第四話Bパート

作・ヒロポンさま

 


 

ポチャン

 

私の横で、パパがすこしばかり身じろぎした。

ビクッと私の肩が揺れて、波紋がお湯の表面をわたっていく。どんどん遠ざかっていく波紋を見つめながら、私は何か話題はないかと考えを巡らしていた。

時計がないから分からないけど、今は多分、十時ちょっと過ぎくらいだと思う。見事な月夜だ。露天風呂の入り口付近にある照明が邪魔に感じられる。昼間に思ったとおり、ホテルの屋上にある露天風呂から眺める夜空は、とっても奇麗だった。

パパもママも美しい景観にうっとりと目を細めている。

私にとっての、今日二回目のお風呂は、混浴だった。

 

事の起こりは、やっぱりママだった。私とレイおばちゃんとミユキは、温泉に浸かった後の時間を、テレビを見たり卓球をしたりしながら過ごしていた。食事は私たち家族が泊まる和室に六時ごろに配膳される予定で、ちょっと間があったのだ。

結局、ママとパパが散歩から帰ってきたのが、七時過ぎ、その時には私たちはお腹ぺこぺこで、そのせいかもしれないけど、出てきた料理は大変おいしく感じられた。

がつがつと食べるミユキ。ゆっくりとよく噛んで食べているレイおばちゃんとパパ。ママはなんだか上機嫌で、最近は決して口にしなかったお酒を、何時にないハイペースで飲んでいた。

「混浴」という単語を耳にしたのは、みんながすっかり食べ終わって、お腹を抱えながら散発的な会話を交わしていた時だった。

 

「十時からお風呂予約してあるから、家族三人で入りましょうね」

 

とママが突然のたまったのだ。

 

「予約?」

「そう予約してるのよ。家族で混浴するのよ!こ・ん・よ・く」

 

詳しく話を聞いてみると、この施設では、時間を予約して露天風呂を貸し切りにできるらしいのだ。そのための露天風呂が屋上にあるらしい。

 

「私も入りたい!」とミユキが主張し、レイおばちゃんもものほしそうにパパのことを見たのだけど、「ミユキ、今回は遠慮して、私たち家族には思い出が必要なのよ」と真剣な顔で詰め寄って訳の分からないことを言うママの迫力に抗しかねて、あきらめざるを得なかった。

ママの顔が赤い。目も据わっている。明らかに酔っていた。

なんだか知らないけど、その時点で、私とパパとママが混浴をすることは決定されたのであった。

 

 

「二人ともなに黙り込んでるのよ!」

 

タオルを巻いただけの格好でパパにしなだれかかりながら、ママがそう言った。指先でパパのほっぺたをつんつんと突ついている。

 

「へっへー、シーンジ。どう、ユイカのからだ?」

「どっ、どうって言われても…」

 

パパは戸惑ってる。当たり前だ。

 

−ママ、突然何を言い出すのよ

 

「ここまで育てるのは、ほーーーんとに大変だったんだから」

 

ママは言うなり、私の手をつかんで自分の方に軽く引っ張った。呆然としていた私は、たいした抵抗もしないまま、すっと引き寄せられる。

私の動きにお湯が波立って、思いのほか大きな音が立つ。

 

ピト

 

気がつくと私は、パパとぴったりとくっついた格好でママに抱きしめられていた。

目線を上げると、パパの顔が眼と鼻の先にある。意外とたくましい胸に私の頬が押し付けられる形になって、なんだか私は訳が分からなくなってきた。

パパは、私のことを見ないようにしているのか、どこか明後日の方向に目をむけている。こうやって見ると、同い年の男の子なんだということを改めて認識させられてしまう。心臓が早鐘を打っている。普通、父親と密着したぐらいじゃ、こんな風にはならないだろう。

 

「ありがとね、ユイカ。無事に育ってくれて。ママは嬉しい」ママは、混乱している私たちをギュッと強く抱きしめた。

 

−ママ、お酒臭いよ

 

「夢だったんだー、こうやって親子三人で旅行したりするの」

「アスカ」

「ママ」

 

潤んだ目でママのことを見つめる私とパパ。私が容易に感動してしまうのは、どうやら遺伝らしい。ママは本当に本当にやさしげな目線で、私たち二人を包み込んでいた。

 

「シンジはユイカのこと好き」

 

その恥ずかしい問いかけは、意外なほどに自然な響きを持って発せられた。

 

「うん、好きだよ」

 

