9M0C Spratly 1998



Layang Layang Island resort


滑走路が出来て広くなった島

【 Layang Layang Is.】

 今回の運用場所となったLayang Layang Isは、東マレーシアから北西約300Kmの南シナ海(South China Sea)の南沙諸島に浮かぶ珊瑚礁の島。 DXCCではSpratly Is(英国人は「スパートリー」と発音する)と呼ばれているが、 マレーシアでは「Pulau Layang Layang」と呼ばれている。島と言っても珊瑚礁を埋め立てて造られた周囲1Kmほどの人工の島だが、 1995年にリゾートホテル(Layang Layang Island resort)がオープンして世界中のダイバーが訪れる様になった。
東マレーシアの首都、コタキナバルから小型の双発プロペラ機で約1時間で渡れるので便利になり、我々が訪れた時も、 若い女性を含む日本人のグループが10人ほど滞在しており、日本語が飛び交いまるで沖縄かグアム、サイパンにでも来たような錯覚を覚えた。 ホテルの中庭のプールサイドでノンビリ「甲羅乾し」をする宿泊客もいて平和そのものだ。 "スプラトリーは危険な場所"というイメージは、今やハムの世界だけなのかも知れない。
平屋建てのこのリゾートホテルは、6ブロック86室、200人ほどが泊まれる設備を持っているとのことだが、 客室はエアコンが良く効いて快適にリゾート気分を味わえる。
島に飛行場が建設され整備されたため、以前よりも島は大きくなっている。タイトルの写真は飛行場がまだ出来ていない時に撮ったものだが、 現在は長方形の島に変身した。


飛行機を降りると20、30歩でホテルの玄関に到着する/小さいながらプールもある


 ホテルはテレビ、冷蔵庫、電話、シャワーも完備していて、なに不自由のない近代的な生活が送れる。
食事はバイキング形式で口に合えば、好きなだけ食べられる。パパイヤやパイナップル、スイカなどが3度の食事のたびに出される。 水は海水を蒸留したものだがチョットした臭いを気にしなければ充分飲める。少し高いが(10RM=500円)冷えたビール、 ワインも飲める。
  島にはこのホテルの従業員のほかに、ダイバーのインストラクターやボートの整備員などが常駐している。 名前は聞きもらしたが、日本人の若い女性インストラクターも居た。
島の代表的な「住人」はなんといっても何千、何万羽と住み着いている海鳥だろう。 滑走路の脇の地面に巣を作り、 風上に頭を向けて卵を抱く、カツオドリやアジサシなどが24時間「ギャー、ギャー」と鳴いて飛び交っている。
飛行機が飛んでくると、一斉に飛び立ち空を埋め尽くす。この音を「ヘリコプターが飛び立つ音に似ている」とホテルの人は言う。


滑走路の脇の地面に巣を作り、風上に頭を向けて卵を抱く海鳥の群


 島にはヤシの木からハイビスカスやブーゲンビリア、パパイアまであり、南の島そのまま。ここには猫が3匹、トカゲ、蟻、 ゴキブリ、蚊まで、大小の動物も生活している。
島の東側にマレーシア海軍の基地があり、唯一緊張状態を思い出させる場所だが、 ダイビング用のボート置き場と隣り合わせの岸壁に時折り出入りする「軍艦」と、週に何回か「空砲」の音が響く程度で、 危険は感じない。夕方になると30人ほどの兵士(と言ってもTシャツの私服姿だが)が滑走路をジョギングしているのがみられる。
  乗り物は軍の関係者が時折見回りで乗り回している4WDのオフロード車、荷物運びに使うトラクター、 ホテルの従業員が使っているマウンテンバイクなどが3、4台。


ホテルの6棟はこの長い通路で結ばれている/朝、夕の食事はこのホテルのテラスで


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