1.1.2 1列車 東海道・山陽・九州

東海道・山陽・九州
日本の大動脈である東海道・山陽線。「特別急行」の種別ができる前から主要列車に「1」の列車番号が与えられていました。
1906年4月に「最急行」の種別が設定された際に、この列車番号は「1」でした。この列車が1912年6月に下関まで延長され、最初の「特急」となりました。1929年9月にこの列車に「富士」の愛称が与えられました。
1942年11月に関門トンネルが開通すると、「富士」は長崎まで延長されますが、戦争激化により1943年10月には博多までに短縮され、1944年4月には廃止となってしまいます。

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1906/4〜最急行(新橋〜神戸)最急行(神戸〜新橋)
1912/6〜特急(新橋〜下関)特急(下関〜新橋)
1914/12〜特急(東京〜下関)特急(下関〜東京)
1929/9〜富士(東京〜下関)富士(下関〜東京)
1942/11〜富士(東京〜長崎)富士(長崎〜東京)
1943/10〜富士(東京〜博多)富士(博多〜東京)
1944/4〜なしなし

「富士」の廃止後も、「1」列車は東京〜下関・九州間の急行列車として一時期を除き走り続けます。1949年9月に「へいわ」が特急として復活した際も、「1」は急行につけられていましたが、1950年10月から、「つばめ」が「1」を名乗るようになります。約10年間この状態が続きますが、1960年6月に「つばめ」が電車化された際に、再度「1」列車は消滅します。

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1950/10〜つばめ(東京〜大阪)つばめ(大阪〜東京)
1960/6〜なしなし

1961年10月に特急を大増発した際、電車は「M」、気動車は「D」が付与されるようになり、「1」「1D」「1M」がそろって運転されるようになります。「1」は東京発ブルートレインの一番列車「さくら」、「1M」は東京発電車特急の一番列車「第1こだま」、「1D」は関西発気動車特急の一番列車「かもめ」が名乗ります。
1964年10月に東海道新幹線が開通すると、東海道線の昼行特急はなくなり、「1M」は関西発九州行の電車特急の一番列車が名乗るようになります。以降、ダイヤ改正ごとに充当列車は変更になりますが、多少の例外はありつつ「1D」「1M」が引き継がれていきます。
例外だったのは、1965年10月から「1M」が欠番となっています。これは、「みどり」の電車化を見越して空けておいた可能性があります。また、1973年10月時点の気動車一番列車は「日向」でしたが、「1D」は「かもめ」につけられています。こちらも「日向」を1974年4月の電車化を見越して別の列車番号としていた可能性があります。

121D2D1M2M
1961/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)かもめ(京都〜長崎)かもめ(長崎〜京都)第1こだま(東京〜大阪)第1こだま(大阪〜東京)
1964/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)かもめ(京都〜長崎)かもめ(長崎〜京都)つばめ(新大阪〜博多)はと(博多〜新大阪)
1965/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)いそかぜ(大阪〜宮崎)いそかぜ(宮崎〜大阪)
1967/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)いそかぜ(大阪〜佐世保)いそかぜ(佐世保〜大阪)みどり(新大阪〜大分)みどり(大分〜新大阪)
1968/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)なは(大阪〜西鹿児島)なは(西鹿児島〜大阪)みどり(新大阪〜大分)みどり(大分〜新大阪)
1972/3〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)なは(大阪〜西鹿児島)なは(西鹿児島〜大阪)みどり(大阪〜大分)みどり(大分〜新大阪)
1973/3〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)なは(大阪〜西鹿児島)なは(西鹿児島〜大阪)みどり1号(大阪〜大分)みどり2号(大分〜新大阪)
1973/10〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)かもめ(京都〜長崎)かもめ(長崎〜京都)なは(大阪〜西鹿児島)なは(西鹿児島〜大阪)

1975年3月に山陽新幹線が全通すると、山陽線の昼行特急が全廃され、「1」の「さくら」のみという状況がJR移行後まで長く続きます。

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1975/3〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)

17年が経過し、1992年7月に九州で「有明」の西鹿児島発着列車の名称を「つばめ」に変更した際に、「つばめ」に「1M」からの列車番号が与えられました。ただし、当初は熊本〜西鹿児島の区間運転の列車があったため、「1M」はこの列車の列車番号となりました。
一方、ブルートレインは削減の一途をたどり、2列車の併結などで本数を減らしながら、東京駅の発車順に列車番号が付与されていきます。
「1」は2009年3月のブルートレイン全廃時、「1M」は2011年3月の九州新幹線全線開業時に使用されなくなり、10年以上1列車が存在しない状態が続いています。

121M2M
1992/7〜さくら(東京〜長崎)さくら(長崎〜東京)つばめ1号(熊本〜西鹿児島)つばめ2号(西鹿児島〜博多)
1994/12〜富士(東京〜南宮崎)富士(南宮崎〜東京)つばめ1号(熊本〜西鹿児島)つばめ2号(西鹿児島〜博多)
1995/4〜富士(東京〜南宮崎)富士(南宮崎〜東京)つばめ1号(博多〜西鹿児島)つばめ2号(西鹿児島〜博多)
1997/11〜富士(東京〜大分)富士(大分〜東京)つばめ1号(博多〜西鹿児島)つばめ2号(西鹿児島〜博多)
2004/3〜富士(東京〜大分)富士(大分〜東京)リレーつばめ1号(小倉〜新八代)リレーつばめ2号(新八代〜博多)
2005/3〜富士(東京〜大分)富士(大分〜東京)リレーつばめ1号(小倉〜新八代)リレーつばめ2号(新八代〜博多)
2007/3〜富士(東京〜大分)富士(大分〜東京)リレーつばめ1号(門司港〜新八代)リレーつばめ2号(新八代〜博多)
2009/3〜リレーつばめ1号(門司港〜新八代)リレーつばめ2号(新八代〜博多)
2011/3〜なしなし


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