ゴーライブな日々
-4回目-
長すぎて読みづらいとの指摘を受けましたので、みじかくしました。
また、CSSで文字をそろえました
他人のホームページを作ってみる1

大手や老舗のホームページ製作会社にはいろいろな型や効率化されたシステムがあるようです。
しかし、小規模な製作会社や個人の方はいろいろな面で辛いように感じます。

HP製作はクリエィテヴな仕事に見えます。
私は作家とクライアントの幸福な出合い以外の製作についてはそうは思いません。

世の中には美しいホームページ、楽しいホームページ、情報満載のページがあります。
さて、本当にそういったページをバシバシと作ることは可能なのでしょうか?

仮に製作者を直子氏、発注者を江崎氏、仲介業者をY社としてみましょう。
料金は10万円程度でページ数は
10という条件はきまっているということにします。
直子さんは某デジタルクリエイタースクールを出て、やる気に満ち溢れています。
自分のHPをつくり注文がくることを待っていますが一向にきません(爆)
そこで知り合いの会社をあたってみることにしました。ちょうど彼女はY社の営業マンが友達でしたので仕事はないかと相談してみました。
(中略)すると早速依頼がきました。
津玖波酒造株式会社データ
商号 津玖波酒造株式会社
代表者氏名 江崎仮理菜
設立 明治42年12月8日
住所 茨城県つくば市天王台1−1−1
電話番号 0298-**-****
FAX番号 0298-**-****
まずはじめに上記のようなデータがあります。
では、この会社のホームページを作ってください。
ページ数は10ページぐらいで、うーんフラッシュで動くほうがいいね。
ホームページを作りたくてうずうずしている方は”ようし、やるぞ!!”となにも考えずに受けると思います。
さて、これからどうしますか?

他社のホームページを参考にして文字や絵を入れ替えたりして
作って持ってゆくとします。(他にも、テンプレートに当てはめるという手もあります。)
江崎氏>「なんかイメージと違うんだよね」
直子氏>「いえ、これは参考としてつくらせていただいたものですので、これから津玖波酒造様に合わせた形で作らせていただきます。ところで津玖波酒造さまには会社のパンフレットやイメージキャラクターといったものはございますか?」
江崎氏「うちは今までそういったものは作ったことがないなぁ」
直子は困りました。この会社には酒瓶のラベルや看板はあっても、ネタがないのです。でも仕事なので何とかしなければなりません。
直子>「わかりました、それでは会社をご案内するようなコンセプトでページを作らせていただきます。会社のお写真をいくらか撮らせてください。」
江崎>「ん、わかった、次はいつくるの?」
デジカメで写真を撮る直子、心の中では早く10万円をゲットしたいと闘志に燃えています。

1回目の打ち合わせから直子は致命的なミスを犯しています。

1.ホームページのモックアップを作ってしまったこと。
2.具体的なページの構成にについて言及しなかったこと。
3.タダで取材をしていること。
4.相手に準備してもらわねばならないものについて言及していない。

1.親切のつもりでしたことが仇になる場合があります。モックアップを作ることで”ホームページが簡単に作れる”という印象を与えています。実際そうだとしても何回も簡単に作ってあなたの時間給はいくらになるのでしょうか?

2.これを決めないと相手は何を作っているのか理解できません。ホームページがなんなのかが曖昧な時代です。

3.いくらで受けた仕事なのでしょうか?、直子の仕事はホームページ製作でしょうか?それとも相手の会社に対し無償の奉仕をすることでしょうか?たとえタダでやるにしてもタダではないことをタダでしてあげるんだと言及するべきです。

4.相手の会社のことを直子はどれほど知っているのでしょうか?津玖波酒造は佐伯酒造(夏子の酒参照)でもなければこだわりの酒造りの書籍で紹介されているわけでもありません。

さて、勘のよい方ならこのあとの製作の展開は想像がつくかもしれません。次回に続きますが、この時点で相手にホームページが簡単にできるという印象を与えているという意味でかなり致命的です。

2回目のアポを入れようと電話をしますがどうしても次週になるとのこと。直子は1ヶ月くらいでできればいっかと思っていたのでそんなに気にしていません。
しかし、その2回目のアポの時点で2週間が経過しているのでした。
註:筆者はデジタルなんたら養成学校とかには行ったりしておりませんし、関係者でもございません。ただのサイバー洋画家です。
また、ここに出てくる名前も実在の団体人物とはなんら関わりをもつものではありません。