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浮気の相 |
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あっさり塗りの浴衣美女、ポーズ、タイトル等は喜多川歌麿の同名の浮世絵からいただいてます。
顔は目鼻立ちを自分流に描いて婀娜っぽさとか粋な感じが出せればと思ったのですが・・・・・難しいですね。
登場人物は、高島屋おひさ、16歳。
実在の煎餅屋の看板娘で寛政三美人の一人。
「浮気の相」のモデルかどうかははっきりしませんが、歌麿が良くモデルにした人なので、名前を拝借しました。
浮世絵というのは前から興味があって好きでしたが、浮世絵に描かれている「美女」たちは20代半ばぐらいの印象を持ってたんです。
ところが解説を読んだりすると、16歳ぐらいなんてのが多いんですね。
たしかに、江戸時代なんて大体18ぐらいで嫁に行き、20過ぎると年増よばわりされてますから、絵に描かれてる人が20過ぎてたら既婚だからみな歯を染めて眉剃ってるはずでした。
そして江戸の町娘たちは結構自由で、15〜6歳の頃に遊びまくって男知らずで嫁に行くのは珍しかったらしいですから、ほとんど渋谷系の女子高生と変わりゃしませんね(って渋谷系の女子高生がそうなのか知りませんが(^^;)
で、浮世絵の話ですが。
ちょっと前までは浮世絵の画集で春画が出てくると、一部いまわしき修正がされていましたね。ぼかし、白丸・・・etc.
あたしゃ好事家じゃないですから浮世絵にお目にかかれるのはたまの展覧会か画集しかないんだから、そりゃないと思います。
大体浮世絵は贅沢品とされて睨まれてたんで、豪華な色刷りとかはむしろ地下出版である春画に多いというのを聞いたことがあります。
日本が世界に誇る文化を外国に行かなきゃ見られないとは、なんて恥ずかしい。
それに、そこだけ見たいわけじゃないけど(ホントよ(^^;)隠されてると、どう描いてるのか気になるじゃないですか。
最近無修正のが大分出版されて、やっとどうなってるのかわかったんですが、・・・いやあ、デフォルメって言うんですか?みんな樹齢1千年みたいなのばっかりなんだもんなあ。
これじゃ外人さんが「ウタマロ」って誤解するはずだよ。
まあ、もう日本人はどしどし海外に行ってるし、いろんな国の人も沢山来てるし、そんな誤解はとっくに過去のものなんでしょうけど、誤解の解ける瞬間てのを想像すると、ちょっと情けないものがありますね。
でも、木版の技術は凄いです。髪や陰毛なんて、どうやったらこんなに細く彫れるの?って思います。しかも凹版でなく凸版ですから、毛の部分を残す
ように彫るんだから、ちょっと想像を絶します・・・アナログ恐るべし。