雑記林花或木
[2001/07]
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(2001/07/28)猿の惑星

 見に来ている年齢層がやたら高い。懐かしがって見に来る人が多いのかな。そのせいかどうか、待ち行列のどこかのおじいちゃんが倒れて救急車で運ばれていった。涼しかったのに。

 ティム・バートン監督、猿の惑星2001。猿の惑星というと、衝撃のラストシーンが印象深かった。旧作を上回るラストシ−ンは、なかなかできるものではないが、今回のラストシ−ンも笑わせてもらった。

 猿顔のメーク技術も進歩して、表情豊かな猿が大活躍。表情豊かすぎて、どこかに、素でこういう顔の俳優がいたなあ、と思ってしまうくらいだ。中でも猿将軍セードの、いかにも悪辣な顔つきが、いかにも猿猿していてよかった。美人猿アリは、人間に近づけて人間の感覚で美しさを表現したから、猿らしく見えず、逆に違和感がある。ネアンデルタール人みたいな中途半端な気分だ。猿は猿らしく、人は人らしく、それが猿の生きる道。

 感動で泣くような映画ではないが、ワクワク度は充分で、面白い。また続編でも作ろうと目論んでいる可能性も充分。帰ってきた猿の惑星、猿の惑星よ永久に、猿の惑星望郷編、猿の惑星V3、猿の惑星アマゾン、猿の惑星マン・・・

猿の惑星:オフィシャルサイト

(2001/07/20)千と千尋の神隠し

 生きている不思議 死んでいく不思議♪

 千尋が迷い込んだのは、異次元の町、神々の湯治場であった・・・・・・

 初めて予告編を見た時から、気になって気になってしょうがなかったジブリのアニメ。その異様なありさまは、もののけ姫に勝るとも劣らない。奇妙奇天烈へんてこりんてんこもりな奴らが出るわ出るわ、そりゃもう、これでもかってほど出るわ。みんな単なるバケモノかと思っていたら、神様らしい。神様ったって、そんじょそこらの神様じゃない。そんじょそこらの神様ってなんだ? 人間が思う神様は人間の格好をしている。それは人間のエゴで、人間こそが理想の姿であるなんて妄想の産物である。とは言え、人間が自分と同じ格好の神様を想像するのは無理も無いことでもある。だから大根の神様やひよこの神様が人間の格好をしているわけなど無いのも当然。やおよろず森羅万象の神様が姿を見せるのだから、その異様さは推して知るべし。

 不思議な町並みがまた摩訶不思議な異国のような、自国のような、何か懐かしい気配のする昭和の日本語。なんとなくラーメン博物館のジオラマを思い出す、鄙びた温泉情緒。そしてひときわ威容を誇る湯屋。すごい、この古めかしさ、禍禍しさ。中を想像するだけでワクワクしてしまいそうな佇まい。確かにどこかのヘルスセンターを彷彿させる。この絵を見るだけでもうゾクゾクしてくる。

 ふとしたはずみで迷い込んでしまう不思議な世界の出来事は、映画の醍醐味。アニメだからって子供にだけ見せておくわけにはいかない。大人でも楽しめる←精神年齢が子供かもしれないが、そんなアニメを造る人だって、見た目は立派な大人なのだ。

 絵から想像して、かなり鬱なアニメかと思っていたが、意外にあっけらかんとした味付けだった。ターゲットは子供だもんなあ。ずいぶん面白かったが、実を言うともっと暗く落ち込んだアニメを期待していたのだ。お気に入りキャラクターは「カオナシ」「坊ネズミ」「頭(3つのオヤジ頭)」

千と千尋の神隠し:オフィシャルサイト

(2001/07/19)お笑いブルマー泥棒

 蒲田でブルマー泥棒のおじさんが逮捕された。自宅には女性用下着などが400枚みつかった。

 おじさんの言い訳:「2〜3年前から路上に落ちていたものを拾ったです」

 うひゃぁヽ(。_゜)ノ

 俺は運が良いのか悪いのか、路上に落ちている下着など10年に1枚くらいしかお目にかかれない。ましてや路上に落ちているブルマーなど一度も目撃したことが無い。軍手ならときたま見るが。このおじさんは余程、運がいいか、目がいいか、路上パンツのメッカを知り尽くしているのだろう。平均3日に1枚は発見していることになる。いやはや・・・