神妙に答えるパパ。黒い瞳が、私の目を真っ直ぐ見詰める。

 

「ユイカはシンジのこと好き」

「うん」

 

私も、パパを見つめ返す。

 

「じゃあ、二人とも、もっと自然に振る舞いなさい。とりあえず、娘のことをちゃん付けで呼んだり、父親に対して敬語を使ってしゃべるのは禁止にします」

 

−ママも気にしてたんだ

 

その考えが、私の心を軽くしていった。ママは何時も強引だけど、本当はすっごく優しい人だということを私は知っている。

 

「うん、わかった」

 

私はそう言って、パパの首にしがみついた。ママの酔いが私にもうつったのかもしれない。でも、こうでもしないと恥ずかしくって仕方がなかったのだ。一度はじけてしまえば後は恐くない。私の将来性にあふれた胸が、タオル越しにパパの胸に押し付けられる。でも気にしない、私のパパだもん。

 

「ねっ!パパ」

「えっ!うん」

 

パパはちょっと赤くなりながらカクカクと肯いた。吃っているけど、何時もの硬さはない。やっぱりスキンシップというのは大切なのだ。

 

「スケベ!なに鼻の下伸ばしてるのよ!バカシンジ」

 

照れてるパパをママがからかう。さっきより酔いが回っているみたい。

 

「はっ鼻の下って…僕は、別に…」

 

ぼそぼそと答えるパパのこめかみを、ママがぐりぐりと締め付けている。

肌を通して感じるパパのぬくもり。今までママが独占していたその感触。

じゃれ合う両親を見ても、いつも感じるような疎外感は感じなかった。

 

「わかってるの!自分の娘なのよ。本当だったら、シンジもユイカのおむつを替えたり、お風呂に入れたりしてたかもしれないんだから!」

 

その言葉を聞いた私は、パパにお風呂に入れてもらったり、おむつを替えてもらったりする自分の姿を想像してしまった。

 

−なに考えてるんだろう私…

 

すっごく恥ずかしい。

だから、「そっ、そうだよね」とママの言葉に納得したように頷くパパに「いやだ、パパのエッチ」と真顔で言ってしまった。

驚いたように私の顔をのぞき込むパパとママ。

数瞬の沈黙の後、私たち親子は、お互いの顔を見詰めながらしばらく笑いあった。

月の光にお湯の面がきらめいて見える。

私は、親子三人でいられる幸せをぐっとかみ締めていた。

 

 

 

15分後。

………本格的に酔いが回ってきたママは、結局お風呂の中で寝てしまった。私とパパは引きずるようにしてママをお風呂から上げて、何とか着替えさせた後、両側から抱えるようにして部屋まで連れて帰った。

通りすがりの人たちには、じろじろと見られるし、本当に恥ずかしかった。

 

−ママの馬鹿

 

でも、このささやかな共同作業は、私とパパの間にあった壁を、また一つ取り払ってくれた。

結局ママのしたことは、みーんな正しかったのだ。

 

 

****************************************

 

 

川の字で寝るなんて初めてだった。

左側の布団にはアスカ、右側の布団にはユイカ。僕を挟んで二人の女の子(?)がぐっすりと眠っていた。

家族。僕もアスカも家族には恵まれなかった。だから、家族三人を強く結び付けたいと願うアスカの心を僕は容易に理解する事ができる。

この人と僕は本当によく似ている。僕とこの人が出合えたのは、いったいどういう偶然によるものなのだろう。僕たちの満たされない心は、いつのまにか離れがたいほどにがっちりと絡み合ってしまっていた。

 

 

僕は、ボートの上で少しばかり眠ってしまったせいか、なかなか寝つけなかった。

 

「眠れない」

 

独り言。もしかしたら、二人の内のどちらかに、かまって欲しいという心があったのかもしれない。だからわざわざ口に出していってみたのだろう。

 

−昔は一人でいることなんて、全然平気だったのに

 

立ち上がって飲み物を買いに行く決心をする為に、僕はわざとらしく苦笑してみせた。こんな時には、こういうつまらないきっかけがないと、なかなか体が動き出さないものなのだ。

眠っている二人に気をつかいながら、そっと体を起こす。そして、僕たち三人にあてがわれた部屋を出て、フロアの端っこにある自販機コーナーへと足を向けた。

時計を見てないのでわからないが、12時を過ぎていることは確実だ。何だから心もとない気分を味わいながら歩いていくと、蛍光燈に照らされた薄暗い廊下のその向こうに、簡単なテーブルと椅子が何脚か備え付けられた目的の場所が見えてきた。

