三学院

さんがくいん

仁王門と本堂
金亀山極楽寺と称し、真言宗智山派。 本尊は平安中期の慈覚大師作と伝えられる十一面観音。 天正十九[1591]年11月寺領二十石寄進の朱印状を与えられ、 幕末まで蕨宿内に寺領を持っていた。

六地蔵
参道の中央の山門前左側に六地蔵がある。 向かって右から3番目の石仏を除いて、銘は寛永元年から正保二年の江戸時代初期約20年間にわたっているが、 これは造立時ではなくそれぞれの法名に対する没年を示している。 様式から見て、3番目の石仏は寛永年間、他は元禄年間の造立と推察される。

梵字馬頭観音塔
同じく参道中央の右側に馬頭観音塔(左側)がある。 塔身正面に梵字で「ナム・カャグリーバ」(南無・馬頭観世音)と陰刻されている。
銘文から、江戸時代後期、寛政十二[1800]年2月に小宮忠次郎、徳丸馬右ヱ門が世話人となって、 蕨宿の馬持講中によって宿場の安全息災を祈って造立されたものであろう。
また、三学院が足立板東札所二十番であることを示している。

子育地蔵
この地蔵尊は元禄七[1694]年に三学院の中興第十一世秀鑁[しゅうばん]の勧進によって造立された。 身丈七尺余りもある石仏で、作者は江戸浅草橋の石工、紀国屋平兵衛である。
初めは中山道の三学院入口角にあったが、明治元年、明治天皇の氷川神社行幸の折りに、 参道の中ほどへ移され、さらに昭和二十三年、現在の仁王門前に安置された。
子育て、火伏せ、開運に霊験あらたかとして信仰を集めている。 毎月四の付く日が縁日で、八月二十四日には大護摩が執り行われ大勢の参拝者で賑わう。

参考:蕨市教育委員会案内板

(1999.8.5)


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