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例年の定期検診のレントゲンでひっかかって胃カメラを飲む羽目になってしまった。
結果そのものもそうだが結果次第でふりかかるもろもろの面倒を考えると、うんざりしてぞっとする。このサイトもどうにかしなきゃならないし。
検査自体はこわくなかったけど、喉を麻酔して横になり、太さ1cmはある黒いチューブの先のレンズが光っているのが口に近づいてきたときは、びびりつつ、エロゲーで少女を襲う謎の触手を連想してしまった。いいおやじの考えるこっちゃないね。
結果は、全然きれいなもので潰瘍のあともなし。それぞれの部位を撮ったカラー写真をおみやげ(?)にもらったけど、ピンク色でなかなかなまめかしいのもあって、うまくトリミングすれば、猥褻な写真に見えないこともない。アイコラの材料にどうだろう、なんて悪いことは一瞬だけしか考えなかった。
ちょっと胃炎にはなっていたので胃薬をもらって終了だったが、あきらかに再検査となってのストレスが原因。検査が体に悪いのでは考え物だが、こどもたちに写真を見せてドッヒャーなどと言わせてストレスを解消する。安上がり。
近くにできた古書店をひやかしにでかけたが、一般書よりマンガの品揃えが充実している。来たのは2回目で、前回はなつかしき『
1・2の三四郎』文庫判をごっそり買ったが、今回は
やまだ紫の『
Blue Sky』を購入。
やまだ紫は
COMでデビューした当時リアルタイムで読んでいたが、今にいたるも描き続けているのだね。と言っても連載は8年前、文庫に収められたのも4年前だが、私にとっては昨日のようなものだ。『Blue Sky』は「婦人公論」に連載していたと聞いてちょっと退いていたのだが、読んでみるとどうしてさすがにいい話だった。偏見を反省。
ひどい亭主と別れてスナックを始めた二人の子持ちの女性、36歳。子育てと店の切り盛りに追われる日常。ある日アルバイトに12歳年下の青年が応募してくる。
もちろん二人は恋仲になるのだが、結ばれて大団円、では全然ない。二人がお互いの気持ちをたしかめあうのは話の前半で、そのまますんなり一緒になってしまい。恋のライバルなんてお約束のキャラクタはでてこない。前の夫はとことんイヤな奴で焼けぼっ杭に火がつきそうになったりはしない。
一緒になってからの二人の、子供たちや二人の肉親や親類や店の客たちとの関りが色んなあざとくないエピソードの積み重ねで描かれる。
もちろん二人や子供たちの間が常に平穏であるわけでなく、心理的事件がリアルに描かれるわけだが、TVドラマにありがちないかにもな誤解・反発・和解なんて臭いパターンは一切出てこないので、安心して読み進むことができる。
離婚に至る夫の描写とか、独り身で水商売を始めたヒロインへの男たちの目、など、男の身として実に思い当たることあって痛い。実際に同じことをしたというのではなく、心理的にだが。いや本当。
絵も一見稚拙に見えるが、極限まで無駄を排したシンプルな描線が、内容とぴたりとあって、情感を伝えてくる。というよりこちらが想像で埋めていく余地を残しておいてくれる絵、想像力を引き出してくれる絵と言ったらいいかもしれない。
◇
小林泰三『人獣細工』(角川ホラー文庫)購入。
昨夜の「クローズアップ現代」は『クラゲ来襲−大量発生の謎』。
原子力発電所の取水口を埋め尽くして発電不能にしたり、漁船の網がクラゲの重みで切れたり、海に雲のようにただようその数・量は驚くばかり。陸地で言えばイナゴの大発生(飛蝗って奴ですな)という解説が簡にして明。
なにより困るのはクラゲと同じプランクトンを食べるイワシなどが激減してしまうこと。大きな発生原因の一つは、人間がクラゲの生態系上の競争者であるイワシなどを取り過ぎたこと、というのだから皮肉な話だ。
他の原因として考えられているのは
●海水温が上がって冬を越せるようになったこと。
●工場廃水生活廃水に含まれるリンなどが、小さなプランクトンを増やしていること。
イワシなどが接食するのは大型のプランクトンで小型のはクラゲしか取らない。
●海岸線が埋め立てられ、クラゲの卵がつきやすい垂直コンクリート岩壁が増えていること。
ほとんど、人間が原因、自業自得という成り行きなのが情けない。現在クラゲの大発生を抑える有効な手段は見つかっていないそうだ。
来年あたり泳ぎに行った海岸で、白い波頭をよく見たら全部クラゲだった、なんてことになったらたまらない。
