疑惑



 ラストガーディアンの一室のモニターモニターに映し出される受精卵。「君はある目的の為に純粋培養された、只一人の個体なのだ。そしてその目的とは、ゼオライマーを操縦するため・・・」沖と美久の言葉に、マサトは愕然とする。
 鉄甲龍では、ガロウィンとブライストの『トゥインロード』のテストが行われていた。功を焦るシ・タウは、サーチが振れているにもかかわらず、連携を乱してメガサーチャービームを発射する。結果、テストは不成功に終わった。
 「今日の訓練はどういうこと?どちらかが突出すれば、それは連携ではない・・・」岩風呂で、アエンはタウにテストの失敗について話す。「・・・結局私のガロウィンは、あなたのブライストのサポートをさせていただくだけでなくって!」タウがアエンに抱くコンプレックスが反発になる。そんな二人の前に現れる塞臥。「しかしお主達、顔は瓜二つなのに・・・」

 塞臥に殴りかかるアエン。「・・・帝がお呼びだ・・・」塞臥の言葉にハッとするアエンとタウ。幽羅帝は、二人と共に鉄甲龍要塞を出発する。
 自分が存在する意味を知り茫然とするマサト。しかし、幾つかの疑問がマサトの脳裏を掠める。自分の受精卵の提供者は誰か?共にゼオライマーを操縦する美久とは、血が繋がっているのか・・・?そんなマサトの前に美久が現れる。「人間は元々、何か運命付けられて生きていいるんじゃない?」しかしマサトはその運命に従うことを拒み、ラストガーディアンを後にする。その先で、幽羅帝の侍女によって拉致されてしまう。
 気が付いたマサトの前に立つ幽羅帝とアエン、タウ。「お前の命、我が貰い受ける」幽羅帝は耐爬を殺された恨みを、マサトにぶつける。「お前は耐爬を殺しましたね・・・それだけではない、お前は、木原マサキの意志を受け継いでいる。それこそ我ら鉄甲龍にとって最大の罪!」マサトに拷問を加える幽羅帝。

 「誰なんだ、その木原マサトという男・・・?」マサトは自分の死と引換に、幽羅帝から真実を聞く。15年前鉄甲龍の技術者、木原マサキは、ゼオライマーパイロットにまだ生まれていない受精卵の遺伝子をインプットしていた。そして、その受精卵から生まれたのがマサトだったのだ。自分の哀しいまでの運命を知り、涙を流すマサト。そして、幽羅帝が持つ拳銃の銃口がマサトを捉えた―――その瞬間、美久がバイクで突入、マサトを救出する。後を追おうと走り出すアエンとタウを引き止める幽羅帝。その顔には狂気の色が浮かんでいた・・・。
 輸送機、双鳳凰から射出されるガロウィンとブライスト。富士周辺の街を破壊していく。「大丈夫ね?出来るわね?」ゼオライマーの操縦席へ美久が語りかける。「こいつに乗ることしか僕に出来ることはないからね」マサトは自嘲気味に呟き、ゼオライマーを発進させた・・・。

 連携プレーを無視して単身ゼオライマーに戦いを挑むガロウィン。しかし、ゼオライマーのパワーの前にその攻撃の殆どは意味を持たなかった。「・・・帝が見てらっしゃるのよ!!」アエンの言葉にトゥインロードを行うことを決意するタウ。しかし、又してもタウの姉に対するコンプレックスからタイミングを逸し、その間にゼオライマーは脱出してしまった。「・・・その程度の手が見抜けないとでも思ったか!」マサトの人格が変貌し、妖しい笑いが操縦席を支配する。
 市街での戦闘を避けようとする美久を無視して、敵に攻撃するマサト。ガロウィンとブライストはトゥインフレアで再度攻撃を仕掛けるが、ゼオライマーのパワーの前に傷一つ付けることができない。ガロウィンのエネルギーを全て使ってトゥインフレアを続けようとするアエンにタウは反発し、半強制敵に機体を分離。一対一で勝負するが、所詮ゼオライマーの敵ではなかった・・・。

 ガロウィンに向け、ビームを放つゼオライマー。しかし、ガロウィンの前にブライストが立ち楯となった。「同じ顔だからこそ・・・あなたを愛したのよ」アエンの言葉に涙を溢れさせるタウ。そんな二人を嘲笑するマサト。「茶番は終わりだ・・・」ゼオライマーの天の光がタウとアエンを包み込む・・・。
 3体もの八卦ロボを倒された鉄甲龍。次なる刺客は月のローズセラヴィー。操るは仮面の男、葎・・・。

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