Research
2002年ベスト恋愛ゲーム投票─(2)総合
恋愛ゲーム学補講 第31講
2003/06/23初版
1.2002年ベスト恋愛ゲーム投票
さて、続いてメインとなるベストゲーム投票である。
問、コンシューマ・PCを通じて2002年(1月〜12月)に発売された恋愛系ゲームで良かったゲームを順に3つまで選んで下さい。1位3point、2位2point、3位1pointとして計算します。なお、1位は必ず選択する必要がありますが、2位以下は該当するものがなければ必ずしも選択する必要はありません。
有効投票: 191(ポイント数: 1146/うち回答なしポイント: 76)
順位 | ゲーム名 | graph | point | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | Ever17〜the out of infinity〜(PS2/DC) | 115 | |||
2 | D.C.〜ダ・カーポ〜(PC) | 86 | |||
3 | それは舞い散る桜のように(PC) | 76 | |||
4 | うたわれるもの(PC) | 68 | |||
5 | 水月(PC) | 60 | |||
6 | AIR(PS2) | 42 | |||
7 | 僕と、僕らの夏(PC/DC) | 35 | |||
8 | Wind-a breath of heart-(PC) | 32 | |||
9 | 痕 リニューアル(PC) | 27 | |||
10 | 君が望む永遠(DC) | 25 | |||
11 | Princess Holiday〜転がるりんご亭千夜一夜〜(PC) | 23 | |||
12 | "Hello,world."(PC) | 19 | |||
12 | 初恋(PC) | 19 | |||
12 | 水夏〜SUIKA〜/Water Summer(DC/PS) | 19 | |||
15 | Kanon(PS2) | 17 | |||
15 | 鬼哭街(PC) | 17 | |||
15 | 白詰草話(PC) | 17 | |||
15 | 世界ノ全テ(PC) | 17 | |||
19 | シスター・プリンセス(DC) | 16 | |||
20 | 妹でいこう!(PC) | 15 | |||
21 | みずいろ(PS2) | 14 | |||
22 | LostPassage(PC) | 13 | |||
22 | Floralia〜フローラリア〜(PC) | 13 | |||
24 | My Merry May(DC) | 11 | |||
24 | Milkyway2(PC) | 11 | |||
24 | ロケットの夏(PC) | 11 | |||
27 | あいかぎ−ひだまりと彼女の部屋着−(PC) | 10 | |||
27 | はじめてのおいしゃさん(PC) | 10 | |||
29 | 久遠の絆再臨詔(PS2) | 9 | |||
29 | い・け・な・いお仕事(PC) | 9 | |||
29 | さよらなエトランジュ(PC) | 9 | |||
29 | サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜(DC) | 9 | |||
33 | 想い出にかわる君〜Memories Off〜(PS2/DC) | 8 | |||
33 | 勝 あしたの雪之丞2(PC) | 8 | |||
35 | 雨に歌う譚詩曲〜A rainbow after the rain〜(PC) | 7 | |||
35 | いつか、どこかで あの雨音の記憶(PC) | 7 | |||
37 | univ〜愛・おまたせっ〜(PC) | 6 | |||
37 | しすこん〜妹魂〜(PC) | 6 | |||
37 | ONE2〜永遠の約束〜(PC) | 6 | |||
