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スペイン大好き1998年7月15日から28日の記録

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1998年8月28日作成

1999年04月05日更新

1998年7月22日〜7月28日 (7月15日〜7月21日)

1998年7月22日(水)

一晩を過ごしたアパートメントホテルは、とても快適でした。高級リゾートホテルの様な雰囲気に満足です。日本でパラ旅行をする時は、テントか民宿、良くてビジネスホテルにばかり泊まっているので、妻は、大喜びです。う〜ん、たまには、こんな贅沢もいいか。
朝食は、別な建物にある大きなレストランでバイキング方式です。量も種類も多く、飲み物も豊富です。生ジュースにミルク、エスプレッソコーヒー、そして、フルーツがいくら食べても良いのです。でも、朝から、そんなに食べられません。こっそりオレンジを持って帰ったけれど、いいのかなあ。
今日は、いよいよグラナダでのPWCの初日です。選手の人達は、大きな観光バスで移動します。私達は、2台の車で移動しました。今回の旅行の第一の目的は、ロールアウトの加藤豪君のPWC参戦の応援だったのですが、残念な事に彼は、怪我をして現在、治療中です。でも、他の日本選手も沢山いますし、頑張って応援します。
11時に選手のバスが出ると言う事でした。いつものとおり、スペインでは、予定時間を1時間遅れるのは、当たり前の国です。11時になってからも、ぞろぞろと選手が道を歩いているのが見えます。それも、誰も急ごうとはしないで、悠然と・・・。これでいいんだよなあ、日本人はこせこせ、し過ぎるよなあ。と変なところで感心してしまいました。セッカチな日本人(私達のこと)は、待っていられなくて、先に出発する事にしました。でも、大会の場所が分かりません。山頂の方に行きましたが、どうもそれらしい雰囲気がありません。松島さんは、携帯で場所を聞いています。戻る事にしました。途中で、暫く待っていたら、選手を乗せたバスが来ました。結局、バスの後ろをついて行き、無事に会場にたどり着きました。
今日の会場は、サビーナです。テイクオフ標高は、2000mです。日差しが強くてとても暑いです。上に小屋があり、その日陰で休んで待ちました。選手は、機体を拡げてラインチェックをしています。何百機もの機体が、所狭しと拡げられている光景は、壮観です。日本選手のひとりひとりをビデオに納めようと探したのですが、見つかりません。そのうち現れるだろうと入口の所で松島さんと話しをしていました。そうしたら、昨日のフラメンコの踊り手のサリータさんがやって来ました。昨日は、私達は、早めにホテルに戻ったので、挨拶をしていませんでした。改めて自己紹介をしました。サリータさんは、こちらに来てまだ、3年もたっていないそうですが、スペイン語でペラペラしゃべっています。松島さんに言わせると、サリータさんのスペイン語は、アンダルシア弁だそうです。それもネイティブな。
13時には、ブリーフィングが始まるだろうと言う事でしたが、その気配は、ありませんでした。音楽がガンガン鳴っていてとても賑やかです。PWCの雰囲気が盛り上がりつつあります。私は、スペイン人かどこの人か良く見分けがつきませんが、上半身ビキニの水着で歩いている若い女性の姿が眩しいです。惜しげもなく胸の膨らみを提供してくれている彼女達に乾杯!
でも、ここにいるとその姿が全然、不自然ではなくとけ込んでいるのです。なんてスペインって良い所なんでしょう。
ブリーフィングが始まり、スペイン語と英語で説明されました。選手達は、事前にもらったWaypointの写真を組み立てたり、GPSにポジションを入れたりで忙しそうでした。カメラにフィルムを入れて準備したり、しかも、カメラは、途中で故障した時の為に、殆どの選手は、2台持っています。フィルムを装填したら、テープで固定して蓋が開かない様にします。
ひとりの人がテイクオフしたら次々とテイクオフ始めました。ゲートオープンです。テイクオフディレクターが次々と指示してテイクオフさせています。失敗する選手も多いです。風が強めな為に、あおられて失敗しています。藤木さんは、上のテイクオフから出ました。下のテイクオフで何人も失敗していたら、正ちゃん(只野正一郎君)が「テイクオフは、こうするんじゃあ」と言って一発でクロステイクオフして出て行きました。お見事!日本選手が次々と出て行きましたが、工藤さんは、のんびりとGPSのセットアップをしています。何回かたち上げして工藤さんも出て行きました。もう上空には、パラの蚊柱がたっています。凄いです。