 だいたい路上に落ちている下着を見ても拾いたくないぞ。拾ってゴミ箱に捨てるという大義名分があったとしても触りたくないぞ。

 おじさんに言いたい。警察で弁解するときに、ウケを狙ってはいけない(∵)/

(2001/07/14)パール・ハーバー

 2時間50分の大作だったが、寝なかった。いろいろと物議をかもしていたが、放映中止にならなくてよかった。真珠湾攻撃がどんなふうに起こったのか、この映画を見ればだいたいの概要はわかる。トラトラトラなんかも見たはずなのだが、忘れてしまった。日本人が悪く描かれている、とか言われていたが、確かにこの映画での日本人は真っ黒い吸血ゴキブリみたいなイメージだった。そいつらが空を飛んでワサワサと押し寄せてくるって感じ。でもまあ戦争映画ってそんなもんだろう。敵国は悪魔のように見えてもしかたあるまい。アメリカ映画なんだから。日本の戦争映画なら鬼畜米英はわけわからん言葉を喋るデカイ死神みたいに描かれるんだから、どっちもどっちである。日本軍は映画の中で日本語を喋っていたが、日本語を知らないアメリカ人が見たら、ゴモゴモと異様な言葉を喋っているアジア人に見えるし、中国人も日本人も区別つかないだろうし、黒い軍服で攻撃準備をしている山本五十六率いる首脳陣などは、それこそゴキブリの親玉みたいに見えるだろう。同じ真珠湾攻撃を日本人が作ればまた別な映画ができあがり、あるいはアメリカ人から非難されたりするのかもしれない。

 見ていてふと思った。いかなる事情にせよ、戦争を仕掛けた以上、どんな報復を受けても文句をいうのは筋違いじゃないか。それは、通り魔が通行人を銃で撃ったら避けられたので、跳ね返った銃弾で自分が怪我をして「なぜ避けた」と文句を言うのに似ている気がした。戦争に卑怯も非人道的もない。戦争そのものが狂気の沙汰だから。戦争するのなら友も肉親も誰も彼も惨たらしく死に絶える覚悟でするべきだ。生きていたら儲けもの。死んで当然。戦争映画を見ていつも遣り切れないのは、下っ端が死んで先導者が生き残るところだ。

 CGがスゴイかどうかなんて、もはやわからない。スピーディな画面展開でどこがCGでどこが実写なのか区別もむずかしい。爆撃シーンは迫力満点で、ゼロ戦はじめさまざまな戦闘機の飛び交う姿は、戦闘機フェチだったらよだれが出そうな映画だろう。なんか本物のゼロ戦も飛ばしたらしい。予告編にもあったが、投下爆弾にひっついてく視線で軍艦に迫るシーンなどは面白い。

 ベン・アフレックとケイト・ベッキンセ−ルのラブストーリーも戦争と同時に進行して行く。戦争で引き裂かれる愛の物語など、ありふれたシナリオだが、ありふれているだけ感情移入しやすいシナリオでもある。それにしてもなぜか胸が熱くなるほどの感動が沸いてこなかった。ただ淡々と、その時を生きた人々の生きざまを鑑賞していたような気分である。銃を撃ったこともない給仕係の黒人兵士が対空機関銃でゼロ戦を打ち落とそうとするシーンがいちばん感動したというのも妙なものだ。

 しかしまあ、迫力があって見ごたえもあるので見て損はない。ケイト・ベッキンセールの看護婦コスプレもマニアには必見か?!

 ここ数日の猛暑、チケットを買う行列の暑そうなこと。猛暑を乗り切るには前売りが吉だな。

パール・ハーバー:オフィシャルサイト

(2001/07/13)クロコダイル・ダンディー in LA

 ひさしぶりのワニ男、って書くと、ハエ男みたいじゃんか。ワニ狩り名人が都会でハチャメチャやらかすカルチャーショックコメディだから、それなりの面白い。しかしやりそうなことは前作と同様でだいたい想像がつく。今回はワニがたいして活躍する場がない。全編、お笑い満載で楽しい映画だ。なんとなく「あのワニ男をもういちど」みたいな感じの映画だったけど。

クロコダイル・ダンディー in LA:オフィシャルサイト

(2001/07/08)あほらしか5周年

 とうとう5年たってしまった。5年間のアクセスは約258000。毎年書いておくと後で参考になるなあ。って毎年書いている。去年までは順調に伸びてきたが、少しダレ気味になってしまった。ダレのせい? オレのせいか。