37 | しすたぁエンジェル(PC) | 6 | |||
37 | BITTERSWEET FOOLS(PS2) | 6 | |||
42 | 結い橋(PC) | 5 | |||
42 | Memories Off 2nd(PC) | 5 | |||
42 | 忘レナ草 Forget-me-Not(PC) | 5 | |||
42 | re-laive(PC) | 5 | |||
42 | とらかぷっ!(PC) | 5 | |||
42 | Sultan〜The Lovesong is Forever〜(PC) | 5 | |||
48 | うそ×モテ〜うそんこモテモテーション〜(PC) | 4 | |||
48 | おしえて お兄ちゃん先生(PC) | 4 | |||
48 | THE 恋愛シミュレーション〜私におまカフェ〜(PS2) | 4 | |||
48 | 先生だ〜いすき(PC) | 4 | |||
48 | プラチナウィンド(PC) | 4 |
KIDが「Ever17」で快挙。「To Heart(1997)」から始まって「ONE(1998)」「Kanon(1999)」「AIR(2000)」「君が望む永遠(2001)」と5年連続でPCゲームが1位の座を占めていたが、PC勢の4巨頭「D.C.〜ダ・カーポ〜」「それは舞い散る桜のように」「うたわれるもの」「水月」が今ひとつ決め手に欠け抜け出せない中、ついにコンシューマゲーム初の1位を獲得した。部門別でも「シナリオ」「企画」「演出」「プレイアビリティ」の4部門で1位、他部門でも上位に入り、堂々たる結果。
[投票者コメント]
※2001年に続き、コメントの文脈や一貫性を保つため、ゲームごとにばらさずにそのまま掲載している。複数のゲームについてのコメントを頂いている場合は、1位など最適なゲームに分類した。
1位「Ever17〜the out of infinity〜(PS2/DC)」
- 「Ever17」ゲームであることを最大限に生かしたシナリオに脱帽しました。
「鬼哭街」「Ever17」とは逆にゲーム性を一切排除した選択肢なしの一本道のシナリオですが、作家の個性が前面に出ていたと思います。(ある意味究極の妹ゲー)
「BITTERSWEET FOOLS」18禁PC版からの移植なのでシナリオ的に少し違和感を感じる部分もありましたが、キャラクタに声が付いたのが良かったかと。(雰囲気ゲーの魅力倍増) - 99年から毎年投票させてもらっております。2002年の傾向としては、例年になく秀作と呼ばれるソフトが特に少なかった1年だったと思います。PC方面に関しては、「それ散る」や「Wind」など人気先行型の作品が多く、一見レベルの高さも見受けられたんですが、それに見合う出来とはいえなかったというのが、自分の感想です。特にシナリオに関してはおざなりだったとまではいきませんが、満足できるシナリオの作品は少なかったです。自分はよかったゲームの2位に「うたわれるもの」に投票しました。「うたわれ」は自分はやったことなかったのですが、雑誌などで見て、ゲームシステムなどをとても評価しています。おそらく近年のリーフ作品でも特に優れた作品だと思います。コンシューマ系では、近年発売されたPCソフトの移植版がDCもしくはPS2で発売されるケースが目立っていましたが、一方でオリジナル作品ではKIDの作品が特に元気のよかった1年でした。1位に投票した「Ever17」はシナリオ・音楽などどれをとっても過去のKIDの作品の中でも特にできがよかったと思います。サバイバルアドベンチャーというジャンルも斬新で楽しめた要因の一つでした。22003年は優れたシミュレーションものを期待しています。昨年末に発売された「大悪司」が今でも根強い人気を誇っており、当投票でも昨年発売作品にもかかわらず、投票したいと思われた方も少なくないのではないでしょうか?