アントニオ石川さんがエキスパートでテイクオフしました。テイクオフ成功と思った瞬間、右側に大きく振られてそのまま地面に叩き付けられました。横風の突風です。アントニオさんは、今日は、飛ぶのを止めると言いました。
倉田さんと小島さんが飛ぶと言って準備に行きました。私も、こうしては、いられないと妻に「飛ぼうか?」と言いました。妻は、「大丈夫かしら?」と慎重です。でも、テイクオフは多分出来るし、荒れていたらすぐに降りればいいのだから」と言って飛ぶことにしました。風は、まだ、強めです。でも、さっきよりは、弱くなったし・・・。小島、倉田さんが出ました。私は、テイクオフしようと立ち上げたら強風に煽られて引きずられてしまいました。どうしよう。でも、「大丈夫」と言う声援で頑張ってテイクオフしました。テイクオフと同時に、ドラッグセンサーを投げるのですが、その時に、ドラッグセンサーの羽根の部分がヒラヒラと取れて落ちてしまいました。落ちた場所は、確認しました。無線で「拾っておいて下さい」と言ったのですが、誰も、何んの事か分かんなかったみたいです。まあ、いいや、後で拾いに行こう。飛んで見たら、荒れていません。安定して楽しいフライトです。もっとサーマルが欲しいくらいです。山から離れると高度が下がります。小島さんと倉田さんは、どんどんと上げています。妻がテイクオフしました。私が出た後に、「安定しているから出ていいよ」と言 ってからです。あまり上がらないので、どうせ、この辺で遊ぶだけかなあ、と思っていたら、すぐ下に工藤さんがランディングしたらしいです。下に工藤さんのグライダーが見えました。松島さんと無線で回収について話していました。ああ、安心、近くに降りよう、とセネスのランディングに向かいました。途中には、どこにでも降ろせます。砂漠ですが、上から見ると緊急ランディングの場所があちこちにあります。工藤さんが降りた所を通り過ぎて、広い農地が見えました。農作物が植えていないので、降りるに最適と思われました。GPSの対地速度を確認してアゲインストになる様に軟着陸しました。降りて見たら、背の低い茨があちこちにありました。機体の回収は丁寧に行いましたが、指に何カ所か傷付けてしまいました。そこから道に出るのに、ずいぶん歩きました。
上空では、小島さんと倉田さんが飛んでいます。セネスのランディングには、PWCの選手が次々とゴールしている様です。飛んでいるふたりから無線で実況中継です。妻が、高度を下げて降りて来ました。私は、自分の経験から、降りる場所を指示しました。丁度良いところに降りました。ビデオで撮影しました。飛んでいる時は、快適ですが、下は、真夏の灼熱地獄です。喉が乾いて持っていた水は、全部飲んでしまいました。小島、倉田さんも私達が降りたすぐ近くに降りました。
松島さん、小脇さん、寺川さん、土本さん、そして、岡山大佐山の「北娘」こと北かおり嬢が回収に来てくれました。近くのバルでセルベッサで乾杯して喉を潤しました。いやあ、旨い! たいした飛びでは、ありませんが、やはり、旨いです。アントニオさんが一緒に飲みましたが、アントニオさんの提案で「もう1本飛びませんか?」今日飛んでいない人も一緒に、と言う事で、プルチェに移動する事になりました。プルチェは、トルノデディオスと言い、「王様の椅子」と言う意味だそうです。なるほど、テイクオフのずっと上に「王様の椅子」の様に見える岩山があります。テイクオフの標高は、1420mです。テイクオフのすぐそば迄、車で行けます。倉田さんと工藤さんは、回収隊をしてくれる事になりました。アントニオさんの説明を聞き、飛んではいけないルートや、サーマルポイントを聞きました。最初にダミーとしてアントニオさんが出ました。出てすぐに上昇して、先の尾根につきました。そこでぐんぐんと上げました。あそこか。小島さん、小脇さん、土本さん、そして、私と続きました。でも、誰も上がりません。妻が飛んで、最後に松島さんが初めてのフライトです。皆、高度を失っ て近くのランディングに撃沈です。アントニオさん、只、ひとりが上がったのでした。PWCのテイクオフで叩き付けられて傷心のアントニオさんの気持ちを労るには、最高のシチュエーションでした。
私は、帰りにサビーナのテイクオフに戻ってドラッグセンサーの羽根を探す事を忘れてはいませんでした。30分ほど、皆で探して、小脇さんが見つけてくれました。ありがとう。
夜は、ホテル近くのバルで豪華な晩餐会でした。全員が飛べて無事に一日が終わったと言う、極く当たり前の事に、こんなにお祝いしていいものだろうか? まあ、美味しいし、最後には、私が「ラ・クウェンタ」と言って勘定をもらいました。こうしてグラナダの二日目が過ぎました。

