◆ まみむめも - 魔魅夢MEMO ◆ HOME
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高橋尚子がいいのは、コメントを求められたときなど「嬉しく思います」なんていう気持ち悪い言葉を使わないことだね(過去にも記憶がない)。昨日もちゃんと「嬉しいです」と言っていた。
「嬉しく思います」って言っていいのは皇族だけにしようよ。
しかしQちゃんも30歳か。ん、ということは貴乃花と同級生だ。だからどうした、というわけではないが、どっちも強いねえ。
女子マラソンとして世界初の国際陸連公認レースは1979年の東京国際女子マラソン第一回大会。このときから見ているけど、一、二回と二連覇した
ジョイス・スミスは上品な感じのイギリス夫人でした。記録は2:30:27(第二回)。20年で11分も縮まったというか、11分しか縮まっていないというか微妙なところだね。
スミス夫人が2時間30分ちょっとで走って優勝したのは、彼女が
42歳のとき。しかも娘二人の母親だった。
高橋尚子選手も結婚したり子供産んだりしても、それでも走ってたまに優勝したりしたら、かなりかっこいいんだけど・・・・
・・・・やってくれ。
大きな河(隅田川か?)のそばの土手の上にいる。右下の河原には息子と娘がいる。二人の年齢は現在から少しさかのぼっている。中学生と小学校高学年くらいだろうか。
二人の先の川面に、なにか巨大な変なものが浮かんでいる。
4mくらいある河豚だ。最初はつくりものなのか生きているのかわからない。
白地に青い斑紋があり、ぽっかりと横腹の中央が空いている。肌の質感は紙を何枚も重ねて糊で固めたような感じ。要するにハリボテっぽい。つくりものなのだろう。
兄が止めるのもきかず、娘が河豚に飛び乗り、空いた中央部に入ってもぐりこんでしまう。
たちまち河豚は空気が抜けたようにしぼみはじめ、ぶくぶくと泡を出して沈んでしまった。もちろん娘も一緒だ。
息子に大声で「○○○(娘の名)に泳いでもどれと言え!」とどなる。
息子が何か言っている。
河豚が沈んだあたりから、娘が泳いでもどってくるのが見える。
なぜか水面に顔を出さず水面下をバサロでもどってくる。
これで安心だな、と思ったところで目がさめた。
◇
『Mr.クイン』読了。→レビュー。
【北朝鮮拉致事件】朝鮮総連に激震。
日本人拉致事件で一番こわいのは、金正日将軍様が認めたにもかかわらず北朝鮮民衆は何も知らないということだ。
日本ではマスコミは悪者ということにするのがはやりだけど、北朝鮮とその他の国との違いはマスコミがあるかないかだ。
プライバシー保護の名目でマスコミを規制するというのは、民衆が自分で自分の耳をふさぐことになるのは間違いない。プライバシーは(時にはコストをかけて)自分で守りましょう。
だから外務省がやった一番いけないことは、細部を隠蔽したことだ。馬鹿な国民はよらしむべし知らしむべからずということなのだろう。本当に一番知られたくなかったのは、自分たちが国民と同程度の馬鹿であるという「衝撃の事実」なのだろうが(衝撃じゃないって)。
知られていけないことなんてこの世にはない。両親は夜セックスしているし、プロレスの勝敗はすべてあらかじめ決まっているし、死んだらなんにもなくて、神も仏もUFOも人間の脳内だけの存在だ。
*
日本人拉致だけでなく、北朝鮮の過去の犯罪には、たとえば大韓航空機爆破事件がある。蜂谷真由美こと
キム・ヒョンヒ(金賢姫)だ。
リンク先の写真はあまり美人に撮れてないが、事件直後、金賢姫の美貌が電波に乗ったとたん、マスコミの空気が一変したことを覚えている。韓国では結婚の申し込みが殺到したというから驚いたというかなんというか、苦笑してしまいました。
数年前、金賢姫は執筆や講演で生計をたてているという記事を読んだことがあるが、今はどうしていることやら。
やったことは搭乗客115人全員が死亡したという大犯罪だ。美人でなかったら、死刑もありえたのではないか。美人は得だが、美人でなければ工作員に選ばれることもなく殺人をおかすこともなかっただろう。
しかし、罪を犯して捕まり裁かれ、結果として北朝鮮を脱出して今は別の(たぶん北朝鮮より自由で豊かな)世界にいる。本を出して日本でまで出版されたりもしている。美人はそうでない人より、良くも悪くも波瀾万丈な人生をおくる機会にめぐまれているということだろうね。
どんな国家体制であってもだ。
だいたい金賢姫以外にも捕まった犯人はいたはずだけど、全然覚えてないもんね。
◇
小島貞二編『禁演落語』(ちくま文庫)購入。