- 「Ever17」は恋愛ゲームという概念ではなく、挑戦的なおもしろいシナリオを味あわせてくれた。これからもこういう恋愛ゲームだけど一般受けするようなものが増えてくれれば恋愛ゲームの印象も少しはよくなるのでは。
- 「Ever17」は個人的にかなり気に入ってます。極限状態の中での恋とか、予想のつかないクライマックスとか、ありえないシチュエーションが逆に良かったと思います。
「Kanon」ゲームで泣いたのは初めてです。キャラ一人一人の個性が強く、見ていて楽しい。「AIR」も同様に。今年はとりあえず「君が望む永遠」のPS2版をきちんと出して欲しいです。(苦笑)ちなみに私は18才以下なので、えっちシーンのランク付けはちょっと控えさせていただきます。(ぉ - 「Ever17」の全てのシナリオが複雑に絡み合っているのには正直驚いた。シナリオで素直に感心できたのはDC版で「AIR」をやって以来。最近はシナリオ重視のゲームが増えて自分的にはすごくうれしい。この先もこんな感じで。
- 恋愛系ゲームといえるかは微妙なんですが面白いシナリオだったので。
- 期待の大作はほとんど2003年に延期されて、例年にないほど小物ゲーが大半を納めた年でした。世の中と同じく業界も不景気のようですね。 そんな中、KIDの「Ever17」は「DESIRE」や「YU-NO」のようなかつての剣乃ゲーのようなトリック・世界観を持ったゲームとして非常におもしろかったです。「ONE」の移植でひたすら叩かれまくったことが、このメーカーを更生させたようですね。システム面でもPCゲーを凌駕するほど操作性もよく、2002年ではダントツのデキでした。PCにもグレードアップ移植されるので当然買います。「水月」は従来のF&Cでは考えられないシナリオ重視異色作でした。世界観やシナリオの練り込みは尋常じゃないです。相変わらず絵も綺麗ですし、内容を理解できない人にはただの萌えゲーと映りますけど、それもまた可。尿へのこだわりもまた可。「それ散る」はmarronの「秋桜の空に」を彷彿とさせるONE系ギャグ萌えゲーですが、各所で言われてるとおり後半の練り込みが足らなかったのが残念。Basilの会社としての事情があったんでしょうけど、新生Navelに期待。その他では新開誠ムービーの「Wind」、音楽だけはオリジナルと並ぶデキ「ONE2」、葉っぱのまんまコンシューマRPG「うたわれるもの」、ゲームじゃないけど「鬼哭街」あたりが印象に残ったゲームかと。どれも欠点がありますが、優れた所もそれなりにあったゲームです。本当は「はじるす」が候補ならば入れたかったのですが、2001年末発売ですし…。単純な萌えゲーより深読みできるシナリオや世界観を感じさせるゲームが好きなので、このような順位となりました。
恋愛ゲームユーザのコンシューマゲームへのコミットメントとしては以下のプレイパターンが考えられる。
- コンシューマゲームしかプレイしないユーザ(18歳未満や特定のポリシがあるなど)。
- コンシューマゲーム・PCゲームにこだわらないユーザ。
- メインはPCゲームだが、話題になればコンシューマゲームもプレイするユーザ。
- PCゲームしかプレイしないユーザ(ゲームコンソールを持たない、あるいはえっちシーン重視など)。
比較的PCゲーム寄りな当サイトの人気投票でさえも1位となったのは「Ever17」は発売後そのシナリオで大きく話題になり、パターン3のユーザ層にまでリーチしたことが功を奏したと思われる。
2位「D.C.〜ダ・カーポ〜(PC)」
- 「それは舞い散る桜のように」ひたすら惜しかった。「テキスト」という項目があったら迷わず投票していたと思うが、「シナリオ」という点では未完成と言わざるをえない。あの中盤までのテキストが書けるライターさんなのだからまとまりつかなくなったとも思いにくいのだが…。
「D.C.」参りました。シナリオの御影さんにもCVの鳥居花音さんにも。しかしキャラによってシナリオの出来が違い過ぎる…そんな理由からゲーム全体の評価としては正直迷う所。(でも1位投票)。
「しすたぁエンジェル」少なくとも、いまだ演出の幅が停滞したままのエロゲ界に一石を投じるゲームであったと思う。それより先は好み次第だと思うけど、俺はあの世界が好きだった。
「水月」エチシーンとグラフィックは最強。ただテキストが全く自分に合わなかった。どこが魅力的なのかワカらない主人公。庄一の方がよっぽど男らしい。不親切なテキスト。読み解く楽しみとか以前にその気すら起こらなかった。
「BITTERSWEET FOOLS」立ち絵は酷い。テキストもいまいち。音楽もシナリオも特別いいわけでもない――でもなんか良かった。そんなゲームでした。「Wind」はやってないのだけど同じライターさんが学園もの書いたらコケそうだな、と思った。ああいう舞台だからこそ味として認識出来たのであって…。 - 各キャラが好きなキャラばかり。属性としても色々揃ってますし(ヲイ(義妹・先輩・アイドル・炉リ・猫耳メイドetc.)
