雑記林花或木
[2001/10]
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(2001/10/29)プリオン定食

 狂牛病まっさかりである。牛肉関連業界が閑古鳥になっている。しかたなく豚肉料理を出し始めた牛丼屋も出てきた。肉そのものは大丈夫で肉骨粉のほうがアブナイとニュースで肉が酸っぱくなるほど聞いていても、足が遠のくのは、みんな気分的に、やぁ〜な感じなのだろう。しかし肉骨粉はいろいろな用途に使われていたようで、調味料とかカレー粉とか・・・ステーキよりもカレーのほうがアブナイんじゃないのかと疑ってしまう。チキンカレーだから大丈夫って問題ではない。しかし今ごろそんなことを言われても手遅れではないのか。カレー大好きだし。もうスポンジ化が進んでいるの鴨新米。いや潜伏期間が2〜6年とか言っていたから、あと数年たつと街じゅうに阿呆が蔓延するのではないか。今でさえ、ある意味「阿呆」が闊歩しているが。んで、高級ステーキ肉が大特価となれば、余命幾ばくも無いと判っている年金暮らしの御老人などには千載一遇のチャンスでもある。狂牛病が発病するまで生きているかわからないのだから、何も恐れることは無い。もう食って食って食いまくって、積年の恨みを晴らしてくれよう! なんて思っている御老公もいるのではないか。それにしても「狂牛病」などという名前を誰が名づけたのか。「狂犬病」があるのだから「狂牛病」があっても理不尽ではないが「狂犬病」からの連想で「狂牛病」と聞くと、草むらから凄い形相で突進してくるでかい黒牛を想像してしまうではないか。実際の狂牛は足腰が立たなくなってヘタレになって死んでしまうようなので「狂牛病」の名前に相応しくない。「牛脳炎」くらいにしておけばいいものを。脳が衰えるから「牛脳衰症」にすると農林水産省がいい顔をしないか。ものを考えられなくなるから「牛思想朦朧」しかし牛に思想があるとも思えない。「牛海綿状脳症」ってそのままでいいものを、わざわざキチガイ呼ばわりせんでもいいのではないか。ところで羊、ミンク、猫、鹿なども同じような病気にかかるらしいが、豚はかからんのか? 鶏はかからんのか? 最初から脳がスポンジみたいな人間はかかるのか? 豚も鳥もかからん病気だとしても人間はかかるのか? まったく人間っちゅうもんは豚以下である。

(2001/10/20)キャッツ&ドッグス

 土砂降りの映画ではない。犬と猫の戦争映画である。言い過ぎた。人間と共生していこうとする犬族と、人間も倒して世界制服を企む猫族の抗争を描いた問題作である。言い過ぎた。こいつら人間の言葉も喋ります。んで大抵の場合、こういう映画では、犬猫の世界で勝手に物語が完結していて、人間は犬や猫が喋るなんてことに気づきもしないで平穏に過ごしていくんだけど、このアホ映画も最初はそうだけれど、だんだんヤバくなってきてそのうち猫が人間を拉致しちまったりして、ともかくくだらねぇ〜。いや、まあ、ほんまにくだらねぇ〜ったら。くだらねぇけれど何故か金返せ!と言えない気分なのは、犬がかわゆいからなのか。猫も猫をかぶっているうちはかわゆいのだが、CG混ぜてやたら悪辣な猫軍団にしたてあげられて、変身後のグレムリンみたいになっちまってなあ。犬好きには見逃せない映画だし、国際愛猫協会から苦情が出そうな映画だし、だからと言って見ないと損するような映画でもないし、見ても損するかもしれない映画だし、まあ、とりあえず犬がかわゆい。世界はどっちの肉球に!

