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ビーグルIII世号シリーズ:←前のエピソード | 次のエピソード→
ドラゴンスター |
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太陽系外第2期調査船「ビーグルIII」報告書No.81より抜粋
我々が鯨座タウの第2惑星ネオテバイで出会った知性体は、驚くべきことに地球の恐竜に相当する生物が滅びずに進化した種族であった。
われわれ生物班はこの種に直立龍人=ピュトノサウルス・エレクタスと命名した。
前回の報告書でも触れた通り、タウ2は地球と相似の惑星であり、北半
球は生物相も現在の地球と相似である。
しかし、南半球の孤立した大陸ドラコニアでは、地球の白亜紀に相当する生物相が優勢であり、いわゆる恐竜類が繁栄している。
遠い過去、地球と同じように恐竜類の大絶滅が起こったが、なぜかドラコニア大陸だけが滅亡をまぬがれ、知性を持つ恐竜を生み出した。
天は焼かれ地は渇き、巨大な竜たちのあるものは死に絶え、あるものは生き長らえた。その明暗を分けるものはなんだったのか。
竜の星ドラゴンスターは、竜人たちと1年以上すごした現在も、いまだ、われわれに謎の答えをあたえてはくれない。
2399年09月14日 主席生物調査官ゲリー・カーライル4世記述
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ネタは「ビーグルIII号の冒険」=「宇宙の美女図鑑」の流れですが、もともとはNIFTY-FGALAGの1999年版SFカレンダー企画に参加したものです。
絶滅直前のような暗めの題材になってしまいましたが、天空を横切る一筋の光は、果たして希望の流星か、恐怖の大魔王か。
ドラゴンスターが希望の星であることと、1999年が希望の年であることを祈りましょう。
なに、恐怖の大魔王なんて来やしないって。