どうせならウニとか毛ガニとかアワビとかに大発生してもらいたいものだが、なぜかこういう場合、役にたたない困ってしまうものばかり増えるのだよね。(問題になっているミズクラゲという種類は食料にはならない)
今年と来年の干支にかけたのでもあるまいが、国会はいかにも龍頭蛇尾な結末。結局、「電気がないとこでもiモード」の森総理はまだ辞めんのだね。
◇
ちょうど、アンドロイドを描いてるところにふさわしいトピック。
ホンダヒューマノイドロボットに新しい仲間、ASIMO誕生。
「ASIMOとは、Advanced Step in Innovative Mobility。 これは、新しい時代へ進化した革新的モビリティーを意味します。」って、嘘だろう。素直に「アシモフ博士にオマージュを捧げます」って言っちゃうと色々とまずいのかな。パシフィコ横浜でやるROBODEX(11/24〜26)で一般公開されるらしいが、行った人は「アイザック♪」とファーストネームで読んであげよう。
できればモミアゲがほしかった。タイプライターを狂ったように叩き続けるともっといい。さらにきつい顔の女史風がソフトウエア担当だといいのだが、スーザン・キャルヴィンは1982年生まれだからまだ高校生だ。21世紀の楽しみに取っておこう。
・・・・ちょっと、妄想と現実の境界があわわになってきたのでこの辺で。
アイザック・アシモフの生んだ名ロボット学者スーザン・キャルヴィン博士の生涯については次のURLに年表があります。
スーザン・キャルヴィン博士(Dr. Susan Calvin)とその時代◇
『ドリトル先生の英国』読了。→レビュー。
小林泰三『肉食屋敷』(角川ホラー文庫)読了。
魚柄仁之助『魚柄の料理帖』(知恵の森文庫)購入。
芸術新潮『
異能の画家 伊藤若冲』読了。
『美の巨人たち』も『新日曜美術館』も朝日新聞の『名画日本史』(これは先週だが)も若冲の特集。やけにこの『畸の画家』が脚光を浴びてるな、と思ったら今年で没後200年なのだね。絵については私などが拙い紹介をするより芸術新潮を読む、もしくは今京都で開催されている展覧会を見てもらうのがいいのだが、興味深いのはその人間像。
裕福な青物商の跡取りに生まれながら仕事も学問も遊びも女もダメ、というより興味がない。絵に目ざめてからは只ひたすらに絵三昧に生きた後半生。その鮮やかな色彩が今も色褪せず残っているのは、財豊かであったがために惜しげもなく使った高価な絵の具と紙・絹のおかげだという。まさに究極の理想のオタクと言っていい人生だが、その絵はだれの亜流でもなく、先人のいない邪道とされる技法でさえ追求していく姿勢は、やはり(消費が主体である)オタクとは一線を画すものだろう。
世俗的名誉や金銭的成功は一切もとめなかったようだが、彼の真価を認める一部の知識人がちゃんと存在したことも江戸文化の奥の深さなのだろうか。
◇
『似顔絵』読了。→レビュー。
京極夏彦『巷説百物語』(角川書店)読了。
妙に読了本が多いようだが、これは一度に数冊併読しているため、時に読了が重なる日があるせい。まとまった時間がないので、通勤時、トイレ時、就寝前時などに分けて読んでいる。若い時のような集中力もないので、それぞれ別の本を読んで目先を変えているというわけ。効率が悪いようで、毎日続けていれば結構読めるものである。それでも日々積読が増えていく・・
「神の手を持つ男」とも「超能力者」とも呼ばれた東北旧石器文化研究所の藤村新一前副理事長。在野の学者だったと聞くと
松本清張の小説に良く出てくる、「権威的な学会から無視されながらもコツコツと研究を続ける民間学者」を連想してちょっと同情してしまうが、やったことの影響は大きい。
この事件でよく引き合いに出されている「
ピルトダウン事件」。19世紀はじめに起きた化石の偽造事件で、チャールズ・ドーソンという学者他3人が首謀者とされている。彼らが「発見」した現世人類と初期人類をつなぐ「ピルトダウン人」の化石は、結局ヒトの頭骨にヒヒの顎を取り付けた「作りもの」であることが判明した。ただしその時「犯人」たちは寿命をまっとうしてこの世にはいなかったのだ。
この二つの事件で私が思ったのは、名誉欲や野心の弊害でも、考古学界の検証のあり方でもなく、「
みんなが発見したがっているものが発見される」ということである。
ピルトダウン人のような「偉大な頭脳を持った猿人」こそ、当時の学者が発見したかった化石だったのだろう。今ではヒトの進化は「脳主導」ではなく、「直立」が先で手で道具を使い火を使うことで、顎が小さくなり脳が発達してきたと考えられている。まさしくエンゲルスの『
