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ビーグルIII世号シリーズ:←前のエピソード | 次のエピソード→
ガラティア |
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−太陽系外第2期調査船ビーグルIII世号当直員たちの暇つぶしの噂話−
いかがわしい場所からつてをたどると、違法の女性型アンドロイドを天才的技術で造る世捨て人の科学者を紹介してもらえるそうだ。もちろん法外な料金+法外な手数料を取られるそうだが。
いつやらの時代、どこやらの星。
怪しき工房?でマニピュレーターを操るのは、ドクター・マリオ。元祖人形愛ピュグマリオンの末裔にして典型的マッドサイエンティスト。名高き先祖ピュグマリオンに習い、造っているのは女性型アンドロイド『ガラティア』。
ピュグマリオンは神に祈ってガラティアに生命を授けてもらい、純愛を実現したわけだが、子孫たるドクター・マリオは、もう少し生臭そうである。神聖な制作現場を観客に見せたりして、どういうつもりなのであろうか。観客ではなく、「クライアント」なのか。工房であると同時に、ここはオークション会場なのであろうか。先祖伝来の伝統ある名前『ガラティア』も、ドクターにとっては単なる「商標」に過ぎないのだろうか。
──2400年08月01日 二級整備士ナタナエル・ホフマン談
◆『ガラティア』のディテール 163KBytes