 

その人影に気づいたのは、自販機で買った清涼飲料水を飲む為に、椅子にゆっくりと腰掛けた時だった。

壁際においてある観葉植物に隠れて、今まで見えなかった人影は、窓を通して斜めに差し込んでくる月明かりを浴びて、ぼうっと輝いて見えた。

 

「綾波?」

 

思わず呼びなれた方の名で呼んでしまう僕。

彼女は、両手でジュースの缶を握りしめながらゆっくりと首を振った。月の魔力で水色の髪が白銀に輝き、フルフルと揺れる毛先からきらきらと光の粒が飛び散った。

 

「レイ?」

 

改めて問う。

彼女は、ゆっくりと肯いた。

 

 

 

 

「ユイカとうまくやっているの?」

 

しばらくして、綾波がそっと問い掛けてきた。

僕は少し吃驚した。最初に沈黙に耐えられなくなるのは自分だと思っていたから。

 

「うん」

 

露天風呂でのことを思い浮かべながら、僕は肯いてみせた。

壁に映る影が綾波の体を縁取って、ただでさえ幽玄なシルエットを更にぼやけたものにしている。

彼女は、それ以上口を開かない。なんとなく僕は、自分が語ることが自然であると理解した。

 

「最初の内は、正直戸惑ったんだ。僕とアスカの娘って事も驚いたけど、それが同い年の女の子だって事にも吃驚した。」

「同い年の女の子なんて、アスカや綾波、それに委員長ぐらいとしか話したことなかったし……」

「僕の娘だって事は最初の頃から自然に感じられたんだけど・・どうにも打ち解けて話せなくて・・アスカに余計な心配かけちゃった」

 

僕はとつとつと語りつづけた。なにが僕を饒舌にさせているのか、それはわからないけど、こうやって口に出して誰かに話すことで、改めて自分が手に入れた大切ななにかが分かったような気がした。

 

「ユイカ、本当に良い娘だね」

 

語り終えた僕を、赤い瞳が静かに見つめていた。

 

「碇君に似たのよ」

 

彼女は口元に微笑みを浮かべてそう言った。

 

「………綾波、変わったね」

 

その言葉に、綾波は、俯きかけていた顔をぴくっと上げて、まじまじと僕の顔を見た。

 

「前はそんなに笑わなかった」

 

多分僕も変わった。以前の僕だったら、こんな事を面と向かって言ったりはしなかったろう。

 

−僕はがさつになったのかなぁ?

 

ふとそんな考えが脳裏をかすめる。

綾波は何を思っているのだろう。彼女はどんな十四年間をすごしてきたのだろう。黙って僕を見詰めている彼女を見ている内にそういう疑問が頭に浮かんだ。

 

「綾波は、ずっと一人だったの?」

 

綾波に惹かれていた過去が、質問の形を決定していた。

幸せが僕の心をあけすけにしていたのかもしれない。彼女の生まれを知っている人間がこういう質問をする残酷性に、僕は思いを致さなかった。

 

「…………」

 

冷たい静寂を纏って彼女はそこにいた。

僕はふいに自分の間違いに気づいた。

 

「ごめん」

「どうして謝るの?」

 

僕は答えられなかった。

 

「そう。私はずっと一人だった。あの戦いが終わった後、私はしばらくの間、ただ消え去ることだけを望んでいた。でも……」

 

赤い瞳に再び生気が戻る。

今度は綾波が語る番だった。

 

「でも、ユイカがいて、アスカがいて、赤城博士がいて、伊吹さんがいて、他にもたくさんの人が私の周りにいて、みんなが私を支えてくれた。私がここにいても良いことをわからせてくれた」

「碇君の言う通り。私は変わったと思う。自分でも分かるもの……それはとても幸せなこと……長い間見つけられなかったものを私は見つけられた気がする……」

「そして、今、碇君がいてくれる。貴方がいてくれるだけで、私は今までよりももっと幸せになれる。最初に私に色々なことを教えてくれたのは、碇君だから……私が何者であるかを知ってくれている人だから………」

「ありがとう碇君。戻ってきてくれて。ここにいてくれて」

 

綾波がこんなに話すのを僕ははじめて見た。そして、その涙も…

気がつくと僕も泣いていた。

綾波と僕の間には何があるのだろう。彼女の生まれと何か関係があるのだろうか?こうやって言葉を交わしていると、僕と彼女の距離が極々近いものであることが自然と感じられる。