妻のリクエストで弥生美術館に
内藤ルネ展を見に行く。
70年代に活躍したイラストレーター・デザイナーでサンリオの苺シリーズの生みの親である。その「カワイサ」のフォルムは現代の漫画家やイラストレーターにも確実に引き継がれている。
鳥山明の
ガッちゃんを彷彿とさせるキャラもありました。
ルネデザインのグッズで育った妻はキャーキャー言っておりましたが、狭い館内は女性を中心に盛況。再評価の噂は本当だったんだね。
カワイイ系ばかりではなく、二階には80年代以降を中心にした耽美的なイラストが展示してあり、これがなかなかいい。長年描いているという「薔薇族」の表紙も片隅にひっそり展示されていた。「特集:感謝感謝の男の肉まつり」という表紙のコピーが場違いで大笑いしてしまった。
弥生美術館は狭く小さく、併営の「竹久夢二美術館」は全然好みでないし、私にとってはリーズナブルではない。しかし来月から年末までの展示が『
江戸川乱歩の少年探偵団展』、年が明けると『
伊藤彦造展』というラインナップのマニアックぶりはなかなかあなどれない。
東京国立近代美術館『
小倉遊亀展 人、花、こころ』。
昨日の仕事の帰りに茅場町で妻と待ち合わせ、木金は午後八時まで開館している竹橋の近代美術館へ。
さすがにこの時間だとゆったり観られる。気に入った作品をもう一度見直せるくらいの余裕がないと絵を見に行った気がしないので、混雑した美術展は苦手だ(得意な人もいなかろうが)。だから、夕方から夜にかけてというのは狙い目である。欲をいえば午後九時まで延ばしてくれると時間的に余裕ができるのだが。
小倉遊亀は日本画ばりばりの人だと思っていたが、三十歳前のデビューから百五歳でなくなるまで、七十年を越す画業はそんなに単純なものではなかった。
日本画らしい女性像が代表的だが、マチスやピカソのようなフォルムが現われたり、シンプルな色面で立体感を表現した静物画も楽しい。描かれる花や果物、人物に配されている陶磁器などの小物がまた素晴らしい。いかにも良い品っぽいオーラが絵からも伝わってくる。
婦人像では
越路吹雪や
武原はんをモデルにした大作もでていたが、画家の家族を描いた日常画や、なにげない座像にひきつけられる作品が多い。たとえば「聴く」という黒い着物の婦人の座像が、厚み奥行き立体感を微妙な黒の色調の違いだけで表現していて、実に参りました。
もちろん、日本画独特の筆線もやはり魅力的だ。一息にひいただろう長い線描が、九十歳近い作品にも健在なのにはおそれいる。
百歳越してからは、さすがに小品ばかりだが、それでも色調や線描にいささかも衰えや枯れたところが見えない。楽しげに描かれた果物や花々。まるで青春期の作品のようだ。
実際、絵を描いているときの小倉遊亀は、死の直前までも生の盛りだったに違いない。
妊婦が「卵」を出産(www.xcnjp.com)
先頃、湖南桃源県沙坪鎮に住むある妊婦が、自宅で"男女の双子"を出産した。同時に、彼女は男の子を出産してから、丸い形の物体を出産した。丸い巨大な卵らしい。
家族は怪しい物だと思い、豚小屋に捨てた。
助産婦さんは気配りが細かい人で、彼女はその"卵"を再び拾って洗ってから、はさみで切り、その中には、発育状態が良く、睡眠状態の女児を発見した。この女児は卵から生まれた。
産婦人科の医師の説明によると、このようなことはとても少なく、珍しいとのこと。
さすがは、中国ですねえ。なんでもありだ。
「ヘソ」はあるのだろうか?
2ちゃんねるでは「リアル栽培マン」とか「リアルピノコ」とか言われている。
私が連想したのは
はくちょう座の伝説。
美女レダをみそめた大神ゼウスが白鳥に化けて近づいて情を遂げたというギリシャ神話。レダは妊娠し(ギリシャ神話では神と交わると百発百中で妊娠する)、卵を二つ産む。
一つからは、天にのぼって双子座になる男の双子、カストルとポリュディケスが生まれる。もう一つからは、トロイア戦争の原因になったヘレナとトロイア戦争から凱旋した夫を殺す密通妻クリュタイメネストラの二人の美女が生まれる。
中国の「実話」の方は、神話よりかなり卑俗で生々しいが、2ちゃんでは色々な真相が推理されていた。
・羊膜が異常に厚かった。
・見世物で儲けるためのネタ。
・奥さんが夫以外に鳥と浮気していた。
・一人っ子政策の影響でいらない女の子を捨てたら助産婦に見つかった。
・二人も産んで腹が減ったから点心にしてたら助産婦に見つかっちゃった。
私的には最後の説がお気に入り。
しかし「
産婦人科の医師の説明によると、このようなことはとても少なく、珍しい
」って、前例があることはあるのかいな?