猿が人間になるについての労働の役割』(大月文庫)だ。
しかしピルトダウン人事件当時は、まるで「神の意志」を体現したかのようなスーパー猿人の化石を待望する気持ちが多くの科学者たちにもあったのだろう。
貧弱な頭脳を持つオーストラロピテクスやピテカントロプスが「アダム」だとは思いたくなかったに違いない。
「20世紀のドーソン」藤村氏の「発見」した石器にも疑義の声は随分あったらしい。欧米の同年代の地層から発見された石器に比べて精巧度が随分上なのに、これを発見年代の誤りというようには考えず、
「日本の原人は他国より頭が良かった」という解釈がまかり通ったというのだから、これこそ「発見したいものが発見される」である。
「旧い方が価値がある」というのもおかしな話だが、「日本(世界?)最古の原人がいた」というのは観光資源にもなるのだろう。
藤村氏の捏造がばれなかったら、どんどん旧い年代の石器が「発見」されたのだろうか。恐竜の化石と一緒に発見されないうちに捏造が明らかになったのは不幸中の幸いだ。フリントストーンじゃないんだから。
◇
南條竹則『ドリトル先生の英国』(文春新書)、山藤章二『似顔絵』(岩波新書)購入。
ゴア対アース、じゃなかった、ブッシュの対決の決着はまだのようだ。
フロリダ州の「数え直し」、これで逆転なんてことになったら、他の州だって信用できなくならんのかな。
このままブッシュが当選したら、総得票数はゴアに負けての勝利ということになって、選挙制度の見直し必至ということのようだが、日本の衆議院の選挙区格差は3倍以上はザラにある。米大統領選で負けた方の得票率が2倍以上だったらどんな騒ぎになることだろう。
上院議員に当選したヒラリー女史は次当りの大統領選に出馬するのだろうか。ビル・クリントン君はがんばって離婚されなければ、ファーストハズバンドとして返り咲きか。サミットににこにことヒラリー大統領についてくる姿を見たいような気もする。
◇
レイクエンジェル・マニア「レ」担当 Leslely Shields レスリー・シールズ
身長:167.6cm 体重:47.6kg IQ:170
元フィギアスケート選手 好きなレスラー:カート・アングル
「イ」担当 Isabella Masinas イザベラ・マッシーナ
身長:167.6cm 体重:52.2kg IQ:195
元体操選手 好きなレスラー:HHH
「ク」担当 Kristy McGillis クリスティ・マクギリス
身長:161.5cm 体重:47.6kg IQ:220 73年2月16日生まれ
体脂肪率:15% 血液型:A型RH−
職業:教師 最終学歴:ケンブリッジ大学
好きなレスラー:アンダーテイカー
「カンペキだ!」担当 ジーコ
元サッカー選手
好きなレスラー:?
(以上(株)レイクの公式資料?より)
レイクエンジェルマニアは私ではない、借金もしてないし。
ネタ元:2chのプロレススレッド。ネタかもしれないので注意。しかしレイクエンジェルとプロレスにどんな関係があるのだろう?
◇
『夜に聞く歌』読了。→レビュー。
本メモのちょっとした間違いを訂正したので、今日付けの記事を書いていないのにトップページの「魔魅夢MEMO」の日付部分が変わってしまった。こういう時に限って書きたいネタもないし、都合よく面白い夢をみたりもしない。
仕方がないので、昔(9年前)息子が見たという夢の話でも書いておく。
友達とプールに行こうとすると、おかあさんに「ダメ」と言われた。でも行ってしまった。するとおかあさんが大きくなって追いかけてきてスポーツセンターのプールを踏み潰して大暴れ。警察がやってきたので「あれは、おかあさんだから撃つのはやめてくれ」とお願いしたが、おかあさんは警官とパトカーも踏み潰してしまった。
おかあさんは街中のビルをどんどん壊し、おとーさんの会社のビルもドーンと壊してしまった。僕は友達と戦車にのって大砲を撃つと、おかあさんは倒れて、頭のコックピットが開いた。中からは悪い奴らがぞろぞろと出てきた。
終わり。
ちなみに妻は大柄でもないし凶暴でもない。息子と仲が悪いわけでもない。会社のビルと言っても当時私の勤めていたところは自社ビルではない。
これを息子から聞いたときは家族中で爆笑したのだが、これを書いたのを妻が知ったら怒るだろうなあ。これだけ危険をおかして書いても、他人には面白くもおかしくもないと思われる。
ご寛恕を乞う次第である。
◇
