PC UNIXの起動と起動ファイルの解読

YAMAMORI Takenori ●yamamori

§「起動処理の概要」

LinuxやFreeBSDなどのUNIX系OSにおけるOSの起動処理とは, PCの電源を入れてから「login:」のプロンプトまたはxdm系のグラフィカルログインの 画面が出るまでの処理であると言ってよいでしょう. PC UNIXの起動画面の様子を下の図に示します. 画面はVine Linux 2.1.5での例です. OSの起動処理は,下の図で次の4つの段階に分けて考えることができます.


●図 PCの電源投入時(どんなOSでもこの画面から始まる)
〜電源投入からブートローダ読み込みまで〜(起動0%〜5%)
poweron-bios.gif


●図 ブートローダの起動(図はグラフィカル表示のLILO)
〜ブートローダからカーネルの読み込みまで〜(起動5%〜10%)
lilo-s.gif


●図 OSの起動(図はVine Linux)
〜カーネルの起動から/sbin/initの起動まで〜(起動10%〜50%)
〜/sbin/initの起動からログインプロンプトまで〜(起動50%〜100%)
boot-linux.gif

ここで,上のOSの起動の画面上では一連のメッセージが連続していますが, この途中にはrootファイルシステムのマウントという, ひとつの大きな区切りがあります. 画面に出力されるメッセージは,rootファイルシステムのマウントまでは, カーネルから直接コンソールに出力され, rootファイルシステムのマウント後,initが起動された後は, /dev/consoleを通して出力されるようになります. なお,この例ではinitrdを使用しているため,rootファイルシステムのマウントは 2回行なわれており,起動の様子はもう少し複雑になっています.
(コラム「Linuxのinitrdについて」参照)

FreeBSDの場合は,ブートローダまでの段階では, テキストはコンソールにグレーの文字で表示され, カーネルの起動の段階で明るい白の文字に変わり, initの起動の段階で再びグレーの文字に変わるため, 区別がつきやすくなっています.

それでは,これらの段階を追ってOSの起動について見て行きましょう.


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このページは、技術評論社 「SoftwareDesign 2001年9月号、『起動ファイルから解読するPC UNIX』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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