1998年7月23日(木)

朝、9時30分に起きました。夜が遅いので、朝も遅くなります。ホテルのレストランでバイキングの豪華な朝食を食べました。今日も、オレンジを貰いました。(いいのかなあ)
今日のPWCの会場は、カウチレです。ここは、標高2700mのテイクオフです。広いテイクオフは、1000機拡げられるほどです。冬はスキー場として賑わっているのだと思います。山頂は、ベレータです。標高3300mです。昨日、最初に間違えて来た所です。途中にゲートがあり、そこから先は、スタッフの車以外は進入出来ない様です。松島さんが、スタッフの人と話してスタッフの車に乗せてもらえる事になりました。ラッキー!
テイクオフに着いて、山頂に登頂を目指す人が出発しました。小島、倉田、小脇さんです。私も、昔なら登った事でしょう。今は、何で山に登るの?と言った感じです。
今日の、PWCブリーフィングは、早く始まりました。そして、ゲートオープンも早かったです。雪が少し残るテイクオフを次々と出て行きます。私達は、テイクオフをする選手達をサポートしました。どこの国の選手も同様にサポートしてうまく出られる様にしました。藤木さん、工藤さんも順調に出ました。アントニオさんも今日は、出ました。頑張って。エミさんが出たのは、ずっと先です。
ひととおり選手が出た後、フライトを見ました。テイクオフに座って観戦していたら、右の上空で、スパイラルからバーティカルストールに入った機体がありました。「あっ、危ない」と思った瞬間、レスキューパラを投げていました。パラとレスキューパラが揺れながら落ちて行きました。あわててビデオを取り出して撮影しました。松島さんが携帯でレスキューパラを投げた選手がいたことを大会本部に電話しました。後で分かった事ですが、その選手は、自力で帰還したそうです。
今日のフライトについて話しをしていたとき、例の「北娘」こと北かおりさんが「今日は、地中海迄飛んで行きましょうヨ」としきりに煽っていました。「4000迄上昇すれば、後は、ワングライドで海に着くわヨ」としきりに煽っていました。でも、この情景を目の前にしてからは、皆、口数が少なくなりました。やはり、グラナダの空は荒れている。飛ぶのは止めた方がいいのかなあ。
飛ぶ前にお昼を食べようとしたら、貰ったお弁当がありません。選手が出るのを手伝っている時に、吹き流しの所にまとめて置いたのですが、どうも、ゴミと間違えられて捨てられてしまった様です。あ〜あ。
大会本部に行ってゴミを見せて貰いました。でも、ぐちゃぐちゃになっていて、とても、見つかっても食べる気にはなりません。本部の女性が「どうしたの?」と聞いて来ました。(多分)「マイランチロスト!」と言ったら分かった様です。車の中から袋に入った弁当を出してくれました。なんていい人なんだろう。そんなに美味しい弁当でなくても、この様な親切に触れると嬉しいものです。
午後3時過ぎにテイクオフしました。妻がなかなか出られないでいるので、私が先に出ました。風は正面ですが、強めです。クロスでのテイクオフです。立ち上げるとふあーっと宙に舞いました。2700mの高度からのテイクオフです。夏とは言っても高度があるので、寒いです。風は、強めですが、思った程荒れてはいません。無線で妻に「そんなに荒れていないから大丈夫だと思うヨ」と連絡しました。ベレータ山頂の方に飛んで行ったら雲がありました。セベスさんも同じ方向を飛んでいます。サーマルはまあまあです。回し続けていました。すぐに1000mゲイン出来そうでした。谷の方に行ったり、山の方に行ったりして自由に飛んでいました。3600mを越えた頃から寒くなって来ました。セベスさんはまだ上昇しています。私は、身体が冷えると腰とか肩が痛くなるので、降りる事にしました。翼端を折ってもバリオは上昇音を出しています。仕方がないので、久しぶりにAストールをしました。前縁が綺麗に馬蹄形に折れてストールに入りました。やはり、降下率は大きいです。テイクオフにトップランすることにしました。しかし、降りようとするとブローが来て上昇します。高度が低い時のAストール は危険なので、翼端折りに変えました。体重移動でコントロールしながら、地面すれすれ迄翼端を折ったままで、無事にランディングしました。妻も翼端を折ってアプローチしています。無線で誘導しながら、見ていました。無事にトップランしました。
