3.2.2 「スーパー」特急 東日本

東日本では、1900年代には新設された愛称を除き、JR型の車両を用いた列車に「スーパー」などを冠して在来型車両の列車と区別していましたが、だんだんルールが崩れています。移り変わりを列車愛称ごとに記載していきます。

(1)ひたち
1989年にJR東日本最初の新型車両651系が投入された「ひたち」に対し、「スーパー」を冠して従来車両と区別しました。その後1997年に653系が投入された際にはこちらに「フレッシュ」が冠されました。
当初は使用車両により列車名が分かれていましたが、2002年には651系使用列車のうち福島県に達しないものが「スーパー」から「フレッシュ」に名称変更されました。この時点で653系使用列車のうち1往復は福島県に達していましたがこちらは「フレッシュ」のままでした。
2013年に車両が657系に統一された際にも列車名は以前のまま残ったため、同じ車両・同じ運転区間で「スーパー」と「フレッシュ」が混在し、ルールが定まらない状態となりました。
2015年に「スーパーひたち」「フレッシュひたち」がそれぞれ「ひたち」「ときわ」に改称されて接頭辞がなくなりました。その後2020年に「ときわ」の運転区間が短縮され、運転区間により列車名が分かれる形に戻りました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1989/3〜1997/9スーパーひたち651系使用車両
1997/10〜2002/11スーパーひたち/フレッシュひたち651系/653系使用車両
2002/12〜2012/3スーパーひたち/フレッシュひたち651系/653系使用車両、運転区間
2012/3〜2013/3スーパーひたち/フレッシュひたち651系、657系/653系使用車両、運転区間
2013/3〜2013/9スーパーひたち/フレッシュひたち657系運転区間(例外あり)
2013/10〜2015/3スーパーひたち/フレッシュひたち657系/657系、651系運転区間(例外あり)

(2)踊り子
「踊り子」は1990年4月から新型251系が投入された列車に「スーパービュー」が冠されました。使用車両により愛称を分ける状態がここから30年間続き、2020年3月に使用車両が変更された際に冠されるものが「サフィール」に代わりましたが、使用車両により愛称が分かれる状態は続いています。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1990/4〜2020/3スーパービュー踊り子251系使用車両
2020/3サフィール踊り子261系使用車両

(3)さざなみ/わかしお
1993年に255系が投入された際、この車両を使用する列車には「ビュー」が冠されました。ただし、朝夕に短区間で運転される通勤特急には「ホームタウン」「おはよう」が冠され、「ビュー」は付きませんでした。
その後、2004年には「ホームタウン」「おはよう」の名称がなくなり、通勤特急にも同様に「ビュー」が付くようになりましたが、2005年に「しおさい」に投入されるようになった際に255系列車への「ビュー」の付与はなくなりました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1993/7〜2004/10ビューさざなみ、ビューわかしお255系使用車両、運転区間
2004/10〜2005/12ビューさざなみ、ビューわかしお255系使用車両

(4)あずさ
「あずさ」には1993年12月から351系が投入されましたが、当初は曜日指定の運転で列車名の区別はありませんでした。1994年12月に本当入された際に「スーパー」が冠されるようになりました。
2017年からは353系も「スーパーあずさ」に投入が開始され、2018年7月には「スーパー」を冠さないものも登場しましたが、この時は12両運転の列車に「スーパー」が付けられる状態でした。2019年3月に全列車が353系に統一された際に「スーパー」の名称が廃止となりました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
1994/12〜2017/12スーパーあずさ351系使用車両
2017/12〜2018/3スーパーあずさ351系、353系使用車両
2018/3〜2018/6スーパーあずさ353系使用車両
2018/7〜2019/3スーパーあずさ353系使用車両、編成

(5)はつかり
「はつかり」は2000年3月に751が投入された際に「スーパー」が付けられるようになりました。
しかしこれは長続きはせず、2002年12月の新幹線八戸延長の際に特急愛称が「つがる」「白鳥」に再編されることになり、この際は新たに789系を使用した「白鳥」に「スーパー」が付くように変更となりました。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
2000/3〜2012/11スーパーはつかり751系使用車両

(6)こまち
2013年3月から「こまち」へのE6系の投入が開始され、東北新幹線内で「はやぶさ」と併結し、最高速度300km/hで運転する列車に「スーパー」が冠されるようになりました。
1年後の2014年3月に全列車がE6系で「はやぶさ」との併結に統一されたことにより「スーパー」がなくなりました。新幹線の列車名に「スーパー」が付いたのはこれのみになります。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
2013/3〜2014/3スーパーこまちE6系使用車両、最高速度

(7)つがる
2020年に「スーパービュー踊り子」が消滅してから、東日本では「スーパー」のつく列車はありませんでしたが、2024年3月に4年ぶりに登場しました。
こちらはこれまでの例と異なり、「スーパー」の付かない列車との使用車両の差はなく、停車駅および所要時間の差によるものになっています。

期間列車名使用車両接頭辞なしとの差異
2024/3スーパーつがる751系停車駅


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