あとがき・・・かな。

判る人には判るけど、判らない人にはほとんど判らない、この「技術解説」に永らくお付き合い頂きまして有り難うございます。

これで、私の中の「久遠の絆」も、やっと引き出しに仕舞えそうです。


マスターアップまで、眠れずに考え込むことが多かったですが、CDがリリースされて色々なお客様の意見をお聞かせいただいて、また考え込むことが増えました。
感想のメールを色々な方から頂きました。色々示唆に富む意見を伝えていただけたことは、良い経験になりました。

最初に予測していたアレンジについての「好き嫌い」の意見はありませんでした。少し悪ノリして作ったアレンジも素直に楽しんで頂けたようで、内心ほっとしました。


音質に関しては様々な意見を頂きました。当初最も心配していたノイズや音飛び等の報告はありませんでした。ヘッドホンで相当の大音量で何度もチェックしたので、「無い」はずなんですが、CDにプレスしたものをチェックする機会がありませんでしたので、商品が出回るまで、非常に心配しました。そういう問題が発生しないで良かったと思います。

音質が固い、柔らかい、低音が大きい、小さい、様々な感想を読ませていただきました。
相反する意見も見受けられたので、非常に混乱しました。
日記に書いた「原音の無い時代」について、何度も考え直しました。
音楽というものを良心的に作るとはどういう事なんだろうか・・・何度も考えました。

結局ゴールデンウィークが明けるまで、ずっと考え込んでいました。
寝床についても、ずっと考えていました。


で、眠れないで迎えた朝、ふと「右からは右の意見、左からは左の意見」と呟きました。
その時、あ、当たり前かも・・・と思いました。

自分はできるだけ様々なお客様の真ん中に立とうと考えていたのではないか。じゃ、右からも左からも意見が返って来るのは当たり前じゃないか。

サントラについて、色んな人の意見を聞きまくったのは、右なら右、左なら左に偏ることを非常に恐れたからじゃなかったっけ。

もし、右に寄りすぎていたら左寄りの意見が沢山寄せられるだろうし、左に寄りすぎてたら右寄りの意見が寄せられるだろう。相反する意見が寄せられるのは、中庸であろうとした以上当然。中庸だから意見が無いという世界は独裁者の世界かも・・・と。

そう考えて、少し楽になりました。

やっぱりこれからも、結局様々な環境でチェックして、「どれでも合格点」の範囲になるまでやり直して・・・それしか方法はない。ずっとそうやって仕事をしよう。そういう決心ができました。

色々考え込んだ結果を次回の仕事にフィードバックすべく、最初にも書きましたがやっと「久遠の絆」を机の引き出しに仕舞えそうです。


サントラ作成時に意見を聞かせて下さった方々、サントラ掲示板に、感想を書いていただけた方、色々なご意見のメールを頂いた方、チャットで意見を聞かせていただいた方・・・すべての方に感謝いたします。
風水嵯峨 拝

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