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純愛時代の恋愛ゲーマーたち
―(2)それぞれの純愛。それぞれの恋愛。(前編)
恋愛ゲーム学補講 第28講

0.概要

 2001/06/01〜2001/11/30に当サイトで実施した「恋愛ゲームに関するアンケートExtra2」を集計した。前編では回答の分布とその他の回答について紹介する。

2002/09/17初版

1.それぞれの「純愛」

 2001/06/01〜2001/11/30に当サイトで実施した「恋愛ゲームに関するアンケートExtra2」には多数のご協力を頂き感謝したい。集計結果をもとに、「純愛とは何か」について考えて行こう。今回、自由回答欄のボリュームがかなり大きく膨れ上がっており、読みきれなく(読む気力がなく)なってしまう恐れがあるため、前編として、簡単に集計結果だけを載せ、多くの自由回答については次回にまわさせて頂く。

 なお、有効回答数が1400を超えていることからしても、回答者の属性については、当サイトのコンテンツの性質上、恋愛ゲームユーザだけでなく、恋愛能力指数テスト経由で訪問された、非ユーザが大半を占めていることは念頭に置いておきたい。

 さてアンケートの最初は「問1.あなたは「純愛」をどのようなものと考えていますか?」である。とはいえ、「純愛」にしろ「恋愛」にしろそもそも「考える」ものではなく「どうしようもなく感じてしまう」ものというべきだからずいぶんと野暮な質問ではある。ここでは、回答として類型的な「純愛」のイメージを、関係性の5要素「精神性」「身体性」「社会性」「双方向性」「単指向性」(関係性の5要素については(1)はじめにを参照)のどこに力点を置くか、という観点にから6つ準備した。「2.対象への想いの形で、決して実ることのない想い」には、「悲恋」的なニュアンスも込めている。

問1の結果

 「その他」では以下のような回答を頂いた。

 その他の回答ですでに余りにも多様な捉え方をされていることが分かる(例えば、ストーキングは「純愛」か? など)。サイト構成や設問の持って行き方がそうなっているためか、「虚構性」に着目された方が少なからず見られるが、これは「(非)社会性」で6、また「見返りを求めない」は「(非)双方向性」で1と2に入るところだが、ニュアンスが伝え切れていないのは回答作成側の問題である。

 全体の割合としては「単指向性」に力点を置いた「1.対象への想いの形で、脇見をしないひとすじの想い」が最も多い30%を占めた。これは一番辞書的な説明に近い回答と言える。ついで「精神性」に力点を置いた「4.2人の関係性の形で、肉体的関係の有無とは無関係の精神的関係」が24%で続く。これと、「5.2人の関係性の形で、肉体的・精神的両方の関係」は、「恋愛」の定義をかなり意識した回答であり、意図としてはどちらかというと「恋愛」のイメージで設けているが、実際にはかなりの人が「純愛」として選んでいることから、「恋愛」と「純愛」をはっきりとは区別していない傾向が伺われる。

2.「純愛」vs.「恋愛」

 実際、問1.その他の回答にもあるように、好きかどうか、一緒にいて楽しいか、あるいは1つになりたいか、が大事であって、言葉の定義はどうでもいい、というのはあるだろう。その意味では、「問2.「純愛」と「恋愛」、あなたはどちらを選びますか?」もどうしようもない問いだが、意図としては「純愛」にどの程度ネガティヴなイメージが持たれているかを調べたかったということがある。

 というのも、以前「『純愛ゲーム』には違和感を覚える」という言い方をしているかと思うが、もしかしたらすでにお分かりのように、生理的嫌悪感を抱いているというのが本心にはあって、その原因として「純愛」の捉え方が「一般的」ではないのだろうか、という疑問があったからだ。

 さて、問2の集計結果はどうだっただろうか。

問2の結果

 「その他」では下記のような回答を頂いた。

 結果としては、「意外なことに」必ずしも「純愛」に対してネガティヴな印象を持つ人ばかりでないどころか、ポジティヴに(あるいはあくまで「理想」として)捉えている人が「恋愛」に迫る勢いを見せている。

3.どんな人が「純愛」を選んだか

 では、どんな「純愛」観を持っている人が、「純愛」をポジティヴに捉えているか。問1と問2をクロス集計してみる。

問1-問2クロス集計

 「純愛」を選んだ割合が多いのは、「4.2人の関係性の形で、肉体的関係の有無とは無関係の精神的関係」「1.対象への想いの形で、脇見をしないひとすじの想い」「5.2人の関係性の形で、肉体的・精神的両方の関係」といったところで、何ということはない、「恋愛」に比較的近い感覚を持たれている方には、ポジティヴなイメージを抱いている例が多いことが分かる。なるほど、「恋愛」にしても基本は1対1だから浮気をしないに越したことはないし、精神的一体感を持てているに越したことはない。

 ただ、問2は「どちらを選ぶか」であって、現実的にどうか、ということについては留保する必要がある。次回、「その他」以外を選ばれた方の自由回答を含め、突っ込んでみたい。


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