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巨龍の出てきた日 |
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瘴気あふれる密林の奥深く、黒い沼が、密やかにうずくまっていた。
龍をトーテムと崇める部族は、旧き沼を「ダーナの淵」と呼ぶ。
その日、部族の娘アニタが、一人、沼の水で肌を洗い清めていた。
自らが生け贄となる運命も知らず・・・
昼なお暗い樹上では、異界に住むものの双眼が彼女の全てを見つめていた。
やがて異形のものが、娘の前にその姿を現わす・・・・
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「ジャングル」より「密林」て書く方が何か出そうな感じがしませんか?
登場人(?)物は巨龍ダーナと褐色のアニタ。
ダーナというのは、「少年ケニヤ」に出てくる大蛇の名です。
この山川惣治氏の傑作絵物語は、さすがにジジイの私もリアルタイムでは見
てないのですが、小学生の頃叔父の本棚にあったカラー版の「恐竜の谷の巻」
を見て欲しくて欲しくてしょうがなかったのを覚えてます。
騙し取ろうと色々画策したのですが、成功しないうちに疎遠となってしまい
ました。
最近文庫で復刻されたのを見ましたが往時の感激は戻ってきませんでした。
以来、「大恐竜展」の類は必ず行く子になったのですが、画集で見た恐竜で
すごいと思ったのは、やはりMr.フラゼッタと荒木一成氏(こちらは造形です
が)です。
恐竜と言えばロッホネスの怪物=ネッシーですけど、結局、アマチュア写真
家のいたずらという、文字通り竜頭蛇尾の結末に終わりました。
世界中の恐竜ファン(と言うのかどうか)はがっかりしたと思うですが、筋
金入りのマニアはその位じゃあきらめないらしいです。
「シャーロックホームズの冒険」という素敵な映画にもネッシーは登場し、
ここではその正体は潜水艦でした。
日本の映画で恐竜が出てくるというのは「ゴジラvsキングギドラ」のゴジラ
ザウルス以外あまり記憶になく、日本の着ぐるみというのは怪獣なら許せて
も、実在した生物をやるというのは、やはり無理なんでしょうね。
ですから、ハリウッドはハリーハウゼンのダイナメーション(コマ撮り)技
術での作品などをビデオやTVでチェックしましたね。
恐竜だけでは映画にならないので、人間も登場するのですが、それには4つ
のパターンがあるようです。
(1)タイムマシンでジュラ紀や白亜紀に行く
(2)他の星に行くとそこはまだ恐竜の支配する時代だった。
(3)恐竜の生きていた時代になぜか人間(原始人)もいる。
(4)秘境に生き残っていた恐竜が現れる、または人間が見つける。
SF小説でおなじみの(1)のパターンは映画ではあまりないみたいで私は知
りません。
(2)は(1)の変形ですが、これも見てないですね。
わずかにカレル・ゼーマンというチェコの監督の「彗星に乗って」(題名は
アヤフヤです。以下同じ)で観ましたが、特撮ともいえないようなショボさ
でした。映画はイイんですけど。
無茶苦茶な設定の(3)は結構あるんですね。
原始人という設定で無理なく(?)ハリウッド美女を半裸にできるからでしょう。
代表作はやはり、登場する恐竜の数も多いしラクェル・ウエルチのボデイが
見事な「恐竜100万年」でしょうか。(なんで100万年なんだよ〜)
「恐竜時代」は「恐竜100万年」のまるっきりパクリみたいですが、女優さん
はイイっす(^v^)元々イギリス映画でヌードの水浴シーンがあったらしいので
すが、アメリカではカットして上映され、私がTVで見たのはこの版なのです
ね(TT)
ビートルズのリンゴ・スターとボンドガールのバーバラ・バックが主演なん
てのもありました。(題名思い出せませんが)
(4)の秘境ものでは「キングコング」の恐竜との格闘シーンもいいのですが、
「恐竜グワンジ」というカウボーイが馬と投げ縄でティラノザウルスと戦う
怪作が面白かったです。
ヴェルヌ原作の「地底旅行」(邦題「地底探検」)は配役はジェームス・メ
イスンとパット・ブーンという豪華版なのに、恐竜の特撮は本物のイグアナ
やトカゲに造り物のひれをつけただけという涙がでてくるようなしょっぱさ
でした。
90年代も後半に入って上記のパターンに5つ目が加わりました。
もちろん(5)バイオテクノロジーで恐竜を蘇らせる、ですね。
「ジュラシックパーク」や「ロストワールド」は素晴らしかったのですが、
CGの恐竜はあまりにもリアルで、無骨なミニチュアコマ撮りの恐竜たち
がなんとなく懐かしく思い出されるのでした。
一つ忘れてました。NHK教育TVでやってた「恐竜家族」は面白かったで
す。表情がすごい。
最後に、ディズニー「ファンタジア」の「春の祭典」の章の草食恐竜デュプ
ロドクスのスケールの大きさの表現は「ジュラシックパーク」を上回ってる
と思います。