雑記林花或木
[1998/02]
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(1998/02/22)長野五輪閉会式

オリンピックの閉会式。いきなり欽ちゃんが出てきたので仮装大賞でも始めるのかと思った。しかし本当に仮装行列みたいな珍妙で厳粛な開会式よりも、心から開けっぴろげな笑顔で踊りまわる閉会式のほうが、いかにも平和の祭典らしくてよかったんじゃないかな。花火も豪華でそれだけでも見に行きたいくらいだった。テレビで見ているだけでも、祭りのあとの寂しさをちょこっと感じられた。盛り上がれば盛り上がるほど後が寂しい。ミズスマシ発言から始まった不安な五輪ピックもメダル10個獲得という日本人の活躍でけっこう盛り上がった。ジャンパー原田の涙ながらの感激トークが印象に残っている。

(1998/02/21)スポーン

アメリカンコミックの映画化されたものだから、スーパーマンやバットマンと同類だ。大抵のヒーローはかっこいい二枚目が事件になると変身して悪を退治することになっているが、スポーンは違う。もとはダンディな黒人俳優マイケル・J・ホワイトであるが、焼け死んで悪魔に魂を売り渡した後の姿は焼け爛れた醜い顔のヒーローとなってしまう。トロマの悪魔の毒々モンスターみたいなありさまだ。しかし赤いマントに銀のマスクを纏った姿はある意味かっこいい。最新のSFXとコミックらしい間合いで、それほどシリアスでもないが、けっこう面白い。デブのバイオレーターがけっこう卑猥なジョークを連発しているので、子供連れで見に行く時はスリル満点だ。醜いヒーローという異様な所が病めるアメリカの今の世代にうけている一因かもしれない。日本も世紀末に向けてアメリカナイズされてきて、病める若者たちが日本中で悪魔の手先になりはじめているが。

ふと思い付いたけど、やたらみっともないヒーローのマンガか映画ないのかな?本当はそんなに強くなくて、大衆の前で情けない負け方をしてシッポを巻いて逃げたり、負けそうになると隠れたり、騙し討ちしたり、卑怯な手を使って勝ったりして、たまに危機一髪の所を市民に助けてもらったり、警察が解決したのに自分がやっつけたような顔して威張ってみたり、やばくなると金で解決したり、助けてやるから金を出せと悪人から金をせしめてから退治しちゃったり、ここ一番の決戦だというのに敵のアジトに忍び込んであらかじめ毒を盛って弱らしてから、堂々と勝ったようなふりをする手口を使ったり、どっかの政治家みたいだが。それでもどうにか人々を守っていて、辛うじて正義の味方の風上にお情けで置いてもらっているような、どアホなヒーロー。みんな影であざけりながら勇者!勇者!と冗談まじりに持ち上げているだけ。でもひとりだけ彼を真の勇者と信じている靴磨きの少年ジョニーの笑顔がある限り、彼はどんな汚い手を使ってでも平和を守る、アーパー・ヒーロー「アホーン」

(1998/02/20)りょうOFF会

土曜日に22時半まで仕事から帰れなかった腹いせに昨日の木曜日は代休をとった。で、たまたまというか合わせたというか、まっ昼間の2時から川崎駅前に集まって、大阪からはるばる来たりょうの歓迎OFF会をした。川崎ジモティのけんじさんが影の幹事をしてくれて、愛さん、あやさん、千代さん、ひろし、たかぼー、ゆうぞう、りょうと私で、まずゲームセンターで後から来る人を待ちながらうろちょろしていた。次にビリヤードをしている所へみわっち登場。長い髪を切っておぼっちゃまくんになっていた。ビリヤードが終わって早々と千代さんがさよなら。北の家族で腹ごしらえ。しばらくしてゆうぞうさんさよなら。そのあとゆうくん登場。またしばらくしてやっちゃん登場。8時ころカラオケに突入。しばらくしたらKojiさんが登場、来るなりひろしとトランプ競技を始めた。そんなこんなで11時すぎにカラオケを出て駅前で解散。次の日仕事の人が多いので徹夜はしなかった。多分ね。

