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恋愛ゲームZEROからゲームが消える日(リニューアルのご挨拶)
恋愛ゲーム学補講 第24講

2002/04/02初版

 お久しぶり、だろうか。でも今日は残念な話をしなければならない。カンのいい人は、気づいていただろうか。つまり、恋愛ゲームZEROの終焉を。おっと、できればまだ戻るボタンは押さないで欲しい。確かに恋愛ゲームZEROは終了する。だけど、ぼくは寂しいどころか、久しぶりにワクワクしている。

 以前にもこんなことがあったのだが、覚えておられる方はいるだろうか。いや、その頃の人はとうに恋愛ゲームに飽きてしまった人が少なくないだろうから、もうそんなにはいないかもしれない。恋愛ゲームZEROはその前身を…そう、恋愛ゲーム研究会という名前で1996年の12月から開設していた。1996年というと、「痕」とか「TLS」とかがブレイクした頃だ。バブル以前で1年に20本ぐらいしか出なかったし、Leafやアスキーも今や…もう今なっては信じられない頃だ。弱小サイトだったけれど、その頃はこの分野ではまだ有名なWebサイトも少なく、それなりの存在感は示せていたと思う。

 しかしあれから5年と3ヶ月を経た今、見るべきサイトは無数に増えた。その中で恋愛ゲームZEROは、正直なところ、アクセス数に見合うだけのコンテンツと、それ以上に更新を提供できていなかったと言わざるを得ない。インターネット黎明期に流行った「ネットサーフィン」という言葉は死語と化し、Webサイトは今、多数の読者に定期巡回される限られた超有名サイトと、閑散としたローカルサイトとへ急速に2極化しつつある。正直なところ、素人はそろそろ退場すべき時が来ているのだと思う。

 だけど、これまでの多くの皆さんのご協力とフィードバックを前にして、今全てを投げ出してしまうのは余りにも無責任過ぎる。生き残りをかけて、ビジネスではないけれど、Webサイトにも「選択と集中」が求められている。すなわち、辛うじて特徴のある部分に注力し、他にも優れたサイトが豊富にある部分からは撤退する。今回、ぼくは恋愛ゲーム研究会から恋愛ゲームZEROに移行した時以上の、大規模なリストラを決行することにした。

 残るのは2つだ。リサーチ部門とデータベース部門。リサーチ部門はこれまでの恋愛ゲーム学およびアンケートを中心としたコンテンツ。多分にハッタリ臭い恋愛ゲーム学は腰を据えて取り組まなければならないし、アンケートについても順序効果(※1)などに対応した、よりマシな調査を行っていく必要がある。せっかく回答して頂いて、まだ結果をまとめていないものも腐らせてしまわないうちにやらないといけない。データベース部門は言うまでもなく、ヒロインデータベースと類似度解析を支える属性データベース。同じ作品内で年月が経つなどして変化するヒロインが表現できなかったり、続編などの複数作品間で同じヒロイン(その同一性の確認はともかくとして)が別々に表示されるなど、これまでのヒロインデータベースはかなり薄っぺらいものがあった。これをヒロインの奥行きが表現できるものに改善していきたい。作り手にはそれでも表現できないような深みのあるヒロインを作り出して貰いたいしね。

 その他のギャラリー系は残念ながらゴミ箱行きだ。例えばCGでは平面性を突き詰めること、非人間性を突き詰めることで、2次元ヒロインの嫌さを出すことが目標だったのだがスキルもセンスも寒過ぎてとても目の肥えた皆さんにお見せできるようなシロモノではない。

 そして新しいサイトの(日本語)名称は、これまでも略称としては使ってきたけれど、正式に恋ZEROとする。とうとうこれでサイト名から「ゲーム」の文字が消えた訳だ(ついでに言えば、「愛」も消えた。ある意味では示唆的か)。止まっている総論の結論を先取りするようだけれど、恋愛ゲームなるものをプレイし始めたのが1995年で、その頃は乾いた心を何かしら潤してくれるものがあったんだろう。でも結局ぼくは恋愛ゲームにもコミットすることはできなかった。決して世に出る恋愛ゲームがつまらなくなったんじゃない。Things don't change.We change.って言葉があるけれど、いつも、変わるのは人間の方だったんだ。

 新しいサイトではまた一歩、恋愛ゲームから踏み出したものになるかもしれない。でも心配しないで欲しい。これからも核になることは変わらないと思う。ぼくにとって、恋愛ゲームという存在は面白過ぎる興味対象だから。

 それでは始めることにしようか。ようこそ、恋ZEROへ。

※1、質問内では選択肢の並び順、質問間では質問の並び順が回答者の選択に影響するとされる。(本文に戻る