3.2.1 「スーパー」特急 北海道

北海道では、JR型の車両を用いた列車に「スーパー」を冠して在来型車両の列車と区別するケースが多く存在しましたが、一部例外もありました。列車愛称ごとに記載していきます。

(1)ホワイトアロー/カムイ
北海道の電車特急は従来の愛称の「ライラック」に対し、停車駅を絞った速達列車を「ホワイトアロー」を国鉄末期から運転していました。1990年9月にJR化後の新車である785系を導入した際に、速達列車の愛称を「スーパーホワイトアロー」としての運転を開始します。「スーパー」を冠しない「ホワイトアロー」はなくなり、停車駅の多い列車の愛称は「ライラック」となります。この時点では愛称の違いは停車駅によるものであり、785系を使用した「ライラック」も運転されていました。
1998年12月の改正では、785系を使用した「ライラック」が「スーパーホワイトアロー」に愛称が変更され、両者の愛称の違いは使用車両によるものとなります。2002年3月には785系の電動車比率を上げる編成変更が行われ、所要時間が同じまま停車駅の増加が行われ、停車駅は「ライラック」と同じになります。
2007年10月の改正では789系の投入、781系の引退により全列車が同性能での運転となり、愛称は「スーパーカムイ」に変更になります。この時点で「カムイ」は特急列車としては「スーパー」なしで運転したことがない愛称となります。
10年後の2017年3月の改正において、津軽海峡線から789系が転入して785系が本列車から退く際に編成により「カムイ」「ライラック」が分かれることになり、「スーパー」が冠されないようになりました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1990/9〜1998/12スーパーホワイトアロー785系停車駅(対応列車は「ライラック」)
1998/12〜2007/9スーパーホワイトアロー785系使用車両(対応列車は「ライラック」)
2007/10〜2017/3スーパーカムイ785系、789系(対応列車なし)

(2)とかち
札幌〜帯広間を結んでいた「とかち」はグリーン車なしの編成で運転されていましたが、1991年に二階建てグリーン車であるキサロハ182を組み込み、愛称を「スーパーとかち」に変更しました。この時点で「とかち」はすべて「スーパー」を冠するものになりました。
1997年3月には「とかち」の増発により「スーパー」のつかない列車が復活し、1999年冬には、季節列車としてキハ283系を使用した「スーパーとかち」が加わりました。2000年3月にはキサロハ182が「おおぞら」にも組み込まれることになり、この時からキハ183系の列車からは「スーパー」が外れます。2007年10月には、キハ261系も「スーパーとかち」に加わります。
2009年10月にはキハ183系での運転がなくなり、「スーパーとかち」のみとなりますが、2020年3月に「おおぞら」などと共に愛称から「スーパー」が外れました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1991/7〜1997/3スーパーとかちキハ183系(対応列車なし)
1997/3〜1999/12スーパーとかちキハ183系使用編成
1999/12〜2000/3スーパーとかちキハ183系、キハ283系使用編成、車両
2000/3〜2007/9スーパーとかちキハ283系使用車両
2007/10〜2009/9スーパーとかちキハ283系、キハ261系使用車両
2009/10〜2020/3スーパーとかちキハ283系、キハ261系(対応列車なし)

(3)北斗
「北斗」は1994年3月にキハ281系が投入された際に、新型車両で運転する列車を「スーパー北斗」としました。1998年4月にはキハ283系、2016年3月にはキハ261系が「スーパー北斗」のラインナップに加わりましたが、2019年3月に全列車が「スーパー北斗」になったため、翌2020年3月に「スーパー」が取れ「北斗」に戻りました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1994/3〜1998/4スーパー北斗キハ281系使用車両
1998/4〜2013/10スーパー北斗キハ281系、キハ283系使用車両
2013/11〜2016/3スーパー北斗キハ281系使用車両
2016/3〜2019/3スーパー北斗キハ281系、キハ261系使用車両
2019/3〜2020/3スーパー北斗キハ281系、キハ261系(対応列車なし)

(4)おおぞら
「おおぞら」は1997年3月にキハ283系が投入された際に、新型車両で運転する列車を「スーパーおおぞら」としました。2001年3月には早くも全列車がキハ283系での運転に統一されましたが、その後も「スーパー」を冠する状態が続きます。2020年3月になって「とかち」などと共に愛称から「スーパー」が外れました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1997/3〜2001/7スーパーおおぞらキハ283系使用車両
2001/7〜2020/3スーパーおおぞらキハ283系(対応列車なし)

(5)宗谷
宗谷線の優等列車は2000年3月に特急化されますが、急行列車時代も同じ札幌〜稚内間の昼行列車に「宗谷」「サロベツ」という異なる愛称が付けられていました。特急化された際には新型のキハ261系を使用する列車に「スーパー」が冠され「スーパー宗谷」となりました。
2017年3月に運用変更となり、一部列車が旭川発着となった際に、札幌発着の列車名から「スーパー」が取れ「宗谷」となりました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
2000/3〜2017/3スーパー宗谷キハ261系使用車両(対応列車は「サロベツ」)

(6)白鳥
2002年12月の東北新幹線八戸開業の際に連絡特急の名称が変更となり、津軽海峡線を渡る列車の愛称が「白鳥」となりました。この際に789系を使用した列車に「スーパー」が冠せられました。この状態が2016年3月の北海道新幹線開業まで続きました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
2002/12〜2016/3スーパー白鳥789系使用車両


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