昨日の貴乃花は「これぞ相撲の極意」だという「間合いの芸」を見せてくれました。スピード・瞬発力抜群の朝青龍の攻撃力を半減させる間合いに、常に踏み込んでいった技術と気力はさすがのひとこと。
朝青龍の方は、低くくらいつくように攻めるべきだったのに、上突っ張りや張り手など上方に向かうベクトルでの攻撃になってしまったのが敗因だろう。せっかく双差しになったのに、のびあがるような外掛けで墓穴を掘った。闘志あふれすぎて逆効果か。
これで「貴乃花は同情されて勝ってる」「片八百長だ」などという声は小さくなるだろう。朝青龍はどう見ても同情して手を抜くようなタマではないからね。
横綱の顔に遠慮なく張り手をぶちこむやんちゃぶりは期待通りでした。
他の取り組みが、どーん・・ぱったり、どーんどーん・・ばったり、というのばかりだったので、なおさらこの相撲の面白さが際立った。
先場所までの相撲不人気が「貴乃花が出場していないから」と協会が思い込んでいるとしたら間違いだ。要はつまらない相撲ばかりだから見なくなるのだ。(少なくとも私はそうだ)
二十五年間でほぼ三分の二が死亡しているなんて、なんらかの犯罪行為があったと考えるのが自然だろう。それとも北朝鮮の平均寿命は四十五歳ぐらいなのだろうか。
ブッシュの「悪の枢軸国」発言がおおげさでない感じがしてきてしまったよ。
◇
前回のメモで書いた「男の夢ジョーク」だが、どうやら
原典は中国のようだ。色々なバージョンがあり、ドイツの車やフランス人の愛人が入っているのもある。ただ、前回紹介のバージョンでないと「一つずらすと」というのがうまくいかないようだ。
この手の「国民性ジョーク」での日本人はだいたい集団主義をネタにされる。
ドイツ人は正確でくそまじめ、フランス人は恋愛至上主義、イタリア人はいい加減、ユダヤ人は守銭奴で、アイルランド人は短気、ポーランド人は・・
少し例をあげてみよう。
●世界に居ないもの
アメリカ人の哲学者、ドイツ人のコメディアン、フランス人の道徳家、イタリア人の法律家、イギリス人のシェフ、日本人のプレイボーイ。
●敗戦の時にブラジルに居た移民
ドイツ系=戸を閉めて、ひたすら閉じこもっていた
日系=涙をぬぐいながら畑で働いていた
イタリア系=呑めや唄えのドンチャン騒ぎ
●象の研究のテーマ
イギリス人=アフリカ象の生態
イタリア人=アフリカ象の性生活
アメリカ人=アフリカ象社会の家庭崩壊
日本人=アフリカ象が見た日本人
いかにもステレオタイプなイメージが笑いを生むのだが、過激なやつはもっと深刻な差別意識があらわになる。いかにも米南部白人が言いそうな黒人・プエルトリカン差別ジョークなどは、ここにはとても書けないようなのが多い。
→
ニガーとちびくろサンボとアフリカ。
ネタにされるアジア人は中国人と日本人が多いようだ。私が目にするジョークが日本や欧米産のものが多いからだろう。おそらくアジアの各国ではアジアのあらゆる国をネタにしたエスニック・ジョークがたくさんあるだろうと思うのだが・・
知りたくもあり知りたくもなし。
日本人作でもなく韓国人作でもない韓国人ジョークをさがしたのだが、なかなか見つからない。W杯以後、きっとたくさんあるだろうとは思うのだがね。
見つかったのはこんなところ。→「
理想のアジア系アメリカ人」。
日本人も中国人も韓国人もいっしょくたでありますな。まあ、それが米国での一般的印象なのかもしれない。
陸上国際グランプリファイナルで男子100mで世界新、ハンマー投げの室伏広治は種目別優勝。
100mの決勝はニュースで見たけど、黒人世界選手権かと思いました。
偏見ぬきで、身体能力の人種的優秀さは否定しようがないでしょう。
室伏選手も、父は「鉄人」と呼ばれたハンマー投げの名選手で母はフィンドランドだかの陸上のオリンピック選手だ。超優秀な陸上遺伝子の持ち主である。
ちょっと話が飛ぶが、例のチリ人妻
アニータ・アルバラード嬢。歌手デビューでアニータブランドのワインまで出るという。「
官能とともに恋の魔力を味わえる
」というキャッチでラベルは、「ドニャ・ゲイシャ」。青森県住宅供給公社にとっては悪夢のようなワインだが、どうやらチリではミス・アニータはセックスシンボル扱いのようだ。
