ここはパーツの形状によってはハンダ付けしづらい所です。
この作例では,整流用ブリッジ,ラグ板はすべてシャーシの側面にネジ止めしています。
まず,整流用のブリッジは四本端子が出ています。
端子,もしくは端子の根本をみると「〜」が2個所,「+」「-」と印があると思います。「〜」同士は対角線の位置にあると思います。「+」「-」も対角線になっています。
印が無い場合は,端子の内の1本が他と形状が違っていたり,位置が隅の方ではなく,中心よりに付いていたりするともいます。この,ほかの3本とは違うものが「+」です。その対角線が「-」のこりか「〜」になります。
端子の形状が針金状のものは切りつめてはいけません。これが放熱の役目を果たしています。しかし,ハンダ付けは先端の方にするので,ショートする可能性もあります。ハンダ付けする部分をのこして,下の方は,念のためにACコードを向いたビニールの被覆を差し込んで置いてください。この時,くれぐれも芯線が残っていないように注意してください。
(先ほどのヒーター端子とハムバラにつけるセメント抵抗の線にも,不安な時はこのような処理をしてください)
さて,「〜」へは電源トランスの0Vと15Vからの配線をハンダ付けします。針金状の端子だと配線コードの芯線を巻き付けてその上からハンダ付けしてください。次に電源トランスまでシャーシの隅を引き回していってください。
0Vと15Vどちらをどの「〜」につないでもかまいません。
なお,整流用のブリッジはシャーシにネジ止めすると放熱してハンダ付けが難しくなるので,ハンダ付けをするときは,シャーシにとめないか,かるくねじを通しておくくらいにしてハンダ付けしてください。
コンデンサーや抵抗を直接ダイオードにハンダづけするのが難しそうなら,ラグ板使ってハンダづけしてください。
ヒーターチョークの端子には「1」,「2」と書いてありますが,無視してかまいません。向きは関係ありません。
チューブラ型だと図の用に,また,ブロック型だとコンデンサーのリード線がたらないかもしれませんので,そのときはヒーターチョークの端子がシャーシの壁に近づくように反対につけてください。
佐久間さんの回路図では,0.1Hのチョークで整流していますが,このまま製作すると,60ヘルツの地域では,845ヒーターの電圧が高くですぎてしまいます。
そのため,セメント抵抗4本を並列に繋いだものを追加して,電圧調整をおこないますが,使用しいてるコンデンサーの値などでも電圧は大きく変わりますので,何オームを挿入すればよいのかアンプによってケースバイケースです。
ヒーター電圧は少し低い目のほうが真空管のためにも良いのですが,低すぎると逆に真空管を痛めます。9Vから10Vくらいにおさめます。
セメント抵抗4本のリード線を,ごく軽くねじってたばねてください。ハンダ付けしやすいように捻るだけで,抵抗自体をくっつける必要はありません。ラグ板2枚で抵抗をはさんでください。抵抗とラグ板はぴったりくっつけないで余裕をもって付けてください。なお,ラグ板の端子の一枚はシャーシにアースされますので,それは使わないようにしてください。また配線もその端子に触れないように。心配でしたら,この端子を切るなり折り曲げるなどしてください。
複数のセメント抵抗を使用するのが面倒な場合は,20Wくらいで,低抵抗値の可変抵抗等を利用することもできます。
なお,整流用ブリッジとセメント抵抗の間にはコンデンサーが入ります。
このコンデンサーの容量やメーカー等で電圧は大きく変化します。
電源トランスと整流用ブリッジの間の配線は良く捻って,シャーシのすみを這わしてください。
整流用ブリッジのプラスとマイナスは間違えないように注意してください。
プラス側からラグ板の端子へ配線します。
その端子には,セメント抵抗の4本の線と,電解コンデンサーのプラス側の足がハンダ付けされます。
