かえって「これだけのことを守っていれば」何でも許されるような雰囲気すら感じられる。

【ブランドの盛衰】
  • 今年は、リーフ、タクティクス、トンキンハウス(PS)、の次回作に期待。
  • 1年を通じて去年の「Kanon」程の出来のものが無かった。ちまたでは「AIR」が流行っているらしいが、盲目になってはいないか。私は「Kanon」の絵がそれ程好きではないのだが、樋上いたる氏の絵が『綺麗』だとぬかす「Kanon気違い」は本当にどうかしてると思う。去年のアンケートではそれは無かったが、今年はグラフィックで「AIR」に入るのだろうか。グラフィックと言えば、CARNELIANの1年だった。ただ、息切れの感が。「WhiteAngel」から「恋ようび」への絵はちょっと疑問が残る。「レンズの向こう側」にいたっては、馬鹿にされている気が……。これはシナリオか。来年の業界はどうなるのか。行き詰りの感が有るが、多分行き詰まるであろう。大手がどれだけ良作を放てるか、新規参入組がどれだけPowerのある作品を出せるか、予想は景気並に悪いです。(「まじかる☆アンティーク」は私の周りではだれも口にしませんでした。「こみパ」以降、Leafにはもう愛想がつきました。ついた仇名が「業界のS〇UARE」。来年は汚名返上なるか)
  • 2000年を振り返るとシナリオにウエートが占める作品ばかり目立った気がします。そんな中ではGPMは異彩を放っていたしこう言った作品ももっとやりたいですがPCのソフトハウスさんでは難しいそうですね。一般的にはAIRだと思うんですがコレって「恋愛ゲーム」って言われるとちょっと違うんじゃないかなぁって思うんで個人的には対象外にさせてもらいました。(恋愛ゲームというより家族愛だしゲーム的アプローチも皆無に等しいし)2001年の期待する事は実はありません。コンシューマーのギャルゲーは一部のメーカーを除くと軒並み撤退。PC市場はKeyのバチモンばっかと正直悲観的な展望しかなく今年はコンシューマーもPCも非恋愛路線に期待って感じです。あえて、期待作を挙げれば「トゥルーラブストーリー3」「メモリーズオフ2」「Piaキャロットへようこそ!!3」、ブランド名を挙げればアージェ、スタック(0verflow)、アルファシステムでしょうか?
  • Leafはどうしちゃったんでしょう?(スフィーは可愛かったけど。)新しいことに挑戦したいのはわかるのですが、自分たちの過去の財産をどんどん捨てている感じで、次回作もデモを見ている限りでは「大外し」の懸念が消えないのですが……。
  • やっぱり大手ががんばってるように思います。新鋭メーカーさんも次回作ではガッカリってパターンが多いような…。
  • 昨年は全体的に小粒だった感が…(毎年そう言ってる気もするが)。鍵系に傾いた流れを、再び多士済々群雄割拠の状態に戻すような流れを期待。#だが結局購入者が変わらなければ、それも無理からんこと。中小メーカーの奮起も、今の経済状況では限界に近いし、今後はGPMのような、他の系統とのリミックスが注目されるのでは?とりあえずは、春からのPS2戦線に注目。
  • 昨年のゲーム。はっきり言って不作でした。2000年はPCゲームは駄目だな〜と思っていましたが、2001年はもっと駄目そうですね。Leafも高橋、水無月、原田が抜けてどうなってしまうことやら…。
  • 2000年のゲームは、それなり……です。周りのシナリオレベルが上がってきているので、Keyレベルのシナリオを作る事は難しいかもしれませんが、頑張って欲しいですね。でも、そのKeyの今回の作品、「AIR」は……ノーコメント、刺されたくないし。(笑)Keyに過剰な期待をしてると思うのですが、以前の作品の評価が高すぎて、シナリオのレベルが上がっていないと、「ああ、今回もこんなものか……」と、思ってしまうのは、オレだけなのでしょうかね……。2001年、入ってますが(笑)、今の時点でのおすすめは、choirです。新規メーカーなのですが、なかなか、良い作品を作って下さいました。少し、注目です。まあ、あまり、恋愛ではなかったのですがね。ただ、シナリオは、それなりに……。いや、結構好い物を作っておられます。少々、荒削りな所もある気がしますが、それでも、光るものがあると思います。新規メーカーが増える中で、このようなお買い得メーカーが出る事を、少し、期待します。シナリオは、洗練されていればそれ程良いとは思いますが、結局は、相手を引き込む術、いかにそのシナリオを上手く見せるかです。「Kanon」等は、引き込み方が、非常に上手く思います。シナリオもかなり、洗練されていますし、何より、音楽。あの音楽が、その場の臨場感を強くし、より一層、プレイヤーを引き込んでいるのでは、そんな感じがします。グラッフィック面では、最近、どこもかしこも、レベルが高いので、特に、気にする事は無いですね。今年、一番のお気に入りは、「Canvas」
  • 絵だけが良くて、他が手抜きもしくは実力不足といったゲームが多かった気がする。
  • 2000年は良作(シナリオ)に恵まれた年だったと思う。「AIR」「久遠の絆再臨詔」を始め、「果てしなく青いこの空の下で」「銀色」など…。しかもその多くがマイナーだったメーカーから出ていることも面白い事だと思う。今年はそれらのメーカーに注目したいと思う。
 2000年は、前年には皆が互いの顔を伺いつつ心の中では思いながら表立っては口にはしなかったかつてのトップブランドLeafの斜陽が顕在化し(2001年に入ってそれは決定的になる…)、Keyに取って代わられた年だった。いずれにしろシナリオで背負っているブランドはノウハウを共有しにくく(というかムリ)シナリオライタ個人への依存度が高いため、(ブランドの維持的という観点からは)リスキーである。しかも、同じ作家が書き続けると彼(彼女)自身の「成長」がないことにはシナリオの「成長」を期待しにくいため、インパクト的には長続きしない可能性も否定できない(もちろんそれでも書き続けられるのがプロなのだが)。