(1998/02/16)タイタニック

いまごろになってようやく見た。3時間以上の長い映画なのでなかなか時間が取れなかったが、雪降る寒い中を早起きして見に行った価値は充分にあった。やあ映画ってほんとにいいですね、と言ってしまいたくなる。

海に沈んだタイタニック号の船内を探索するシーンから始まる。なにか怪物でも出現しそうな雰囲気だ。その探索船を訪れたタイタニックの生き残り老婆の回想という形式で話が進んでゆく。この人は助かるのだなと判っているのだが最後まで目が離せない。ほぼ実物大のタイタニック号のセットを使った撮影はすごい。豪華な船内で繰り広げられる人間模様、ラブストーリーに時間を忘れて入り込んでしまう。これが史実であるという背景の重みと、自分もタイタニックに乗っているような雰囲気を3時間も味わった後の感動シーンに目頭が熱くなった。これだから映画は困る。さすがに話題の映画だけのことはある。まだ見てない人にもお薦め。

ヒロインのケイト・ウィンスレットはそれなりに美人で悪くはないが、ヒーローのレオナルド・ディカプリオときたらとんでもない奴だ。できすぎている。えらくかっこいい。ジェームス・ディーンを彷彿させる。ますますビッグになってゆきそうだ。

見終わって席を立つと映画館の階段にはずらりと入場待ちの行列ができている。チケット売り場の行列も長々と続いている。午前中はすんなり入れたのだ。早起きは三文の得である。

細野晴臣@YMOの祖父がタイタニック号から生還していたなんて知らなかった。

(1998/02/15)ループ(鈴木光司)

映画になったリング、らせんの続編であるループを読んだ。やられた,と言った気分だ。そうくるとは思わなかった。もっとも私なんぞが想像してしまうような結末では、誰も評価しないだろうが。すごいことになってきた。これも映画で見てみたい。人工生命の事が出てくる。そして神の存在について。おや、と思った。この話題は先日読んだ瀬名秀明の新作ブレイン・ヴァレーと同じではないか。人工生命となれば神に触れるのは当然の成り行きか。偶然とはいえ面白い。偶然にも鈴木、瀬名両氏とも静岡県生まれらしい。これも偶然だ。鈴木も後書きで、ループを書くに当たってのいつくかの偶然を語っていた。仕組まれた偶然なのかと思いたくてうずうずしてしまう。本文にも出てくるが、偶然といってもありえない偶然は影で糸を引く者が居るのだ。これこそが神という存在を認識させる物なのだ。なるほどと思う。もちろん続編であるから、高山竜司がまたも登場してくる。しかしこんなとんでもない登場のしかたをするとは、まったくもって不謹慎、いや、おみごととしか言いようが無い。ペテン師鈴木光司にまんまとはめられてしまった。

(1998/02/12)筒井漫画涜本

2年半くらい前の出た本だが、なかなか見つからなかった。先日偶然コミックコーナーで発見した。筒井さんの作品を有名漫画家がそれぞれの持ち味を生かして書いたマンガ集である。けっこうおもしろい。

内田春菊   :ムロジェクに感謝
相原コージ  :死にかた
南伸坊    :法子と雲界
喜国雅彦   :鏡よ鏡、特効薬、正義、美女
蛭子能収   :傷ついたのは誰の心
清水ミチコ  :傾斜
まつざきあけみ:イチゴの日
しりあがり寿 :樹木 法廷に立つ
けらえいこ  :妻四態
吾妻ひでお  :池猫
矢萩貴子   :セクション
ふくやまけいこ:かいじゅうゴミイのしゅうげき
山浦章    :星は生きている、ウイスキーの神様
三条友美   :亭主調理法
とり・みき  :万延元年のラグビー
加藤礼次朗  :トラブル
いしいひさいち:富豪刑事

(1998/02/11)敵(筒井康隆)