 この1年にできた新コーナーは無い!\(●o○;)ノ" あえて言うなら表紙のパンツがネットスケープ専用パンツからie対応パンツになったことぐらいだ。リボンもついたし・・・これはアイルトモというおっさんの要望があたからである。そういえば『あほらしかiモード版』もできたけど、特に新ネタというわけでもなく、更新もしていないので、見てもしょうがない。ダイアログにアメリカ人用を追加したが、これも新ネタではなく、外人にも理解できるようにしただけである。外人が理解できることと、外人が笑えることとは別物だと思うが・・・

 ふと思った。10年後もこうやって阿呆なことを続けていられるのだろうか。その反面、10年後にはこんなことやってたくねえな。どっちも正しい。10年後の世の中が相変わらず今と同じなら、オレも同じなのかもしれない。10年後のWEBというものが、今とまたく様変わりしていたら、無益なHPなど消失しているかもしれない。そうなれば化石みたいに残っているのも問題だ。インターネットの世界のスピードは余りにも速いのだ、10年後の想像などつかない。そもそもパソコンでインターネットアクセスなどという概念があと何年続くのかも疑問だ。WEBの全てがテレビのような動画になっているかもしれない。静止画のホームページなど意味をなさない時代になるかもしれない。往年のキャプテンシステムみたいに。そして動画WEBを見るのはパソコンではなく、ウエアラブルビューワーである。寝るときも歩くときも装着済みのビューワーで、素人も玄人もなく自在に閲覧できる。1セット9800円、豪華イエローゴールドセット148000円。ノーブランドバッタモン980円。メガネ状の装置にて眼で見ると疲れ眼になるので、直接、脳で見ることになる。但し、余りにも直観的なので阿呆なネタでは気が狂うこともある。万が一のウイルスでは死者続出。いいのか? それで・・・

 例によって5周年記念物品も無い!\(●o○;)ノ"

(2001/07/04)toto換金

 第14回サッカークジtotoが当たって、今日換金してきた。2等で2875円と思ったら、3等3口も当たりだそうで、700円×3で2100円、合計4975円になった。棚から豚餅、ちょっと盲点だった。800円買ったということは8通り買ったことになり、そのうち4通りが当たりだったことになる。宝くじの気分だったので、ぜんぜん考えもしなかった。信用金庫でしか換金してくれないので、仕事中行けないから不便だな。宝くじみたいに低額なら売り場で換金とかしてくれたらいいのに。

(2001/07/01)A.I.

 鳴り物入りで始まったロボット映画、キューブリックが成し遂げられなかった夢を引き継いだスピルバーグの最新作となれば、見ないわけにも行かない。窓口で千円つき返されて「あ、今日は映画の日か」とようやく気づき、棚からボタモチが800円戻ってきたラッキー。チネチッタでも多数の入場を見込んで2館で時間差上映している。

 押しも押されぬ子役の王様ハーレイ・ジョエル・オスメントが演じる人工知能デイビッド、愛情を装備した最新ロボットとして、ある夫婦の家庭に届けられるところから始まる、長い長い物語である。そのまま幸せに暮らしました、では映画にならない。ロボットならではのさまざまな問題が生じて、デイビッドは窮地に追い込まれてゆく。終盤はもうたいへんである。目頭が熱くなってしまう。想像できてしまう次の展開を思うと、ますます目頭が熱くなってしまった。勘弁してくれ〜。

 SF映画は、誰も知らない未来の世界をリアルな映像として我々に見せてくれる。もしかしたら本当にそうなるかもしれないと、期待したり不安になったり、映画の数だけ異なる多種多様な未来像を見てきた。そして今日また別の未来世界をスピルバーグがひとつ披露してくれた。どれが真実なのか確かめることができないのが残念だ。あるいは知らないほうがいいのかもしれないが。

 最近のロボット映画といえば、感情を持ったお手伝いロボット、アンドリューNDR114、死なないロボットの寂しさ。そして手塚治虫のメトロポリスにも出てきたロボット狩り。ロボットにまつわるエピソードは誰でも考えそうなものが多く、この映画もだいたい似たような要素が組み合わさってできている。しかしスピルバーグの魔法の手にかかると、思わずホロリとさせられるような抜群なヒューマンドラマが出来上がってしまうようだ。今年いちばんの映画かどうかは別として、これはこれでいい映画だと思う。

A.I.:オフィシャルサイト


CREATE:07/01/2001 by Kiyoharu Otake

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