そのたくましさは、正直、痛快なほどだ。日本人男性の劣等性を罵倒した発言さえなければ、日本のバラエティ番組でも大活躍できたかもしれない。しかし、日本人男性は小さいの早いのと、最後っ屁をかましてしまってはそうもいくまい。
劣等なる日本人男性としては馬鹿にされっぱなしではくやしいので、ここは日本男性の精鋭をチリに送ってミス・アニータに目にもの見せてやりたいところだ。
一番手はやはり
○賀研二選手だが、彼はハーフなのでミッションに成功しても敵にあたえる(日本人男性を見なおさせる)インパクトに弱い。しかたがないので、二番手として
○澄賢也選手に研ちゃんの名代として単身チリに飛んでもらうことにしよう。
ここで冒頭の話題につながるのだが、日本の色んな分野で筆頭は純日本人(なんてものがあるのか疑問だが)でなくなる可能性が高い。国技大相撲もうすぐ両横綱を他国出身者(ハワイ、モンゴル)が独占することだろう。
日本政府も小手先の少子化対策なんてあきらめて、他民族をどんどんうけいれて永住してもらえるようにしたらどうだろう。はるか昔にも、大陸からの渡来人が日本に技術を伝え永住した。現在の日本人の染色体の相当部分が彼らの遺伝子によって構成されていることは間違いない。今上天皇陛下も金大中大統領に天皇家にも朝鮮民族の血が入っているらしいと屈託なく話していたくらいだ。
近い将来、多くの人種的特徴をそなえた新日本人ができることを想像すれば、なんとなく楽しいではないか。今より優秀かつ強くなることは間違いないと思う。近親交配が環境適応的に弱くなるのが正しいなら、より広く交配するほど強くなるのは必然だろう。
*
外資系の会社の人事担当の方とお話しする機会を得たのだが、その会社への入社を志望してくる女性の大部分は「外人との結婚」を目的としているらしい。
その人の偏見ではなく、実際面接して特技を聞くと「英語」と答えるのは圧倒的に女性らしい。「うちは外資系なので英語はあたりまえなので、他に仕事として得意なことはありますか?」と聞くと絶句する女性が多いらしい。
そして「彼女たちが配偶者として想定している『外人』は白人であって、優秀でもアジア人は対象にならない」そうだ。
かつて「
男の夢は、アメリカ人の給料をもらい、中国人のコックと、イギリス人の執事を雇い、イタリアのファッションを身につけ、ドイツの家に住み、日本人の妻をめとることだ」というエスニックジョークがあった。くだんの女性たちはぜひこのジョークを古典にしないようがんばってほしい。
ウタマロ浮世絵のデフォルメが世界の女性にあたえた夢を、日本人男性がむなしくこわした轍を踏むことのないように。
*
先のジョークは、一つずつシフトすると男の最凶の悪夢になる(らしい)。
「中国人の給料をもらい、イギリス人のコックと、イタリア人の執事を雇い、ドイツのファッションを着て、日本の家に住み、アメリカ人の妻をめとる」
近所の家の奥さんに聞いた話。
その家の高校生の娘さんは、通学に地元駅から家まで自転車を使っている。
その日も家の前に着いてから駐輪場に自転車をしまい、玄関まで外階段を登りはじめたらしい。
そのとき突然、背後でフラッシュが光ったという。
あわててふりむくと、階段下から走って逃げていく男の後ろ姿が見えたそうだ。手にはカメラらしきものを持っていたらしい。
駐輪所は待ち伏せできるようなところではないので、おそらく駅からつけてきたのだろう。
写真を撮られたこと以外特に被害はなかったそうだが、うちも同年代の娘がいるので、親切にも教えてくれたのだ。
昔もよその家の風呂場をのぞいたりする輩はいた。とっつかまったら町内の高校生だったりしたこともあるから、のぞきぐらいでは驚かない。だが最近は写真に撮るというのが悪質だ。
自分だけでのぞいて楽しむだけでなく、もしかしたら画像をインターネットに流したり金銭に換えたりしてるかもしれない。単純な窃視症の変態より気持ちが悪い。
もちろん、娘には注意しましたよ。
「撮られたときの用心にパンツに『便秘中』と書いとけ」といったら怒っていた。
変態一人のために家庭が不和になる。どうしてくれるんだ。
9.11の追悼式典をニュースで見ていて、ふと思ったのは、太平洋戦争で原子爆弾を日本が先に作っていたらどうなっていただろう、ということ。