いつのまにか綾波は立ち上がっていた。ぼやけた視界の中、ゆっくりと白い影が近づいてくるのが見える。

横を摺り抜けて行く瞬間、僕の頬に冷たくて柔らかい感触が触れた。

 

−綾波の唇…

 

「ユイカとあの人のこと、大切にしてあげて」

 

呆然とする僕の背後に、少しの間立ち止まってそう言うと、綾波は静かにこの場を立ち去って行った。

僕が振り向いた時、彼女の姿はもうなかった。

 

 

しばらくして、僕も部屋に戻った。

じっと天井を見詰める。

なんだか、すっきりとした気分だった。

 

「あっ、途中から綾波のこと綾波って呼んでたな」

 

やはりそれが自然なのだろう。その証拠に綾波も何も言わなかった。

 

 

ウンッ

突然の物音に驚いて横を見ると、ユイカが半目を開けてボーッと僕のことを見ていた。

 

「パパ?」

「ごめん、起こしちゃった?」

「ううん。……眠れないの?」

 

ゴニョゴニョとした問いかけに僕は肯いてみせる。多少強引なアスカの指令を受けてから、ユイカはすんなりと僕に対応するようになっていた。これが彼女にとっての自然なのだろうか?年よりも幼い感じのするしぐさ……多分それは僕の側にいるからだ。

僕は心のどこがで、彼女が子供であることを求めている。そうじゃないと自分の娘としてのユイカではなく、一人の女の子としてのユイカの方を強く感じてしまうから。彼女はそんな僕の気持ちに無意識に同調しているのかもしれない。僕の前で彼女は、子供っぽい自分を進んで演じてみせているのではないか?そんな疑念を僕は持っていた。

 

「さっきまで綾波と話してたんだ」

 

僕は再び天井に目をやって、ぼそっと口にした。

色々と話したいことがあったような気がしていた。

僕はしばらく、記憶のとば口でうろうろと話すべき事柄を探し回ったが、なかなか発すべき言葉を見つけられずにいた。

 

「ねぇ、ユイカ」

 

やっと意を決して、僕なりの自然な振る舞いで彼女の名前を呼んだ時、ユイカはすでに眠りの世界の住人になっていた。

 

スゥースゥー

規則正しくかわいらしい寝息。

親子だからだろうか、その寝息はアスカのそれにそっくりだった。

自分の顔がだらしなく緩むのが分かる。

 

−自然な振る舞い

 

意識してみてもしょうがない。

毎日ご飯を食べて、お日様の光をあびて、ぐっすり眠って、そうやって生活して行こう。日々日常繰り返されるプロセスの中で、僕たちは自然な僕たちになっていく。そんなものだろう。

取り止めのない思考は眠りの前兆。

僕は、自然に目を閉じた。

 

 

****************************************

 

 

車は順調に第三新東京までの道のりを進んでいた。

ママとレイおばちゃんの仕事の都合もあって、私たちは午前中の内にネルフの保養施設を後にして、帰路へと着いたのだった。

運転は行きと同じでママがしている。助手席にはレイおばちゃん。後部座席には右から、パパ・私・ミユキの順で腰掛けていた。

ママは、やたらとレイおばちゃんにガムやらお菓子やらを要求する。レイおばちゃんも、なんでそんなに沢山もっているのか知らないが、何処からかガムやお菓子を取り出すと、運転しているママの口に放り込む。何だかんだ言って、この二人は良いコンビなのである。

昨日の露天風呂以来、私とパパのコミュニケーションはしごく順調だ。殆ど裸みたいな格好でパパに抱き着いたことを思い出すと、すっごく恥ずかしいけど、思い切った行動に出たことで私とパパの距離はぐっと縮まったような気がする。

私はせわしなくパパに話し掛けていた。たくさん言葉を交わすのが何よりも大切だと私は思っていたのだ。

 

「ユイカってファザコンなのね」

 

それまでじっと黙っていた(驚くべき事だ)ミユキが、ボソッと口にする。

自分でも十分自覚していたことだが、人に言われるとやっぱり恥ずかしい。

頬が熱い。ママは運転しながら、納得したようにうんうんと肯いている。

レイおばちゃんは、我関せずとばかりに、一人でお菓子をぽりぽりと食べていた。

 

「駄目よユイカ。シンジはあげないからね」

 

