Mapacom's Best Movie


2001年のロードショー映画ベスト5+α
映画好きだけど最近はすっかりロードショーしか観なくなりました。でも映画にはうるさいので感想ついでにお勧めすることにします。
日本映画界をかなり地味に支えている私としては、映画は映画館で観ましょうと言いたいし。

 2001年もロードショーばかり。今年はハズレが多い様な気がするのは気のせいか? 順位的に1〜3位までと4〜10位辺りまでにはそんなに差が無い気がする。
クリスマス映画はハリーポッターよりもゴジラに期待だ!




順位タイトルジャンルお勧め度
BESTチキンラン雌鶏脱獄ねんどアニメ映画スラップスティック映画としてかなりお薦め
2位千と千尋の神隠しファンタジー系宮崎アニメ映画ファンタジーアニメ映画としてかなりお薦め
3位ジュラシックパーク3恐竜CG映画恐竜が好きなら
4位ハリーポッター 賢者の石魔法使い少年ファンタジー映画ファンタジー好きならお薦め
5位シュレック逆転童話CG映画子供向けフルCGアニメとしてお薦め
6位メトロポリス手塚アニメ映画完成度の高いアニメとしてお薦め
7位エボリューションCG特撮怪獣コメディ映画軽いノリのSF系特撮が好きなら
8位ファイナルファンタジーフルCG特撮SF映画近未来SF系特撮が好きなら
9位A.I.人造人間特撮映画スピルバーグな子供が好きなら
10位猿の惑星類人猿特撮映画サルが好きなら
11位ハンニバル人食い殺人鬼映画ゲテモノ喰いなら
12位アヴァロンコンピュータゲーム映画押井監督好きなら
13位ドリヴンカートレース映画カーレース好きなら
14位ブレアウィッチ2伝奇ホラー映画ゴシックホラー好きなら
15位怪獣大決戦ヤンガリーB級怪獣映画街で暴れる怪獣が観たいなら
16位狗神和風ホラー映画他に観るものが無ければ
17位弟切草変なホラー映画奥菜恵ファンなら。他に薦め所がなあ
Return to top page

ちなみに2000年の感想1999年の映画の感想はこちら。

ページ先頭へ



ページ先頭へ



ページ先頭へ



ページ先頭へ



怪獣大決戦ヤンガリー

韓国資本のアメリカ製怪獣映画。舞台はアメリカでアメリカ人しか出て来ないから韓国っぽさは無い。
ゴジラを意識した作りであることは一目で分かるが、怪獣のデザイン、設定、脚本と色々なところでレベルが低い。破壊されるミニチュアやCGには力が入っているようだがそれを生かした作りになっていない。と言うところまで日本特撮風かも知れない。ヤンガリーがミサイルを避けると言うシーンが多様されるのだが、これはハリウッド製ゴジラそのままのパクリ。どうせ効かないのに避けると言うのもなんだし、意味が薄いのだが余程気に入ったんだろう。ヤンガリーの吐く火炎がゴジラ風火柱では無く平成ガメラ風火球と言うか、性能的には投げ槍の様な感じだったのが新しいと言えば新しかったかな。総合してみて怪獣映画としても人に安易に薦められる映画ではないんですが。
ところでエンディングのスタッフロールでの変な日本語の歌は辞めて頂きたいと思うのです。



エボリューション

アメリカ風SF怪獣コメディ映画。CGで出てくるクリーチャー達が実は良くできている。設定やストーリーも元が科学者系作家の考えたシリアスな話と言うのもあってか、割としっかりしていてストーリー的な破綻が目立たない。そう言う部分でもコメディにしたのは正解と言える。
過去に傷持つ左遷された科学者、行動力だけの若者、ドジな美人科学者、短大生、バカ将軍、無敵で強大な敵、意外な弱点、デブ兄弟、下ネタ、…。良く考えてみるとハリウッド風の軽いノリで日本風怪獣映画を作るとこんな感じになるなーと言うところかも知れない。大作で無い分、気を抜いて楽しめる映画と言えよう。
ダン・エイクロイドはおいしい役を持っていくなあ。