キャッツ&ドッグス:オフィシャルサイト

(2001/10/15)これは戦争である

 アメリカがアフガニスタンに空爆を開始して1週間ほど過ぎた。テロの犯人ウサマ・ビンラディンさえ処分できればいいのだが、ブッシュは『これはテロではなく戦争だ』と言った。そして空爆。戦争となれば相手は『犯人』ではなく『敵』だ。戦争に於いて、敵が反撃(報復)に出るのは当然であり、どちらかが敗北するまで戦いは続くことになる。戦争自体が狂気であるならば卑怯も非人道的も糞も無くなる。アメリカは戦場をアフガニスタンに決めたが、敵が反撃をする場合の戦場はアフガンであるとは限らない。相手の隙をついて攻めるのが戦争である。敵はどこに出てくるのか。もうこうなってしまっては『報復テロ』とは呼べない。細菌兵器テロも自爆テロも全て『敵の反撃』である。どんな手を使ってでも勝たなければ戦争する意味は無い。そしてビンラディンはどんなことでもする敵である。既に炭疽菌のついた郵便物などが世間を震撼させている。これがビンラディン派の仕業なら保険金も支払われなくなる。ブッシュは自ら、世界の危機の扉を開いてしまったのだが、戦争を始めなかったとしてもテロは続いただろう。こうなれば一刻でも早い終結を願うしかない。

(2001/10/14)ターン

 牧瀬里穂主演の世にも奇妙な映画。交通事故に遭った主人公真希が、前の日のその時間に戻ってしまう。めでたしめでたし、では映画にならない。次の日になってもまた同じ時間に同じ所に戻ってしまう。どうどう巡りの始まりである。真希が同じ時間をうろうろしている間に、他の人たちは先に行ってしまうので、その世界は真希以外に誰もいない世界であった。事故に遭う前の時間に逆戻りするアイディアは以前からあるので、それほど珍しくも無い。『時をかける少女』と似たようなネタである。その出来事だけでもう充分に不可思議な状態なのだから、あとは何が起こってもおかしくない。この映画では孤独に彷徨う真希の所に電話がかかってくるという大事件?から話が広がり始める。ひとりぼっちなのだから当然とはいえ、始まりから終わりまで淡々とした静寂を感じさせる映画である。主人公真希も、誰もいないレジに律儀に代金を置いていくような静かな性格の女性なのだ。終了後に牧瀬里穂、北村一輝、平山秀幸監督が来て舞台挨拶をしていた。

ターン:オフィシャルサイト

(2001/10/07)陰陽師

 夢枕獏の小説から、絶大なる人気を得て、ブームになってしまった安倍清明。占いブームだか物の怪ブームだかなんだかかんだか。陰陽師といえば京極堂が思い浮かぶが、あっちは心の憑き物落としで、実際に妖怪は出てこない。こっちは本物の妖怪がわんさかわんさか出てくる。レナウン娘並みである。いきなり陰陽師もわんさかわんさか出てくるとは思わなかったが。もともとそういう話は好きだから、こういう映画も好きである。安倍清明役の野村萬斎って人、清明の妖しさを醸し出しているようだが、この映画では妙にヘラヘラした演技をしているので、清明がペテン師みたいに感じるのは俺だけか。博雅役の伊藤英明は半ボケ入っていて面白いが、線が細くてちょっと弱弱しい。博雅はもうちょっと豪快なほうがいい気がするのは俺だけか。悪役の真田広之は申し分なく悪い奴だと思うのは俺だけか。小泉今日子の五郎はそろそろあれだなと思うのは俺だけか。

陰陽師:オフィシャルサイト

(2001/10/06)トゥームレイダー

 アンジェリーナ・ジョリー主演、人気ゲームの映画化、近頃、流行ってるねえ。トレジャー・ハンターのララ・クロフトの冒険活劇、パターンはハムナプトラみたいなもので、怪しげなアイテムを手に宝の眠る場所に赴いて、謎解きをすると妙ちきりんなモンスターが、わぁ!っと出てきてさあ大変♪どじょうが出てきてこんにち・・・どじょうは出てこない。ルーツがゲームだからこのパターンは当然といえば当然で、あとはいかに驚くべき謎であるのか、どんな凄いことが起こるのか、どんな敵が現れるのかが勝負。惑星が直列した瞬間にどじょうが出てきてさあ大変・・・どじょうは出てこない。だいたいいい感じだけど、守り神だかなんだか知らんが、ちょっと滑稽で情けないのが乾いた笑いを誘う。アンジェリーナ・ジョリーのセクシーショットに免じてOKとしよう。しかしアンジェリーナ・ジョリー、強いヒロインだからといって、やたらと自信満々で終始ニヤけているのが困りものだ。ハンソロを思い出してしまった。ポスターはかっこいいんだけどね。

トゥームレイダー:オフィシャルサイト


CREATE:10/06/2001 by Kiyoharu Otake

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