- エンディングというかエピローグというかそこらへんがどうもしっくりくるゲームがなかったです…今年はもっと素晴らしいものにであえればいいですね。(1位「D.C.〜ダ・カーポ〜(PC)」2位「Floralia〜フローラリア〜(PC)」3位「Milkyway2(PC)」)
全体として2位、PCゲームとしてはトップを「D.C.」が獲得。部門別でも「音声」「えっち」「キャラクタ」で1位、「グラフィック」「シナリオ」「プレイアビリティ」で2位と、キャラクタの魅力をコアとした強い支持を得たが、シナリオのばらつきが響き一歩届かなかった。CIRCUSとしては2001年の「水夏」6位からの躍進だが、将来は不透明である。
3位「それは舞い散る桜のように(PC)」
- 「それ散る」はキャラクタの台詞が面白い。後半のシナリオさえもう少しマシならもっと良かった。
「うたわれ」は各ヒロイン毎にシナリオがあって分岐とかすればもっと良かった。コンシューマで出るならばそこらへんに期待。
「サクラ4」はシナリオが短すぎなのが残念。ゲームとしては完成しているので今後に生かしてもらいたい。 - 1位に選んだ「それは舞い散る桜のように」は、テキストのおもしろさという点で際立っていました。全体的に見るとバランスの悪い作品ですがその点だけでも1位に選ぶ価値はあると思えます。
- シナリオ、音楽がよかった。(1位「それは舞い散る桜のように(PC)」2位「痕 リニューアル(PC)」3位「鬼哭街(PC)」)
場合によっては「D.C.」以上のポテンシャルを持ちながら、複数の指摘があるように後半のシナリオで損しており、各部門で後塵を拝した。
4位「うたわれるもの(PC)」
- 「われもの」15時間ぶっ続けプレイは伊達じゃない。
「それ散る」ラストの展開なんて何のその。とにかく笑え。
「D.C.」総合力の差。
「痕リニュ」絵は忘れろ。
「ONE2」その暴挙に敬意を表したい。実は悪くない。そして夢幻譜万歳。
「はじいしゃ」何も言うまい。
「T3」素直。これが全て。 - 全体的に投票がうたわれるものに偏ってしまいましたが、プレイした本数自体が少なかったためあまり評価になってないかもしれません。正直、うたわれるものは面白かったとは思いますが、個人的な評価としては中の上といったところ。まったく私的評価になってしまうのですが、とある気に入っていたキャラクタの処遇が気に入らないのが理由。我ながら心が狭いというか。エンディング次第ではかなり高ランクの作品です。
5位「水月(PC)」
- 2位・音声・えっちしーんのベスト『KISS×200とある分校の話』2002年4月26日発売。エロゲーはエロければいい、シナリオなんか飾りです。シナリオ・キャラ・エロ総合でポイント高い水月が1位。
- 個人的には水月がNo.1だぉ。シナリオとあんま関係ないけどマリアたんがよいの〜ちなみにこれからは純愛系に期待でしゅ…えちぃは…マンネリ気味ですからして…うむ。まあよいかの。絵は…西又さんですなやはり。これからも頑張って欲しいですね!