Planet of the Apes 猿の惑星

猿人映画。「猿は猿を殺さない」ことはない。
20年以上前の映画のリメイクだが、プロットだけ残して設定や話は根本から作り直されている。SF的にも設定としても無理があちこちに見られて物語に集中出来ないが、派手な映像も多く娯楽作にはなっている。
クライマックスは結構盛り上がったような気がする。オチもまあまあだ。原作のラストシーンは秀逸だったが、今回それにあたるのはクライマックスだろう。そして一件落着した後にオマケと思われるラストシーンがある。ネタばれしてしまうので記述は避けるがかなり虚脱感がある。それまで積み重ねた物語の重厚さを一気に吹き飛ばすようなものだったが、本当にあれがやりたかったんだろうか?



ファイナルファンタジー

 フルCGの近未来SF映画。CG映画では特撮と言う表現が出来ないな。一応ファイナルファンタジーの名前は付いているが同名ゲームと何ら関わりが無いと思って観ないと肩すかしを食らう。
数人のパーティで行動し、人が死んでいくところ等は実はRPG的だと言えなくもない。が出来の悪いエイリアン2のパロディの様にも見える。
子供が観ても分かりにくいし、大人が観ても何だかすっきりしない、妙に煮詰まっていないストーリーと言うか設定に問題があるんだろう。気負い過ぎて作ったのか、どうも華がない映画だ。CGであることを意識させない様に勤めている様に感じる。CGっぽくなるのを避けたのだろうがCGならではと言う売りもそこで削除されてしまっている。欠点をなくすつもりで特徴まで消してしまった悪い例になってしまったんだなあ。初めは技術を次回に生かすために失敗してもいい様な話をしていたけれど、実際に失敗してしまっては次は無い。辛いところですな。


ページ先頭へ

ドリブン

 カートレース映画。

確かにレースシーンは結構迫力があると思う。元はF1用に書かれた脚本らしいがそういうことは関係無い気がする。レースをする男達の話であり、関係者も少ないし話は単純だ。
主人公である若手な天才レーサーと引退してたベテラン、ライバルとその恋人の4人で話が進行する。ライバルの彼女との三角関係があったり、レーサー仲間の事故があったりするが最後はめでたくハッピーエンドと言うわけで安心して観られる。
ストーリー上盛り上がりに欠けたり、スタローンの説教がロッキー5みたいとか、あるけれどこの映画の売りはやはりカートによるレースシーン。事故って吹っ飛ぶシーンのスローモーションもいいけれど、普通のレースシーンですっ飛ばしてるところが迫力があって良い。レースは事故より走りに魅力を感じたいしね。300km/hオーバーで走っていて画面の中央部以外がぼやけて見えたり、ゆっくりと雨の滴がガラス面を動いていたり、ほとんど情報が無い様な視界なのに凄いスピードで走っているというのが又いい感じにリアルでもある。レース場の盛り上がりは各地で実際に行われたF1でのレース場での様子をそのまま使っているが、意味もなく観光資料のように挿入されて可笑しい。決して大作では無いが、レース映画として悪くないんでは?と言う作品。


ページ先頭へ

ジュラシックパーク3

 恐竜映画。

ページ先頭へ

千と千尋の神隠し

4年ぶりの宮崎アニメは和風ファンタジーもの。ストーリーより世界観や各シーンの雰囲気作りを重視している様に思えるが、全体に出来の良いアニメで好感が持てる。
 千尋と両親は引っ越し先の団地の家へ行く途中、団地の端から回り道に山道へ車で入って行く。そこは行き止まりで狭いトンネルがあり、入った先は不思議な街。八百万の神々の湯治場を中心とした場所で、豚になった両親を救うため湯治場で働くことになる千尋の話。
 物語中、どの位時間が過ぎているのか分からないため千尋がその湯屋にいた期間が分からないが、精神的に成長する。
千とは千尋が湯屋で働くときに付けられた名前であり、この時に本当の名前を忘れて(取られて)しまうと言う描写がある。本質を表す名前を取られることにより支配されるということなのだが、それとなく分からせるあたりは上手い作りだ。クライマックスでハクと呼ばれる龍になる少年が本当の名前を取り戻す場面はかなり盛り上がっているお気に入りシーンである。
 確かに子供が主人公なこともあってそれほど派手なアクションシーンや緊張するシーンが続くわけではないので、退屈だと感じることもあるかも知れないが、一つ一つのシーンが作り込まれていて絵的・アニメーション的にも高レベルなので飽きにくくなっている。
アニメが特に嫌いで無ければどの世代にも安心して薦められる映画である。

ページ先頭へ

A.I.