 一方では、善意の雄ねこねこソフト、悪意の雄Overflowや、CIRCUS、Witchなどなかなか面白い次なる中堅どころが育ってきており(TOPCATは…すでに全然「マイナー」ではないだろう)、満更このジャンルも捨てたものではないと思う。繰り返すがユーザにできることは淘汰のプロセスをちゃんと機能させてあげることだ。何も言わずとも(もちろん現実には声に出して言うことで他のユーザに影響を与える口コミ機能があるので言った方がいい)売れなければ消える(はずだ)。

 ほとんど話題に上ってこない当ジャンルの老舗、elfとF&Cはどうだろうか。elfについてはそれ程心配していない。いい加減既存リソースも使い切ってしまったので、もはややらざるを得ないからだ。やれなければ消えるだけだし、その意味では「心配する気もない」という方が正確だ。一方F&Cについては、「Canvas」「Natural2」を見る限りむしろ「すでに復活した」とさえ思っている。ただし復活したというのは以前の水準以上に戻ったという意味でだ。1996年ベスト恋愛ゲームでは「同窓会」が1位だった。これや「Pia2」と比べて今のF&Cのゲームは劣っているだろうか?変わったのは受け手の方だ。周りが、ユーザニーズがずっと先に行ってしまったため、もはや大ヒットを飛ばせなくなっている。ウリだったグラフィック面での差別化は差し当たりそれっぽいCGがどこでも出せる今となってはもはや難しい。いい加減まともに遊べる要素なり、シナリオ面の強化なりが必須だろう。「Pia3」が良い試金石になりそうだ。もう1つF&Cに関して言えば、ノイズが多過ぎ、S/N比が悪過ぎるのが酷い。冒頭でもKeyのところで書いたが、3作に2作はまともに評価されるものを作らないとそのうちユーザに見限られる。ねこねこソフトのように商人根性なさ過ぎるのも問題だが、商人根性のカタマリというのも評判悪くするだけだと思うのだが。(最終的な損得を冷徹に見極めた上でも)「出さない勇気」というものを持ち合わせてはいないのだろうか。必要なのは決してブランドの刷新などではない。