- つーかソフト自体あまり買ってない罠w
- 水月の絵やシナリオが好きです。
- 水月の和を感じさせる雰囲気がすばらしかった。シナリオもとてもねられていて、なにより原画の☆画野朗の絵がとても上手い。またこのような雰囲気をもった作品をつくってもらいたいものである。
6位「AIR(PS2)」
- 一応高校生なもんで。(笑)(1位「AIR(PS2)」2位「Kanon(PS2)」3位「夏色の砂時計(PS2)」)
- 全体的に小粒な印象が目立った。移植作品を1位に入れたくはなかったが、正直それを越えていると感じたものはなかった。(1位「AIR(PS2)」2位「水夏〜SUIKA〜/Water Summer(DC/PS)」3位「D.C.〜ダ・カーポ〜(PC)」)
- やはり最後は泣けるゲームが面白いですね。(1位「AIR(PS2)」2位「それは舞い散る桜のように(PC)」3位「水夏〜SUIKA〜/Water Summer(DC/PS)」)
7位「僕と、僕らの夏(PC/DC)」
- 「僕と、僕らの夏」「ダムに沈む村」を舞台として、故郷の喪失により「子供時代」が永久に失われることを契機に生じた各々の想いや葛藤に焦点を当てた、リアリティと深みのあるシナリオ、脇役を含め、作品を構成する要素として無駄なく配置された陰影深いキャラクタ、ノスタルジックな中にも強烈に個性的な音楽など、大人の鑑賞にも耐える作品だと思います。全体として、2000年の「AIR」にも匹敵する出来で、にもかかわらずKeyの亜流ではなく、全く違う方向で勝負しているところにも好感が持てました。その後、山村に旅行する機会が何度かあったのですが、ダムの脇を通過するたびにこの作品を思い出しました。
「AIR」今みても別格に凄い作品なのですが、リメイクなので、あえて1位ではなく2位としました。
「痕」リメイクで絵が綺麗になっただけでなく、楓のシナリオに若干エピソードの追加があったのがポイントです。 - 今までの恋愛系ゲームそのままのつくりでありながら、いわゆる恋愛系ゲームの「お約束的結末」に縛られず、ある一つの恋愛を物語として仕上げた「僕と、僕らの夏」が好感触でした。大幅加筆で移植されたDC版もPC版と甲乙つけがたいほどの名作。「ONE2」はシナリオ・音楽・キャラクタともに「僕と、僕らの夏」を一回り小さくしたようなデキ。凄く良い作品ですが「ONE2ならでは」のウリがないのが減点材料です。
- 「僕と、僕らの夏」大きな盛り上がりがあるわけでもなく、淡々と進む物語。デフォルメされた特徴を持たない、本当に現実にいそうな性格や考えを持った登場人物たち。流行の泣きや萌えと、ほとんど無縁なこんな企画のゲームが世に出られた事自体が奇跡に感じられる。派手さはまるでないが、たとえ外から見ればちっぽけな世界であろうと自分たちの世界で精一杯生きようとしている登場人物達の息吹が感じられたゲーム。少女が大人になることで、失ったと思っていたもの、実際に失われたもの。TrueENDでの裏主人公である冬子が強く立ち直る姿には本当に心が洗われる思いだった。
「Ever17」「ゲーム」であること、ひいては「ギャルゲー」であることすら最大限利用しての大胆なしかけ。最終シナリオにおいて、数多くの伏線が一挙に収束させられる様は圧巻。なにより、プレーヤーとして登場人物達と過ごした時間を大切に思う気持ちと、彼らの幸せを願う気持ちが、シナリオに取り込まれての一体感こそが自分のこのゲームに対する高評価の源。
「白詰草話」各キャラクタの格好つけた台詞や大仰な言い回し、独特の雰囲気のCGや高いレベルの音楽等が作り出す心地よいこの雰囲気がたまらない。反面ストーリーは大味で、制作期間の短さによる作り込みの足りなさは否めない。
8位「Wind-a breath of heart-(PC)」
- 「Wind」客観的に言ってテキストは酷いしシナリオも唐突でお世辞にも名作とは言い難いですが、みなもの問い詰めのインパクトが非常に大きかったので。あとから思い返したときに何か強烈に思い出せる物を残したという点で、私の中では昨年で文句無く一番でした。