当時の情勢で原爆を造るより難しいのは、それを米国本土で爆発させることだ。まあ、風船爆弾というわけにはいかないから、映画『1941』みたいに潜水艦で近づいて上陸し、ロサンゼルスあたりにキノコ雲をあげたと仮定する。そのあと、ボコボコに反撃されて結局敗戦は免れなかったでしょうが。
そうなったら、戦後、日本人と日本国が史上最凶最悪の民族・国家とみなされていたことは想像に難くない。アメリカ版のヒロシマナガサキは世界平和の象徴とされて聖地扱いされていたことだろう。アメリカは被爆国としての悲劇と国家的団結を原爆記念日ごとに声高に叫んでいるに違いない。
世界の同情は米国に集まり、憎悪の目が日本に向けられる。日本の歴代の首脳が毎年遺憾の意を表明し謝罪をくりかえしても日本人への蔑視危険視が消えることはない。日本人自身も罪悪感にさいなまれ、世界の劣等民族であることを自覚しながら小さくなって生きている・・
なんだか、想像が『家畜人ヤプー』のようになってしまったけど、原爆で他国の民間人を虐殺した国はこういう扱いを受けるのが当然だと思う。しかしヒロシマナガサキに罪悪感を持っているアメリカ人がいったい何人いることだろう。
別に罪悪感を持てとも謝罪しろともいわないしその必要もない。ただ、あったことやったことは自覚しといてほしい。
これは日本軍のいわゆる南京大虐殺でも一緒ですな。何十万も殺されたというのは嘘だろうし、かといって全然民間人を殺していないはずもない。現代のわれわれが罪悪感を持つことも謝罪する必要もないし、逆に「いいこともした」などと笑止な言い訳をすることもない。ただ、お互いにろくなことはしなかった、ということは自覚していたい。
世界貿易センターの犠牲者も気の毒だけど、同じようにアラブの民間人もアメリカやイスラエルの攻撃で犠牲になっている。9.11の以前も以後もだ。どちらも民間人虐殺であることでは等価だろう。
どっちが正義などと、いいっこなし。
シアター・コクーン『
オイディプス王』をビデオ鑑賞。
演出
蜷川幸雄、音楽
東儀秀樹、主演
野村萬斎、
麻実れいという豪華メンバー。
ソフォクレスの
原作は現存する最高のギリシャ悲劇だろう。『
メディア』や『
エレクトラ』など他にも有名な作品はあるが、いずれも登場人物のメンタリティが現代の読者からはかけはなれていて感情移入がむずかしい。比較すると『オイディプス王』はわかりやすい。近親相姦と父親殺しというテーマはフロイトが有名にしたが、オイディプスも彼の母であり妻であるイオカステもお互いの関係を知らずにタブーを犯してしまうのであって、確信犯ではない。「おそろしい神託=運命」にもてあそばれた被害者である。
パゾリーニが映画化した『
アポロンの地獄』も大好きな映画だが、現代イタリアのシーンと対比させたりかなり大胆に原作を翻案していた。蜷川演出は科白こそふくらませてはいるが、原作に非常に忠実に劇化している。
忠実に劇化された『オイディプス王』を見ると、ストーリーが実によくできていることに感心する。とても二千四百年も前に書かれた劇作とは思えない。
最初に「先王を殺したのは誰だ?」という謎が提示され、怪物スフィンクスの謎を解いて国を救った実績がある現王オイディプスに解決がゆだねられる。王は殺人の犯人を捜査しながら、なりゆきで自分のルーツをも追求することになる。
いわば世界初のミステリーといっていいだろう。オイディプス王が探偵で犯人で被害者だ。イオカステがワトスン役で被害者でもあり、重要な証人でもある。
野村萬斎は怪物を倒した英雄にしては体が細すぎるのが難だが、発声、科白廻し、所作は見事なものだ。エキセントリックさも十分だし、なにより悲劇の王にふさわしい色気がある。
イオカステ役の麻美れいは宝塚くささはあるもののギリシャ悲劇の大時代なところに似合っていた。姿も声も美しく王妃の貫禄が十分にある。近親相姦の象徴としては、もう少し豊満さと妖しさがほしいところだが、これは好き好きだろう。
『
アポロンの地獄』の
シルバーナ・マンガーノはその妖艶さで申し分ないイオカステぶりでありました。凛々しさでは麻美れいが上。さすがはアンドレさまだ。
しかし、この悲劇、神託=運命からはいかにしても逃れられないという話だけど、余計な神託さえなければ何事も起こらないはずなのだよなあ。こういうのを予言というのは納得がいかない。
・・というテーマでいつかWEB漫画になどしてみたいのだけど・・重すぎ?