少し、休んでから、午後5時半過ぎに「戻ろう」と言う事になりました。でも、帰りの車はありません。駐車場までパラを担いで歩くのは癪です。私は、飛んで駐車場に降りる事にしました。PWCのフライトから戻った工藤さんは、下の駐車場にいました。下は安定しているとの事です。北さんは、「荒れると怖いから私は歩いて降ります」と歩いて行きました。小島さんは、寺川さんとタンデムで飛ぶ事になりました。松島さんは、まだ飛んでいます。小脇さんも飛んでいます。私は、出る事にしました。さっきより良いサーマルでぐんぐんと上昇します。でも、もう帰るんだから上昇する必要はありません。でも、とても良いサーマルです。プラス6.2m/sの上昇率です。見ると妻も上げています。下から工藤さんが「時間が早いんだから思う存分飛べばいいですヨ」と言ってくれました。と言うわけで、センタリングをして楽しみました。そろそろ降りようかなと駐車場に向かったのですが、降下しません。駐車場の上でグランドサーマルが発生している様です。翼端を折っても全然降りません。駐車場はコンクリートです。周りに木はありません。叩き付けられたら即死かも知れません。強烈なサーマルは とても怖いものです。下から、「セネスのメインランディングに向かった方がいいヨ」無線が入りました。ここからセネスまでは16キロあります。妻も一緒です。どうしよう。小脇さんと松島さんは、先に飛んで行ってしまいました。後は、妻と小島さんのタンデムが近くにいるだけです。
妻に無線で「絶対に僕を見失うな。セネスまで行く」と言いました。返事がありません。「おーい、聞こえているか?聞こえていたら返事しろ」と怒鳴りました。途中に緊急ラン出来る所は、ありますが、回収がたいへんです。セネスに行く迄は、何回か上げ直さないと届きません。途中に石切場がありますが、アントニオさんから「あそこは荒れているから近づかない方がいい」と言われていました。妻を見ると飛んでもない方向を飛んでいる様に見えます。下から見るのと上から見るのとでは、視覚が違うので距離感を間違えさせます。私の方から離れて入っている様に見えます。「こちらだぞ」と言ったら、「どこにいるの?」やはり、見失っていたのです。「正子から左手前方のずっと上」と言ったらやっと見つける事が出来た様です。昨日のサビーナをずっと右に見て通り過ぎました。
例の石切場が見えました。砂埃が竜巻の様に上がっています。相当強烈なサーマルが出ている様です。近づいただけで、バリオが激しく鳴りました。遠巻きにして通り過ぎました。セネスのテイクオフとランディングが見えて来ました。ランディング上空に2機のパラがとんでいます。小脇さんと松島さんです。ふたりもセネスまで飛んできたのです。セベスさんは、アルハンブラの方まで行ったとか。妻は、やっとランディングが見えてほっとした様です。私は、妻を先にランディングさせてから、暫くセンタリングして高度を上げて遊びました。グラナダの町並みが見えます。家の上を飛ぶと激しく揺れます。写真も撮ったし、そろそろ降りましょう。
16キロのミニクロカンは終わりました。妻は、初めての距離です。聞くと松島さんもこんなに長い距離を飛んだのは初めてだそうです。初クロカンおめでとう。小島さんが苦労してタンデムで到着しました。
夜は、グラナダの街に出て海鮮料理とワイン、サンングリアで乾杯しました。そして、「あなぐら」と言うか、余り観光客が行かないスナックみたいな所に連れて行って貰いました。アントニオさんの妹のサリータさん(石川あや子さん)は、フラメンコダンサーですが、今日の案内役です。しかし、昼間の疲れと今日の飲み過ぎもあって、こっくりこっくりしてしまいました。スペイン人はとても人なつっこくて陽気です。ホテルに戻ったのは、朝、5時でした。お休みなさい。

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