「LostPassage」私が昨年プレイした恋愛ゲームの中では一番各要素が比較的高レベルでまとまっていたと思います。
「プラチナウィンド」「おまけ」で普通に売っても問題ないくらいのものを出してきたことが素直にすごいと思いました。(まあ販売戦略なのかもしれませんが) - 「Wind-a breath of heart-」は、ムービーが良かったです。
- 1位に「Wind」を選んだ一番理由はOP、EDのムービーのクオティー非常に高かった。
9位「痕 リニューアル(PC)」
- 痕は名作、DEATHよ…! 楓ちゃんは僕の萌えキャラランク4位に入っております。
12位「初恋(PC)」
- 主だった作品をすべてプレイしきっていないのではありますが、2002年は「初恋」「それ散る」の両方で迷った結果、「初恋」を1位にしました。総合的な好感では両者ほぼ互角だったのですが、「それ散る」の場合は独特の世界観を与えるにはシナリオバランス(特に後半)が悪過ぎてボリューム不足ないし蛇足なテキストのつけすぎという印象を覆しきれなかったのがやはり大減点だったことと。等身大(な割には結構シナリオは突飛なところも多いのですが)の恋愛感情を素直に押し出せた点で好感を持てたこと、あとはたぶん「それ散る」が1位と予測しての天邪鬼な自分の性格ゆえです(苦笑)。
15位「鬼哭街(PC)」
- 1位にNitroPlusの「鬼哭街」を選んだ理由は、完全に俺の趣味です。2位の「うたわれるもの」は、さすがLeafといえるだけのものをだしてくれたからです。3位の「ねがぽじ」は、とにかくキャラがたっていると思ったからです、以上。
15位「白詰草話(PC)」
- これほど「白詰草話」が多くなったのはファンだから。たぶんね。「しすたぁエンジェル」などは埋もれた良作だと思う。他にも埋もれた良作があると思うと勿体無い気がする。
15位「世界ノ全テ(PC)」
- 世界ノ全テ、はDVD版(-Remind of You-)の方の評価。内容にかなりの差があるので分けた方がいいと思う。
22位「Floralia〜フローラリア〜(PC)」
- 全体的に、印象がよいゲームは、その内容だけでなく、複数の要素に対しての評価が平均的に高いものを選んでみました。個別要素でなら評価が高い「Wind」を外したのはその点で平均以下、と思わされる要素があったためです。逆に、平均値の高さと2002年度の傾向の象徴として考えて、「Princess Holiday〜転がるりんご亭千夜一夜〜」を二番手に挙げました。また平均値が高く、メインヒロインとそのライバルをセットにし、主人公がヒロインと結ばれるまでの家庭を上手く描き恋愛系ゲームとしての評価面が高い「Floralia〜フローラリア〜」を一番手に。三番手の「"Hello,world."」はSF+長編好きな自分の個人評価で選びました。
24位「My Merry May(DC)」
- 前作「Never7」をクリアした状態で、評判を一切聞く前に「Ever17」がプレイできて良かったです。KIDはすでに「DCの頃は良かった」という時代に突入した印象があります。(1位「My Merry May(DC)」2位「Ever17〜the out of infinity〜(PS2/DC)」)
24位「ロケットの夏(PC)」
- 「ロケットの夏」「ご都合主義」と言われるような類のゲームですが、私は「ご都合主義」という言葉が嫌いです。単にゲームをした後に後味が悪くならないように配慮した結果かもしれませんしね。「ご都合主義」なんて言う人は全部BADENDしかないゲームでもやってればいいんですっ! と、変なことを上で言っていますが、このゲームは今年1番の泣きゲーのような気がします。
「世界ノ全テ」今年2番の泣きゲー。面白かったです。ただ、智子以外のルートがちょっと面倒でした。
「白詰草話」圧倒的なシステムがすごかったです。演出部門はこれ以外に考えられません。 - 熱いものが増えたように思う。単に泣けるやつや単に萌えるやつでなく、なにかこう、揺さぶるものが多くてよかった。ロケットの夏、最高。