消費者ローン「レイク」のCMの「レイク・エンジェル」は「チャーリーズ・エンジェル」のパロディなのだね。リメーク版の「チャーリーズ・エンジェル」はキャメロン・ディアスはともかく、あとの二人はちょっとなあ。「レイク・エンジェル」の方がまだオリジナル版に近い雰囲気だと思うが、どうだろう。
当時「セックスシンボル」とまで言われたファラ・フォーセット・メジャーズはどうしているのだろう。
大崎茂芳『クモの糸のミステリー』(中公新書)読了。
別に『スパイダーズ』を見たからではなく、以前から読んでいたのだが、うーむ。
アメリカ陸軍では鉄線より強い繊維を作る蜘蛛の遺伝子の培養を研究開発しているらしい。もともと蜘蛛の糸は力学的強さや弾性に非常に優れている。防弾チョッキの素材として有名なアラミド繊維やケブラー繊維の破断伸び率は4%程度だが、蜘蛛の糸の破断伸び率はなんと20%もあるという。
蜘蛛をスペースシャトルに乗せて軍事開発を行うという『スパイダーズ』の設定も、まんざら荒唐無稽ではないではないか。
超のつく映画マニアのプロデューサーがいるNHK−BSの映画放送はいつもしぶいラインナップで感心させられるが、今回の「ハードボイルドな女シリーズ」はエンターテインメント路線。それでも『私がウォシャウスキー』から『グロリア』というチョイスはやはりしぶい。
2作品観比べると、後者が断然すばらしい。
キャスリン・ターナーの女探偵V.I.ウォシャウスキーはかなりのスーパーウーマンだが、グロリアの登場シーンは、疲れた中年女以外の何者でもない。
切らしたコーヒーを借りに行った隣家は、マフィアを裏切った会計士の一家で復讐される寸前。子供嫌いのグロリアは6歳の長男を託され、一緒に逃げる羽目になる。
逃走途中で最初に一泊したのが謎の豪華なマンション。しばらく前まで使っていたようだがグロリアの家なのかどうか判然としない。ここも次の日には追っ手がやってきて、またまた逃げ出す。子供と一緒に走ると息が切れてしまうような頼りなさで車もなく、たいして逃げないうちに組織の車に捕捉される。追っ手とかわす言葉でグロリアは連中と顔見知りだということがわかる。ただ突っ張っているおばさんだと思っていると、話が決裂した途端、すさまじい早撃ちで銃をぶっぱなす。敵の車は逃げようとして横転。謎のマンションと言い拳銃の腕といい、この女はなにもんだ?!
もちろん、マフィアと深い関わりのある女のわけだが、このあと子供嫌いの年増女と家族を失って頑なになった少年がすったもんだの逃避行、だんだん離れがたくなり・・という二人の心の交流、変化の綾は過不足なく描かれるが、その辺はまあお約束。
観るべきは、二人が逃げ回るニューヨークを映す見事な映像(撮影フレッド・シュラー)。強大な組織に追い詰められ常に張り詰めた緊張感の中にいながら、決して弱音を吐かないタフな女=ジーナ・ローランズ(本作の監督ジョン・カサヴェテスは夫君)の名演。ハイヒールの脚がかっこいい。
作中でジーナがとっかえひっかえする衣装はエマニュエル・ウンガロ。美しい色合いが、くすんだニューヨークの下町の背景に意外に良く映える。しかし、子供の方は着たきり雀なのはちょっと可哀想ではないかい。
ヒロインのフルネームに往年の名女優グロリア・スワンソンを使ったのはどういうわけなんだろう。本名ではない、ということを暗示してるのかな。
1980年の作品だが、昨年シドニー・ルメット監督、シャロン・ストーン主演でリメイクされた。リメイク版の例にたがわず、だいぶ外したらしい(観てはいないが)
柔道出身の
小川直也が空手出身の
佐竹雅昭に勝ったらしいが、実はあまり興味はない。むしろ、
アントニオ猪木がプロデュースというところが、なんとも興味深い。幾多のスキャンダル、膨大な借金にもめげることなく、この男は不死身だね。
前田日明の年下の元師匠田中正悟氏、骨法の堀辺師範、正道会館の石井館長を、格闘技界三大うさんくさい男(私ではなく田中正悟氏が雑誌で自虐的に言っていた)と言うらしいが、三人束になっても、あざとさでは猪木の足元にもよれないでしょう。
ちょっと面白いスレッド→
格闘技に関する懺悔・カミングアウト。お暇なときにどうぞ。
◇
左の絵は絵日記のテスト。単に文書にリンク書いただけだけど、画像は別にアップロードしなければならないのがちと面倒。CGIの次期バージョンには画像をアップロードできる機能をつけようかな。
描くのに使ったのはフリーツール
オープンカンバス。凄く軽くて立ち上がりが早いので、簡単なスケッチなどにはよさそうだ。
◇
『喘ぐ血』読了。→レビュー。
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