【2001年への期待】
  • 2000年は中堅どころのソフトは多かったけど,これといった飛び抜けたソフトは無かったと思う(DC版「Kanon」は名作だと思うが結局これリメイクだし)。あと全体的に恋愛ゲームはシナリオに重点を置きゲーム性をおろそかにしている気がする。2001年は遊べる恋愛系ゲームの出現を望む。
  • 全体的な感想としては、ありがちなゲームが多かった気がします。特にこれと言ったものが無かったような…。独自のゲーム性を持ったゲームの登場に期待します。そういえばガンパレードマーチは集計対象に入らないんですか?
  • まずまず良と言ったとこ。KEYの影響で感動系のシナリオが増えてるような気がする。もっと攻略自体が楽しいソフトが出て欲しいものです。
  • 今年のエロゲー(ギャルゲーはあんまりやってないので)を見てみると売れているゲームはエロ度が少ないような気がします。また最近のゲームの舞台が現実となんら変わりないようなものが多い気がしますそれもそれでいいのですが 時には現実を忘れゲームの中で非現実(鬼畜等とは違う)を味わうゲームがもうちょっと出て欲しい気がします。(exファンタジー・時代物やぶっ飛んだ未来モノなど)
  • 2000年は重く心に残るゲームが多く、個人的には嬉しいです。やはりシナリオ重厚型のゲームが今年も出てくれる事を期待します。
  • 最近の印象(特にADVやノベル系)エンディングへ辿り着くまでの選択肢の組み合わせに脈絡が無く理不尽で、どう考えても総当たりでしか解けないようなソフトが多い。その点「青空」は難易度は高いが無理は無かった。
  • 2000年は「晩秋」だというのが、個人的な感想です。2001年は、「盛夏」だといいのですが、まだまだ先は長いと思われます。とりあえず、「吹雪」きそうな予感がしています。
  • 2000年はプレイアビリティ、演出の面でかなり進歩があったように思う。反面、システム的に面白い(ゲーム性が高い)モノは減ってきたのではないだろうか?2001年はさらに恋愛ゲームも乱発され、著名な原画家、作曲集団、シナリオライター等の「ネーム」を売りにしたメジャー系作品と特定の購買層をピンポイントに狙ったマイナー系作品の二極化が進むかもしれない。いずれにせよパイの大きさは変わらないと思われるが。
  • 2000年も「感動系」や「癒し系」と呼ばれるジャンルのゲームが多かったような気がしますが、今年以降はこの傾向も落ち着き、純粋にゲームジャンルの1つとして残っていくのではないかと考えています。ちなみに今年は…「アクティブ」(能動的・活動的という意味です。「感動系」などのジャンルは比較的「受動的」なイメージが強いので)なものがヒットするかも、と勝手に考えています。
  • ノベル系が目立つ気がする。読むだけでなく演出等で楽しませて欲しい。他にもいろいろなジャンルで出して欲しい。
  • 2001年の恋愛系ゲームに期待することは、似たり寄ったりのゲームシステムではなく、全く見方を変えた切り口で驚かせてくれるゲームシステムを搭載したゲームが出てきて欲しいですね。
  • 2001年は、いろんな意味で「意表を突くゲーム」をやってみたいですね。そろそろパターンは出尽くした気もしますが、それぐらいは期待してもバチはあたらないと思うので。
  • 作り手のこだわりをもう少し見せるべき。凡百のモノなど、誰も求めては居ない。その上で、敷居を低くして、ユーザーの求める理想像を追い求める努力を怠らないようにしなくてはならないと感じます。去年、殆ど買わなかった自分がレベルの低下を証明していますので。
 明るい未来を描けている声が少ないのは不景気の影響か。やはり「AIR」の反動か、「遊べるものを」「明るい話」をという声が多く見かけられる。しかしシナリオが不要なのではない。他ならぬF&Cがそれで苦しんでいるようにむしろ求められる水準は上がる一方だ。ただ確かに言えることは人によって求める「方向性」はかなり違って来ている。先にも書いているように「恋愛」のみで勝負するのははっきり言って難しい。それだけの覚悟があって真っ向から「恋愛」に挑むか、それとも「恋愛」を絡めながらそういったニーズを吸収していくか。一方回転の早い昨今ではこちらはAlicesoftが苦労していることからも分かるように、「遊べるゲーム」というのもまたなかなかの難物だ。

 いずれにしろユーザは「常に正しい」。多様化する「わがまま」にどう対応していくのか、メーカの頭の痛い日々は続く。
※1、2000/12/27〜2001/04/15頃当サイトにて実施させて頂きました。ご協力ありがとうございます。