ママは、冗談めかしてそういった。

私は、ママやミユキの揶揄に何も言い返せなかった。パパが帰ってきてからの私は、自分でもわかるぐらい子供っぽく振る舞っていた。へんにふくれてみたり、パパが戸惑うのを承知でキスマークにバンソコウを貼ってみたり、かまって欲しいと言う信号を常に発していたような気がする。もしかしたら、今まで甘えられなかった分を取り戻したいのかもしれない。

そういう自分が見透かされたみたいで、なんだかとっても複雑な気分だったのだ。

 

「ところでさぁー、冬休み(季節はないのだけど一応そういう呼称になっている)も、もうおわりよねぇー」

 

私の心の内が分かっているのか、ミユキはさらっと話題を変えた。この辺はさすがに上手い。デリカシーないけど…

 

「えっ!今冬休みだったの?」

 

反応したのは、パパだった。

パパって不思議な人。私が家にずっといたのをなんだと思っていたのだろう。

 

「相変わらず、ボケボケしているのねバカシンジ」

「碇君は、バカじゃないわ」

 

一瞬にらみ合う(と言っても、にらんでるのはママだけだけど)ママとレイおばちゃん。

 

「冬休みが終わったら、パパも学校に通うんだよね」

 

私は話を逸らしたい一心でそう口にした。

 

「あっ、そうか。…僕はまだ中学生だったんだ」

 

きょとんとした顔のパパ。

その時、間抜けな顔でお互いを見詰め合っていた親娘に、ママが、ポロッと爆弾を落とした。

 

「それならもう手続き済ましちゃったわよ。ユイカとおんなじ第三中学校」

「「ええ!」」

 

私とパパは同時に叫んでいた。

 

「パパと娘が同級生か。こりゃ、面白いことになりそうねぇ」

 

完全に人事のミユキ。

 

「クラスメートになっちゃったりしてぇー。そう言えばうちのクラスは、よそより人数少ないし、十分可能性あるのよねぇ」

 

想像してみる。

パパと一緒に登校して、パパと一緒に授業を受けて、パパと一緒にお弁当を食べて、パパと一緒に下校する。

悪くないかもしれない。

横を見ると、パパはまだ固まっていた。

ママはなぜだか上機嫌。

レイおばちゃんが、お菓子をぽりぽりと食べる音だけが、車の中に響いている。

辺りの景色は、いつのまにか見慣れたものになっていた。

第三新東京市はもうすぐだ。

 

 

 

第四話終了

 


 

すいません。第三話の最後に書いたのと、違った展開になってしまいました。

次回こそ、シンジは学校に行きます。

えー、なんというか、書けば書くほど下手になっている私。

なんだか回を重ねる毎につまらなくなっているような気がしております。

今回はやたらと場面転換が多く、一本筋が通ってないせいか、ガタピシャとしたぎこちない構成になってしまいました。

ひたすら反省。

最後に、みゃあさん、そしてここまで読んでくれた皆さん、本当にありがとうございました。

 

ヒロポン


 

みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。

 

みゃあ「ユイカちゃ〜ん、愛してる〜!お嫁さんになってぇ〜ん」

 

どがしっ!!

 

みゃあ「はうっ!」

アスカ様「…のっけから何アブナイこと口走ってるのよ、アンタは」

みゃあ「だあってぇ…ユイカちゃん可愛すぎるんですよぉ」

アスカ様「そりゃあ、あたしの子ですもの。当然ね」

みゃあ「え!?何ておっしゃいました?今、ユイカちゃんのことお認めになったんですかっ!?」

アスカ様「ち、違うわよ。あたしにもし娘ができたら、それは当然美人だっていうものの喩えよ」

みゃあ「はぁ…もう少し素直になりましょーよ、アスカ様。こーんなに素晴らしい小説読んで、改心しようって気にはならないんですか?」

アスカ様「改心って……あたし別にやましいことなんてないわよ!」

みゃあ「はぁ。やっぱユイカちゃんの方がいーや」

アスカ様「ちょっ、ちょっとぉ!」

みゃあ「ユイカちゃーん!ミユキちゃんもいいぞぉー!!」

アスカ様「……この無節操男」

 

もう、ヒロポンさまのオリジナルキャラの素晴らしいこと!これだけキャラがたつってことは、オリジナル小説書かれても、きっと素晴らしい作品ができるでしょうね。

これからも期待しております。どうもありがとうございました。

  


読んだら是非、感想を送ってあげてください。

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