29位「久遠の絆再臨詔(PS2)」
- 自分で本当に接したのは「久遠の絆」だけです。DCからの完全移植ですが、DCを持ってないのプレイヤーとしては新作、又はPS版のアップデートでもある、その点における評価です。自分にとって、久遠の絆以上のゲームは有りませんが、全年齡ゲームだからHシーンは有りません。そしてシステムなどの点はまだ改善の可能があるので、他のゲームに投票しました。ほかのゲームは、友達から聞いた評判を基準に選びました。
37位「しすたぁエンジェル(PC)」
- しすたぁエンジェル、あれは良い。やれば分かる。
42位「結い橋(PC)」
- 2002年の新作PCゲーム購入本数は、46本(P天記事で確認)でした。中でも上記の5作品が、私の中では抜きん出てます。判定理由としては、作品の中に入り込めるか否かです。3位以下は同率でしたが、取っ付き難い歴史の話を旨い具合に取り込んでいた「LostPassage」が、髪の毛3本(オバQ?)程、良かった様に思います。小振りな作品の多かった年でしたが、それなりに楽しい一年でした。2003年は、大物ソフトが目白押しなので、ドップリ肩まで憑かれるソフトが、ある事を祈ってます。「娘3動物園(PC)」も悪くは無いのですがシステム上、話がブチブチ切れて何か、疲れてしまいました。(1位「結い橋(PC)」2位「D.C.〜ダ・カーポ〜(PC)」3位「LostPassage(PC)」)
42位「re-laive(PC)」
- 実際に自分で購入しプレイしたものが1位だけだったので、必然的にこのような結果に。残りは少し囓った程度なので何とも…自分の好み(犬っ娘)が少数派なようなので、この狭いストライクゾーンのど真ん中にくるようなソフト(1位はまさにど真ん中でした…)を希望してます…。
選外「ThreadColors さよならの向こう側(PS2)」
- 各シナリオ間のトータルイメージはバラバラだが、美桜(今エロゲーじゃああいうのできない)、カリス(典型的な死神キャラかと思わせてあれはびっくりした)シナリオで一生ついてこかと思った。(とりあえず今年は)
選外「in white(PC)」
- 最初からヒロインが主人公に好意を持っているのではなく、主人公を好きになっていく過程が自然な形で描写されている純愛ゲームが欲しかった。この点で、1位に選んだ「in white」が断然ベスト。
2位の「Wind」は、音楽とムービー(ムービーは単独で要素別ランキングに加えるべきでは?)がダントツ。メインヒロインの「萌え」も最高。(なお、私の「萌え」の定義は、そのヒロインが自分の彼女になったらどれほど良いと思えるかということ)
3位の「D.C.」は、巷の評価の通り、「萌え」ゲーとしての水準の高さ。メインヒロインだけでは2位の「Wind」に勝てないが、「萌え」度の高いヒロインが何人もいる点が強み。
選外「めもりある。(PC)」
- いやぁ。何となく何ですけど…。(1位「めもりある。(PC)」2位「桜の木下で(PC)」3位「 サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜(DC) 」)
選外「BALDR FORCE(PC)」
- バルドフォースを1位にしたかったのですが…項目が無いようなのでこちらに書かせていただきます。久しぶりに遊べたゲームでした。ノベル系が悪いとは言いませんが私はこういう遊べるゲームの方が好きなので。登場キャラもなかなかだし、シナリオもしっかりしてる。戦闘パートはまさに白熱の一時! コンシューマにでも移植して対戦とかできるようになりませんかね〜なんて期待しています。
選外「ギャラクシーエンジェル(PC)」
- 投票の中の「その他」(やたら多いですけど)には「ギャラクシーエンジェル」を入れたいと思います。「所詮ブロッコリー」と思っていたのですが意外に凄い良作でびっくり。
2.2002年ベスト恋愛ゲーム投票
最後にワーストゲーム。