◇
『クロサワさーん!』読了。→レビュー。
『天使の緊縛 藤野一友=中川彩子作品集』(河出書房新社)購入。
うちにも住民基本台帳コードがやっと送られてきた。こんなコード一つで世の中はなにを大騒ぎしているのかよく理解できない。行政サービスをシステム化するのにユニークなコードが必要なのは当たり前ではないか。
問題は「コード化することで将来こんなことができる」というビジョンが全然しめされていないことと、悪用の防止策が決まっていないことだ。いまどき公務員の性善説などだれが信じるものか。
たとえば職場や金融機関は、住基コードを聞くだけで違法罰金営業停止にするくらいの
罰則がなければいけない。もちろん公務員が外にもらしたり不要なアクセスをすれば問答無用で懲戒解雇だ。
しかし、いまのところこのコード、消費者(住民)には全然役にたたないよね。
将来はコード一つで住民票、健康保険証、パスポート、運転免許証、クレジットカード等のすべてのIDを管理できるようになってほしいものだ。他人に悪用されないようにするには指紋(網膜認証でもいいけど)と組み合わせればいい。
指紋(網膜)は現在のように外国人だけでなく、行政サービスを受けたいものはすべて登録する。脱税はもちろんほとんどの犯罪は激減して住みよい世の中に絶対なるよ。
ただし前提条件が一つあって、それは行政の情報公開。資料の全面公開はもちろん、全公共機関のオフィスにはTVカメラを設置する。ケーブルTVのチャンネルをあわせればいつでも住民が役所の中をのぞけるぐらいが理想だろう。トイレと更衣室をのぞいて知事室だろうと応接室だろうと倉庫だろうと例外はなし。
このくらいしてくれれば、指紋とられたって文句はいわないさ。こちとら政治家や役人と違ってうしろ暗いところは一切ないんだから。
◇
小泉総理の訪朝、はたして確たる成果がでるやいなや。誘拐された国民の生命が外交の取引手段にされている。政府は表の外交だけでなく裏の手段は取っているのだろうか。
向こうはもちろん非合法な方法で誘拐したのだろうから、こちらも非合法な方法を使う選択肢があってよい。ゴルゴ13や戦争の犬たちみたいなプロフェッショナルにたのんで取り返してくるというわけにはいかないのだろうか。要するにミッション・インポジブルだ。言葉や人種的な壁があるから欧米人では難しい。、KCIAくずれのプロ(いるかどうか知らんが)なんかどうだろう。
映画の見すぎ?
でも、「外交機密費」なんて本来こういうことに使うべき予算ではないのか。役人の飲み食いではなくてさ。
もちろん、誘拐された人が危険にさらされるリスクが大きいから非現実的な話ではある。しかし小泉訪朝がうまく行かなかったら、そう冗談ごとでもあるまい。
◇
土屋嘉男『クロサワさ〜ん!』(新潮文庫)購入。
さっそくリークによって
東電の原発トラブル隠しがあきらかになったわけだが、内部告発者は米在住技術者で匿名希望ながら実名をあかしていたらしい。
引用先の記事によれば「
原子炉等規制法には内部告発者の地位を守る項目がある
」のだね。しかし、米国企業の社員は対象外になる恐れがあったため、内部告発者が辞職してからやっと当局も東電を追求できたらしい。
本当はリークなどなくても、なにごともガラス張りでオープンが一番なのだがね。機密機密と騒いでるうち、本当に守らなくてはならない機密など、万分の一もないに違いない。たとえば・・・Windowsのソースとか?