この電解コンデンサーのマイナス側の足は,整流用ブリッジのマイナスにハンダ付けされます。また,この整流用ブリッジのこのマイナス端子には,845ソケットへの0V(マイナス)の配線コードもハンダ付けされます。
整流用ブリッジのマイナス端子と電解コンデンサーのマイナス側のハンダ付けが難しそうなら,どこかにラグ板ともうけて,整流用ブリッジのマイナス側からラグ板へ配線し,そこへソケットへの0Vの線と電解コンデンサーのマイナス側をハンダ付けしてもかまいません。
回路図どおりになっていればよいので,ハンダ付けの前にコンデンサーや整流用ブリッジをあててみてハンダ付けしやすいように位置を決めてください。
前ページの図2では整流用ブリッジが下の方に付いていますが,ヒーターチョークの近くに持っていってもまったく問題はありません。
さて,抵抗の反対側の線は,ヒーターチョークの端子への配線とラグ板でハンダ付けされます。
ヒーターチョークへのプラスの線と0Vの線はかるく捻っておいてください。
ヒーターチョークのそれぞれ端子には電解コンデンサーのプラス側がつきます。マイナス側はラグ板へハンダ付けします。ここには整流用ブリッジのマイナス側からの線と845ソケットの0Vへいく線もハンダ付けします。
このラグ板からソケットの0Vへいく線と,ヒーターチョークからソケットの10Vへ行くプラスの線とはかるく捻って,シャーシの隅をはわせてそれぞれソケットの端子へハンダ付けしてください。
配線が終わったら整流用ブリッジをネジ止めします。
発熱が大きいので,シリコングリスをシャーシとのあいだに薄く塗ってください。
秋葉原でたずねてみてください。なお,グリスはほんの薄く塗る程度で結構です。小さなチューブを買えば十分です。
終段の交流点火のハムバラを100Ωから,20〜30Ωのセメント抵抗と30Ω位のハムバラを組み合わせたものに交換すると,ハムの調整がしやすくなります。
845ソケットのヒーターの端子にはセメント抵抗(20〜30Ω)を付けるので,ハンダ付けの手順は,ソケットにセメント抵抗の線を巻き付けてハンダ付け,次に電源トランスからの配線をハンダ付けします。0V側が長くなるので,最初に10V側をハンダ付けすると,0V側のコードを焦がすことがなくてすみます。ソケットへのハンダ付けが終わったら,シャーシの隅を這わせて電源トランスまで配線してください。
電源トランスの10Vは2個所ありますが,どちらをどの845に繋いでもかまいません。
セメント抵抗はハムバラへ繋ぎますが,最初にカソード抵抗へのコードを,ハムバラの真ん中の端子へハンダ付けすると後のハンダ付けがやりやすくなります。
セメント抵抗も最初にハムバラにハンダ付けしてからシャーシに付けた方がいいかもしれません。
セメント抵抗の線はハムバラのところで折り曲げて,しっかりとハンダ付けしてください。
ここは音声信号が流れますので,丁寧な作業が必要です。
セメント抵抗はソケットの端子とハムバラの間に空中にういたような感じになります。2本の抵抗はぴったりとくっつける必要はありませんが,近づけておいてください。
なお,ソケットから抵抗までの線は切り詰めなくてけっこうです。抵抗とハムバラの間は適当な長さにしていただいてけっこうです。
ハムバラからカソード抵抗への配線はプレート側から回り込んでください。長くなってもかまいません。
カソード抵抗は大きいので,ハンダ付けは抵抗の端子を十分熱し,ハンダ付けメッキ(先にハンダだけ付けて,端子全体をハンダが覆うようにしておきます)して置いてください。
カソード抵抗には,後で,カソードコンデンサーが付くので,配線は端子に巻き付けて置いてください。巻き付けると行ってもU字になるくらいで十分です。
なお,図では,ドライバーのヒータも終段と同じように,セメント抵抗を使用していますが,実際に製作してみると,0.1Hを使用したDC回路では,100Ωのハムバラだけで十分でした。