スピルバーグがキューブリックから受け継いだ話を映画化したもの。子供型ロボットの悲哀話。確かにロボットの愛情を表現し、泣かせに掛かっているのだが自分としてはイマイチだった。これには原因があると思う。
(ネタばれ注意↓)

 9
 8
 7
 6
 5
 4
 3
 2
 1
 0

 人間になりたがるロボットと言うテーマであり、ピノキオが劇中でも多く引用されている。主人公は自分をピノキオに見立て、ピノキオを人間にした妖精を探すのがこの話の後半だ。前半は病気の子供の代わりだった主人公が母親に子供として認められるものの、実の子供が戻ってくると居心地が悪くなり追い出されると言う話。
 自分がロボットであり人間と異なると自覚するシーンや、人間から差別されるシーンがあるにはあるが主人公はそれほど衝撃を受けたりしない。その割に後半は異常なほど人間になることに貪欲になるのだが。この、自分が人間でないと言うショックは、仮面ライダーやキカイダー等の石ノ森作品や手塚作品にも見られる古いテーマであり、泣かせ所なのだがなぜか軽く流している。ロボット物ならここだろう、と考えるだけにちょっと気が抜けてしまった。
 CGで作られたロボット達は結構凄いのだが、どうも意味がないような気がする。とにかく顔が人間そのままだと言うことも含めて、ロボットの造形に問題がありそうだ。

 (ネタばれ)
 10人が10人予測できる伏線として、母親の髪の毛から元の人間を記憶ごと再生するのだがやはり仕組みが良く分からないな。
 たとえ氷河期だとしてもたかが2000年で人類が絶滅してしまったりするか?

ページ先頭へ

メトロポリス

手塚治虫原作のSFアニメ。原作とは話の内容がかなり異なっている。全く違う話として観ても良いくらいだが、チョイ役キャラクタの名前等意外なところで原作と同じところがあったりして驚く。
大作指向なりんたろう監督作品らしく非常にきれいな映像に分かり易いストーリーであり、この辺りに特に欠点は無いと言える。 物語はヒゲオヤジとケンイチがメトロポリスに来たところから始まる。二人は、違法な研究をしていたマッドサイエンティストを探していた。その科学者は街一番の実力者の依頼で死んだ娘に似せた精巧なロボットを作っていた。しかし養子であるロックが嫉妬して研究所を破壊してしまい、科学者は死にロボットはケンイチと逃げ出す。ロボットのティマは自分がロボットであり、特別な機能があることを知らなかった。 ロボットが普通に労働力として働くこの街では、失業者があぶれて革命が起き掛けている。このロボットと人間の対立が、ティマの話と微妙にかみ合わず物語のテーマがぼやけてしまったのが残念だ。主人公と思われるケンイチも途中で捕らえられてしまいいなくなってしまうし、最終的に何ができるわけでもない。
ティマがロボットであることを自覚する部分だとか、ラストシーンの主人公とか、泣かせに走ることが出来る材料はあるのだが結構さらっと流されてしまっている。ひょっとしたらこう言うのも手塚的なのかも知れないな。

チキンラン

アードマンスタジオの久し振りの新作で長篇人形アニメ。人形アニメと言うだけで個人的には必見なのだが、その面白さは他の映画から群を抜いている。前作『ウォレスとグルミット』も良かったので期待していたのだが期待に違わず楽しい映画だった。全盛期のトムとジェリーを観ている様な感覚でいられる。もちろん今までの短編的なテンポの良さは無いが、長編として観れば問題ない出来の良さである。
養鶏場の雌鳥が主人公。卵が生めなくなると料理されてしまう環境からの脱獄を常に考え、実践しては失敗して捕まっている。基本的には大脱走のパロディと感じさせる序盤である。そこへ空飛ぶから雄鳥がやってくるところから本編が始まる。
雄鳥の意外な秘密が暴かれるシーンの過剰な演出や、クライマックスの空中戦など見どころも多い。人に安心して薦められる映画だろう。
ページ先頭へ