◇
今日は
ABUアジア・太平洋ロボコンをべったり観ていた。長年のロボコンファンではあるが、ここまでロボコンが大規模になるとは思わなかった。
優勝したのが日本でも中国でも韓国でもタイでもなく、アジアの新興工業国ベトナムのホーチミン市工科大学だというのが、なんとも象徴的ではある。
日本は予選で金沢工業大学チームが、ワールドカップのライバル韓国と激戦をくりひろげて逆転勝ちしたのだから、良しとしましょう。
しかし、ひいきめではなく、金沢工業大学の『
行灯君』が性能といい、ヴィジュアルといい一番「記憶に残る」マシンでありました。
武部農林水産大臣は「日本ハム、雪印食品の問題は制度に問題があるように言われているが、これは犯罪であって制度の問題ではない」とおっしゃられていた。犯罪のお勧めのような制度には問題はないということらしい。さすがは、今回の犯罪のもともとの原因である狂牛病を蔓延するにまかせてなんの責任も取らない農水省のトップだけのことはある。
なんにしても、日本ハムも雪印食品も「犯罪」は白日のもとに暴かれたわけだが、農水省や警察ががんばったわけでも、若旦那社長が良心の下自首したわけでもないようだ。
すべては「
リーク=内部告発」が始まりだろう。
牛肉偽装だけでなく、外務省でも警察でも最近の組織内犯罪の暴露は、内部の人間がマスコミにリークしたのが発端だろう。それぞれの組織では「再発防止と原因究明に全力をあげている」らしいが、「リークした犯人捜し」により熱心にとりくんでいることは想像に難くない。
内部告発者は良心に従ったのかもしれないし、義憤にかられたのかもしれない。単に情報提供への見返り(金ね)目当てかもしれない。
いいことなのだろうか?
いいことだろう。
いま、組織の腐敗をかろうじて防いでいるのは、組織の「構造」でも組織人の「良心」でも組織を監視する「制度」でもないようだ。ただ一点「ばれるかもしれない」「だれかが告げ口するかもしれない」という「おそれ」の心の抑止力は強力だ。終身雇用制はくずれだしているのだから、昔のような組織への盲目的忠誠も期待できないだろう。いつだれが内部告発してもおかしくない。法律違反をしている自覚のあるむきは疑心暗鬼にもなろうというものだ。
いいことなのだろうか?
いいことなのだろう。
しかし、政や官は「いいこと」とは思ってくれていないらしい。
内部告発への対策が、例の「個人情報保護法」だ。リークを禁止して組織を守りやすくするというのが「個人情報保護法=マスコミ規正法」の主たる目的だと思う。私たち普通の人間のプライバシーを守るには屁のつっぱりにもならない法律だ。
だから、すべからく「個人情報保護法」成立には断固反対し、どしどしリークしよう。
ほら、あなたの隣の席の同僚や上司がこそこそ悪いことをして甘い汁を吸っているではないか。
*
てなこといっといて、私はといえば大組織にいないのでリークするネタもないのだ。役に立たなくてすみません。
昨日の続きで、今後更新を予定しているもう一つのページは「マイベストブック」のシリーズ。はるか昔(98年)に『
BEST5 恐るべき子供たち』を書いて以来中断している(「次回は美食ベストを」なんて書いているんだよね・・)。
おりにふれマイベストブックスをピックアップしてはいるのだが、作業が楽しい分しぼるのがなかなか難しい。
総合、SF長編、SF短編なんてところはほぼできているのだが、難航しているのが「ベストオブ萌えるヒロイン」。ベストテンでは収まらず、ベスト15くらいはいきそうである。漫画や映画と違い、小説中のヒロインは脳内画像に萌えるしかないわけだから、ある意味一番自分の根源が見えてしまうようで、いと恥ずかしい。
そんなことより、5月以降の読了記をまとめる方が先ですな。
う〜む、週末が週3回くらいあればなあ・・って、それでは末ばかり。
でかい雛鳥どもに餌を運んでやれなくなってしまう。
◇
リオハさんとこの日記で「痛い話」が出ていた。
私は比較的痛みには強い(というより鈍感な)方だけど、昨日、TVでちらりと見た「衝撃映像」は痛そうだったなあ。
スペインの闘牛場で牛が観客席に飛びこんだのか、それとも大勢で牛から逃げるお祭りなのか、見るからに凶暴そうな黒い牛から群集が逃げまどっている。
逃げ遅れた一人の男性が観客席の壁をよじ登ろうとするが、間一髪まにあわない。走りこんできた牛が下から男の尻めがけ、角をグサリ!
