久遠の絆・サウンドトラック「技術」解説 |
『昨日のように明日のように』 [ Disk01 / Track05 / Time 2:36 ]
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いわゆる「ローズ系エレピ」の弾き方のお手本のような曲です。
ローズ系といっても「薔薇」ではないのでお間違いなきように。開発者の名前だったと思います。
エレキギターで有名なフェンダーが作ったエレクトリックピアノで、トーンバーという共振棒を叩いて発音する仕組みになっています。その棒の振動をピックアップがとらえて音が出るというものです。
最近では電子式のピアノに取って代わられていますが、グランドピアノに鍵盤数だけピックアップを付けるという大技を使ったヤマハのエレクトリックグランドが出現するまでは、最高の「エレピ」でした。
ちなみに、電子式のピアノが出始めた頃は、物理的な共振体を持っているものは「エレクトリック」、電子回路で音を作るものは「エレクトロニック」と言い分けてたような記憶がありますが、サンプリング系の音源が出てから、なし崩しに全部「エレピ」になっちゃいました。
閑話休題。
「ローズ系エレピ」の大きな特徴に「クローズド(近い周波数の音がぶつかる)テンションの高いコードを弾くと音が濁る」というものがあります。
ですから、テンションの高いコードは歯切れ良く、音を伸ばす部分は「オープンな(使っている音の間隔が広い)コードを使う」という奏法上の工夫が必要になります。
これが、バラード系で使いにくいという面があるので、FM音源のエレピが一世を風靡したのですが、この音の濁りのパーカッシブな部分はこの音色でしか出ないものなので、奏法上の限界を知っているなら、使う価値はあります。
この曲はスタカートで弾く部分とそうでない部分にハッキリ区別を付けていますが、その理由は上に書いた通りです。スタカートの部分は、それなりの味が出ていると思います。
R−chのギターをもっとリアルにしたかったので、ギターをダビングするか迷いましたが、SG−01kのギターをレイヤーすることによって、ギターが「フェンダー臭く」なったので、鍵盤を叩きまわってギターカッティングを作ってみました。「何のエフェクターも掛かっていないギターカッティング」は非常に作りにくいのですが、今回は、結構気持ちのよい出来だと思います。
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