2.2.2 同一都府県内列車 関東・甲信越

関東地方は、これまで東京を経由しない定期特急は存在したことがなく、必然的に同一都府県内列車は東京都内を走る列車となります。一方甲信越では新潟・長野が面積も広く都市が点在していることからそれぞれで県内列車が走っています。
東海地方については関東と同様に名古屋を経由しない特急が存在したことはありません。関東と違いホームライナー的列車が特急格上げされていないこともあり、県内完結列車は存在しません。

(1)東京都
都道府県の中で3番目に面積の小さい東京都ですが、「中央ライナー」「青梅ライナー」の特急格上げにより、都内で完結する列車が誕生しました。

列車名・区間運転距離本数
2019/3〜はちおうじ(東京〜八王子)
おうめ(東京〜青梅)
47.4km
56.0km
下り6本上り2本(土休日運休)
1往復(土休日運休)
2020/3〜 下り5本上り2本(土休日運休)
1.5往復(土休日運休)
2022/3〜 下り4本上り2本(土休日運休 下り1本は金曜のみ)
1.5往復(土休日運休)

中央線の特急車両が353系に統一されたことを機に、ホームライナーとして運転していて「中央ライナー」「青梅ライナー」特急に格上げし2019年3月に誕生しました。
当初の「はちおうじ」は下り6本からスタートしましたが、運行開始1年で1本を「おうめ」に変更して1本減少、さらに2022年にはコロナ禍もあり、1本廃止、1本金曜日のみ運転と本数を減少させています。

(2)新潟県
面積は第5位ですが細長い形をした新潟県では、新潟駅から東西両方向に県内完結列車が運転されていました。

列車名・区間運転距離本数
1993/3〜いなほ(新潟〜村上)60.7km2往復
1995/12〜なし
1997/3〜みのり(高田〜新潟)143.0km1往復
2001/12〜みのり(高田〜新潟)
みのり(高田〜長岡)
143.0km
79.7km
1往復
1往復
2002/12〜なし
2015/3〜しらゆき(新井〜新潟)
しらゆき(上越妙高〜新潟)
153.0km
146.7km
2往復
3往復
2022/3〜 2往復
2往復

東方向へは、1993年に快速を格上げする形で新潟〜村上間に2往復運転開始しました。しかしこの列車はわずか2年半で運転を終了しました。
西方向へは、長野新幹線開業直前の1997年3月に「みのり」を運転開始しました。長野新幹線開通後は、長野〜新潟を結ぶ列車も運転開始されましたが、2001年12月に廃止され、この際に県内列車が2往復となりました。しかし、2002年12月には快速列車に格下げとなり、いったん運行がなくなります。
運行を再開したのは2015年3月。北陸新幹線開業後の「北越」の代替と車両の更新を機に「しらゆき」として運転を開始しました。2022年に1削減されたものの、現在も4往復が運転を続けています。

(3)長野県
第3位の面積である長野県ですが、東京(上野・新宿)や名古屋とを結ぶ特急が頻繁に走っていることもあり、県内完結の特急列車運転の歴史は浅いものになっています。

列車名・区間運転距離本数
2023/3〜信州(塩尻→長野)
信州(松本←長野)
76.0km
62.7km
下り1本(土休日運休)
上り1本(土休日運休)
2024/3〜信州(塩尻〜長野)76.0km1往復(土休日運休)

もともとこの区間には2019年3月までライナー列車が運転されていましたが、189系の引退にともない普通列車化されていました。コロナ禍の乗客減少で車両に余裕ができたのか、この区間に2023年3月になって特急を運転開始しました。当初は上り下りで運転区間が異なっていましたが、10月からは上りも区間延長し、2024年3月からは正式に運転区間が上下統一となっています。


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