ハンニバル

『羊たちの沈黙』の続編で10年後の話。どうやら主人公が人喰い殺人鬼ハンニバル・レクター博士になったらしい。
レクター博士のライバルと言うか、復讐のために探す人が出てくる。インターネットで懸賞金を掛けて探され、指紋の付いたものを持っていくだけで謝礼金が出たりする。イタリアにいたレクター博士を偶然見つけた刑事が出てくる、イタリア人不良刑事抹殺篇は結構良かったが後半の復讐者との対決では少しダレる。
 前作で最も良かったのは脱獄シーンであったと感じる立場としてはもっとレクター博士に頑張って欲しかった気がする。 人食いと言うわりにはそれほど喰ったりしてない。
ページ先頭へ

アヴァロン

押井守監督の近未来実写映画。舞台がどこかと言う設定は出てこないが、出演者はすべて外国人で字幕なので少々面食らうが物語には関係ない。戦争を模したコンピュータゲームが唯一の娯楽である世界で、名のある女性ゲーマーが主人公。
ケーブルのたくさんついたヘルメット状のインターフェースを被って行うバーチャルリアリティなゲーム世界という設定はちょっと古臭い。しかし物語序盤のゲームシーンに力が入っている。このあたりは面目躍如なところだ。とはいえちょっとイマイチな感じもある。ゲーム中人が死ぬと紙の様に薄っぺらくなって壊れて消える等、おそらくゲームを意識した演出だと思うが格好悪い感じを受けた。
物語は、ある日トッププレイヤーである主人公を越えるスコアを出すプレイヤーの存在が出てきたところから始まり、昔在籍した伝説のチームのメンバーが絡み、通常の手段では行けないゲームのレベルを探すことになる。図書館で探す資料の本が日本語の本だったり、料理を作るシーンや食事を食べるシーンの演出が異常に凝っていたりと押井節も少々地味に炸裂している。
ネタばれ気味な話をすると、この映画は白黒映画で始まる。ゲーム中も現実世界でもモノクロであるが、物語がクライマックスになるあるシーンではフルカラーになる。押井監督作品らしさもこのあたりにあるな。
終わりまで見ても物語的にも中途半端なような未消化なような。確かにそこそこ恰好良い映画だけど人に薦めるほどではないか。

ページ先頭へ

ブレアウィッチ2

まったくつまらない映画ではないが、なんだか普通のホラーって感じの映画になってしまっていた。前作の様な奇抜な企画ものでも無くなっているし。まあ、前作絡みの話なので前作ファンは観てみるのもいいかと言う程度のオススメ度だ。
ページ先頭へ

狗神

一応それなりに和風なホラーに仕上がっている。しかしクライマックス以降がいかにも怖くもなければ面白くもないのがちょっと。中盤にはそこそこホラーの怖い雰囲気が味わえるのではないか。
ページ先頭へ

弟切草

スーパーファミコンの同名ゲームの映画化。ゲーム同様、マルチエンディングであることが売りになっている。
 映画としてかなり出来が悪かった。ゲーム風にするなど画像のCG処理などで新しい試みがいくつかあるのだが成功しているとは言い難い。物語的にも興醒めであった。ゲームを作っていてその説明をゲームを進めながらすると言う設定も外している。そのためストーリーを途中で戻して別の話にしたりするのだが、それも意味が見られない。元のゲームの良くない部分が強調されているようだ。
この映画のストーリーは設定自体から映画と別物であり、ゲームに出てきたどのストーリーとも別の話である。もちろん出来は良くない。ゲームであれだけ盛り上げることが出来たことを考えると作り手に問題があるとしか考えられない。
『弟切草』は非常に気に入ったゲームであり、思い入れも強かったので残念だ。
ページ先頭へ

Return to top page