久遠の絆サウンドトラック「技術」解説の序文

って、そんな真面目になるもんでもないんですけど。

最近楽器屋で色々教えてくれるにーちゃんも減ったし、でもそういうにーちゃんには色々教わったなぁということで、えー機会なんで、教わった分、次の世代に恩返し・・・と思ってもらえると、気楽でいいですね。

これから、久遠のサントラを作るときに考えたこと、技術的なこと、参考になるかどうかは判らないけど、聞いておいて損はないこと、を44回繰り返そうかな・・・というわけです。

多少、サントラのライナーノーツとカブる部分もありますが、あっちは技術的に「ヲ」な事を書く訳にはいかんという制約がありまして・・・・。

まぁ、読むにあたって以下のことをアタマに置いといて下さい。
  1. 音楽はあくまでも、個人の好みの問題なので、定石はありますが、破るときもあります。
  2. 読んでいて、解釈が違った場合、あなた個人の解釈を大事にして下さい。それがあなたの個性です。
  3. 時間はオカネで買えるご時世です。私のやり方は時間はあるけどオカネが無い人間のやり口です。
でわでわ。

・・・で、久遠のサントラとゲーム版の「一番大きな違い」はリズム隊の扱いです。
CDが一般的な流通形態になってから、ノイズの心配が無くなったので、リズム隊はタイトに立ちまくるのが、一般的なんですが・・・。
「ゲーム中に立ちまくられると聴いててしんどいでぇ」という事情がありまして。

目の前に可愛い万葉がいるのに、さらにその前にしゃしゃり出てきてドカスカドラムを叩いている兄ちゃんの姿、思い浮かべたくないわい・・・個人的な意見ですが。

で、意図的にリズム隊、バックに溶かしてます。

悪意的な取り方をすると、リズム隊のディレイ・リバーブの取り方が甘い・・・と。

この辺り、MIDI系で耳コピした人、泣かされたクチですな。

ただ、このミキシングには副作用がありまして・・・。

コンポのステレオのようなスピーカーの間がある程度以上離れたリスニング環境で、サラウンド掛けたら、リズム隊がボケボケになる。

CDオンリーの場合は、これはマズいです。

ということで、サントラはリズム隊のミキシング、完全にやり直してます。

おかげさまで、シンバルピシピシ、バスドラドスドス、ベースもプリプリという状態になりました。

これが「ゲーム版と違っててヤダ」という人はサラウンドスイッチ入れて下さい。
ゲーム版っぽい音になります。

後、空間の考え方も少し変えました。

ゲーム版では、オーケストラの中で和楽器が「浮く」のが怖かったので全部の楽器が同じホールにあつまって「せーの」という考え方をしてたんですが、どうしても各音のネライが薄れがちになるんですね。

和楽器の打楽器は、静かな山野奥深く大きな木造建築の中でカウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンみたいに余韻を大事にしたいですし、オーケストラはもっと、厚みがある余韻が欲しい。

それで、ある程度オーケストラ系と和楽器系の処理を分けてみました。

いわば、「異なる空間をヒトツにフュージョンした」感じなんですが、結果的にそちらの方が、個々の楽器が生きて良かったと思います。

まぁ、そんなこんなで色々とモガいてみました。

解説を読んで「をを、そうか」と解脱する人あり、「けっ、たいしたことねーじゃん」と思う人ありだと思いますが、酔ってても真面目に書いていきますので、『参考になりそうな事だけ』覚えていって下さいませ。

風水嵯峨 拝

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