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2004-01-03
takes062
斉天大聖孫悟空

私たちは自分のことを堕ちた天使と考えたがるが、実は舞い上がった猿なのである。

──デズモンド・モリス

干支(えと)(さる)だから孫悟空というあまりに安易な発想ではありますが、それは別として西遊記が大好きなのはたしかである。

最初の出会いは子供の頃に買ってもらったダイジェスト版だ。その後漫画も含め、色々な『西遊記』を読んだが、やはり岩波文庫の全訳版(小野忍/中野美代子訳)が一番面白い。ただし、後半は同じような話の繰り返しでいささかだれるのが難と言えば難。もっともその繰り返しにも道教の数秘学的意味があるらしい。そのへんは中野美代子西遊記』(岩波新書)に詳しい。

漫画だったら諸星大二郎の『西遊妖猿伝』が図抜けている。早く第二部が始まらないものか。他には小池一夫/小島剛夕版のエロさも捨てがたいがこれも後半がだれる。手塚治虫の『ぼくの孫悟空』は別格。『ドラゴンボール』は面白いが西遊記とは言えないだろう。

孫悟空のキャラクタ自体は、三蔵法師の弟子になって西天取経(さいてんしゅきょう)に出かけてからより、その前、天上界で桃を盗み食いしたり八卦炉(はっけろ)をぶち壊したり、やんちゃしてる暴れん坊時代が大好きだ。今だと朝青龍みたいな感じか。

京劇だと『大閙天宮(おおいにてんぐうをさわがす)』なんていう題名になってるあたり。絵はその時代の悟空をイメージしているのだけど、頭の輪っか(緊箍児(きんこじ))を描かないと悟空らしさがでないしヘアスタイルにも似合う。だから考証的には五行山(ごぎょうざん)禁固刑以後西天取経途中ですな。残念。

男子百景のラフスケッチ

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