筒井さんの最新書き下ろし「敵」を読んだ。大学教授をしていた渡辺儀助という75歳の老人を代役に立てた筒井さんのエッセーみたいな雰囲気でもある。身辺のいろいろな事象を取り上げてつらつらと書いている。朝食、物置、買物、風呂などなど。あくまでも儀助の話なので、筒井さんの現実が書いてあるわけではないが、なんとなく筒井さんの日常もこんなふうなのかも、などと思いたくなる。もちろん筒井さんのことだから只ではすまない。老人の夢想がいつのまにやら現実とからまって、妖しげな虚構空間が出てきてしまう。それほどハチャメチャではないが少しハチャメチャだ。まあいいかな、このくらいで。それにしても本の帯に載ってる口髭を蓄えた筒井さんは珍しくかっこいい。夏目漱石みたいだ。

(1998/02/08)中国茶館OFF会

昨晩は池袋の中国茶館でOFF会だった。参加者は予約までしてくれたことことさん、もとさん、キキさん、らめさん、加ト吉さん、けんたお、ほそにゃん、\(昴)/、JT、大阪からはるばるどすこいさん、それから私。食べ放題なのになかなか出てこないと不満がっていたのに最後の方では腹一杯になってしまって、まだなんか頼んだのかな?と不安がる始末。やり手ババアみたいな中国人のおばちゃんが「他に何か食べるか?」「ビール飲むか?」「デザート欲しいか?」「冷たい食べ物どうだ?」と世話を焼いていた。ちなみにドリンクとデザートは別料金だ。2次会はボーリングを3ゲーム、ほどよく疲れた所で外へ出ると雨。こりゃたいへんと、向かいのカラオケ屋へ避難して3次会。わいわいやって11時すぎに解散。とはいうものの、らめ、キキ、どす、ほそ4名は土佐っ子へラーメン食べに行ったようだ。都内住まいの人達は終電が楽なのでこういう時はのんびりしていられて羨ましいだわ。

カラオケのワンシーンをピカチュウにしてみました。81kもあるし、見てもがっかりです。

(1998/02/05)BRAIN VALLEY

「パラサイト・イブ」の瀬名秀明の新作「ブレイン・ヴァレー」を読んだ。脳と神の関係を書いたホラーというかSFというか、どっちでもいいけど、好みの話題がぞくぞく出て来るので、呼んでいて楽しい。コンピュータ上の生命、UFO、死後の世界、臨死体験 etc。よくぞこれだけ妙な話題を集めてきたと思うほど、さまざまな話が交錯している。それが脳や神の話と結びついていくのだからいいけれど、まるでSFネタの満漢全席だ。その上を例によって医科学用語が飛び交い、どこまでが本当なのか素人目にはわからない。巻末の参考文献だけ見ても凄い数だ。こんな参考文献ばかり読んでいたら、それだけで人生終わっちゃいそうだ。おもしろかったのだが、文章全体に映画的音響効果や舞台設定を思わせるところが多い。早くも映画化を意識して書いたのだろうかと、余計な詮索までしてしまった。

(1998/02/01)リング・らせん

鈴木光司のリングとらせんを見た。何とリングの主人公であるはずの浅川和行がいないし、ダチョウの上島みたいな男であるはずの高山竜司が、色男真田博之だったりする。原作登場人物の配置組み替えまでしてしまい、たかだか90分くらいの映像の中で、スムーズに事件を進行させるために竜司に超能力まで持たせてしまう映画作りとは、なんとも凄いものだ。もちろん映画は映画だから原作と本筋が外れてなければ、それはそれでいいと思う。時と場合によるけどね。おかげで原作読んでいても、おもしろく見ることができた。映画ならではの音響、視覚効果を使って、怖さを表現している。いちばんこわかったのは、あんなものがテレビから這い出して来る所。夢に出てきそうだ。リングは何やら訳の判らない得体の知れない怖さ、らせんは訳が分かってしまった後の理念の怖さがある。続編ループが出版されるらしいが、どうなるのだろう、楽しみだ。しかし2本立ては尻が疲れる。

CREATE:02/01/1998 by Kiyoharu Otake

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