問、コンシューマ・PCを通じて2002年(1月〜12月)に発売された恋愛系ゲームでもっとも酷かったゲームを選んで下さい。該当するものがなければ必ずしも選択する必要はありません。
有効投票: 191(うち無投票: 93)
順位 | ゲーム名 | graph | point | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | なないろ(PC) | 7 | |||
2 | サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜(DC) | 5 | |||
3 | Tomak〜Save The Earth〜Love Story(PC/PS2) | 4 | |||
3 | Wind-a breath of heart-(PC) | 4 | |||
5 | 幼馴染(PC) | 3 | |||
5 | エンジェリックセレナーデ(PC) | 3 | |||
5 | 想い出にかわる君〜Memories Off〜(PS2/DC) | 3 | |||
5 | い・け・な・いお仕事(PC) | 3 | |||
5 | ぽぽたん(PC) | 3 | |||
5 | はじめてのおいしゃさん(PC) | 3 | |||
11 | にゃんにゃこにゃん(PC) | 2 | |||
11 | どこまでも青く…(PS) | 2 | |||
11 | Sky〜スカイ〜(PC) | 2 | |||
11 | re-laive(PC) | 2 | |||
11 | 雨に歌う譚詩曲〜A rainbow after the rain〜(PC) | 2 | |||
11 | らいむいろ戦奇譚(PC) | 2 | |||
11 | ひまわりの咲くまち(PC) | 2 | |||
11 | univ〜愛・おまたせっ〜(PC) | 2 | |||
11 | やどかりタイフーン!(PC) | 2 | |||
11 | はじらひ(PC) | 2 |
[投票者コメント]
- 「サクラ4」は単純に内容と価格が釣り合ってなかったので、ワーストに挙げました。セガの事情があるとはいえ「サクラ3」の完成度を見ると手抜き以外の何者でもなかったですね。この内容でも2,000円で「サクラ3.5」とかなら納得するのですが。
- 立ち絵と一枚絵のあからさまな相違や魅力の無い登場人物。ただ、そのク○ゲーぶりに惹き付けられるのも事実であります。(「幼馴染(PC)」)
- らいむいろはだんとつで悪かった。シナリオさん、好きだったけど最近はアンチ傾向。
- 恋愛シミュレーションとして、CG回想の機能がないのは痛いと思われる。RPGとしては、及第点といったところ。(「ロマンスは剣の輝きII(PS)」)
- 今時オートプレイもないシステムはどうかと。(「さよらなエトランジュ(PC)」)
- 「WatterSummer」を選んだのは動作が鈍すぎるため。PSでも十分に対応できそうな内容なのに実際の動作は非常に遅い。内容としては非常に良かったのだが。
バグゲー「なないろ」が名誉のワースト1位。まず、まともに遊べるものを出してください、ということだが、未だにそんなところでワーストを争って頂くのも低次元過ぎて寂しいと言うしかない。
2002年のワーストゲームランキングを眺めていて従来との様子の違いに気づくのは、ベストゲームとのダブりの少なさである。実際、ベストゲームランキングのポイントとワーストゲームランキングのポイントから算出される相関係数は前回2001年では0.34と弱い相関すら示していたが、今回2002年では-0.02となり、もはや無関係となっている。ここからは以下の可能性が推測される。
- 「人を選ぶ」作品が減っている。
- ユーザが自分に合わない作品はハナから遊ばなくなっている。
- カブらないぐらい多数の作品が発売されている。
これらは2002年の恋愛ゲームを読み解く上でも関係してきそうなポイントであり、この辺りから総括へと入って行こう。