そのまま首をふりあげた牛の頭の上で、男性は椅子に座ったような格好で宙に浮いてしまった。あきらかに(牛の角が突っ込まれた)尻の穴だけで全体重をささえている。
見ているこちらの肛門までキュゥウ〜ッと絞まってきた。
あわやと思った直後に牛の首が少しふりおろされ、男性の足が観客席の椅子にとどいた。他の観客が男をひっぱり牛の角が(すぽっと)抜けて、なんとか逃げることができた。
牛の角は20cmもささっていたそうだ。おそろしやおそろしや。
スペイン旅行するときは尻の穴だけは気をつけましょう。
さてさて、
女子百景ばかり更新しているが、他にも更新を予定しているページはある。
一つはリンクのページ。
ネット上でおつきあいのある方のURLを更新するだけで、他は開設以来、一切更新してないのだからひどいものだ。中にはリンク切れもあるだろうし、私自身まったく利用しなくなってしまったところもノーチェックで載っている。
現在はデータベース(ACCESS)に登録してマクロで自動生成するようにしているが、もっとお手軽に更新できるようにCGIにしてしまおうと思っている。それにしても完成するのはまだまだ先になってしまうだろうから、とりあえずブックマークの中からリンクに登録予定のところを書き留めておく。
●
絵画/2DCGのサイト○
Artcyclopedia(Fine art search engine) ファイン・アートについてちょっと調べるのに利用。通販用なので画像は小さい。
○
画家長谷川資朗のHP 基本は油彩だけど、CGのページもある。特に風景画が好きだが
精緻な人物画もすばらしい。
○小林治の世界 プロのイラストレーター。私にはまったく描けない分野の、あかぬけた色彩が美しい。
○
暗黒太陽通信 こちらもプロの方。Photoshop、Painterを中心にした「HowTo」「Tips」が充実している。
●
3DCGのサイト○
ANDROID BLUES(3D Gallery by Steven Stahlberg) 3Dもここまでくるとすごいやね。2Dもすばらしくうまい。
○
HIROAKI GENDO'S HOMEPAGE(3D) 個性的なオリジナルキャラもいいけど、やはり「バルタン星人」が秀逸。
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MetaDoll 3D Erotics! 有名なエロティック3DCGの老舗。最近の作品の女性の顔の造り込みには、かなり萌えます。動画の揺れる乳房の重量感にノックアウト。
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本/映画のサイト○
AMEQ LAND(SF Translation List) 日本で翻訳された海外SF作品を網羅したリスト。
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世界の古典つまみ食い タイトル通り、イリアスやルキアノス、ルソーといった古典の名作のさわりや冒頭を読みやすい現代語に訳して紹介している。特にソフォクレスのギリシャ悲劇『
オイディプス王』『
エレクトラ』『
アンティゴネ』を全訳したページが圧巻。
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CinemaScape-Index 映画評掲示板。一つの映画が実に多種多様な見方をされていることに一種感動。雑誌やTVの提灯記事の1000倍役立つ。
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その他趣味全開のサイト○
巨大動物図鑑 あまり学術的ではないけど、「古代の巨大獣」とか「トラ対ライオン(どっちが強い?)」とか血沸き肉踊る動物話が満載。画像も充実している(ところどころ水着のおねーちゃん写真をコラージュしてるのがご愛嬌)。
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怪獣の部屋東宝、大映の怪獣映画はもちろん、吸血鬼やフランケンシュタインも網羅した特撮映画エッセイ集。文章が派手ではないがなかなかいい。どうも円谷プロが文句つけたらしく、ウルトラマン関係が閉鎖されているのが残念。そんなことしてるより
成田亨記念館でも造れってんだ>円谷プロ
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ジョー小泉のひとりごと WOWWOWの『ワールドボクシング』で「駄洒落のジョー」として有名な名解説者の元気の出るボクシング日記。
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昭和必殺技名鑑 格闘技とはなんの関係もないけど、やはりタイガーマスクはかっこよかったと思う、かつてのプロレスファンには数々の「必殺技」写真がなつかしい。
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山田風太郎『戦中派焼け跡日記―昭和21年』(小学館)購入。
こんな半端なメモでも、しばらく書かないでいるとてきめんに書けなくなる。ネタを思いついても、つい「アップするほどのことじゃないな」と書かない方にベクトルが向かいがちになってしまう。そう言えば読了記も書いてないなあ。
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絵もだいぶ描かないでいたので、やはり思うようにペンが動かない。まあ、いままでも自由自在に描けていたわけではないのは、このサイトの絵を見れば一目瞭然だが、それにしても描けない。
ひさしぶりに女性ヌードを描いてみると、胴体はそこそこ描けるのだが、顔が難しい。顔以外は見たままをそのまま描いている。これは写真を描いても実物を描いても同じで、もちろん技術は稚拙だから形態を完璧に写し取れるわけではないが、とりあえず眼に映ったものをそのままディスプレイ上に再現しようとはしている。
ところが顔を描く段になると、とたんにうまくいかなくなる。眼なら眼、鼻なら鼻を見たまま描いているつもりなのに、いつのまにか「眼の記号」「鼻の記号」を描いているのだ。だいたい人体の中から「眼」という部分を他と区別して認識していること自体、無意識に記号操作をしているのだから、「記号」を完全に無視することは不可能なのだろう。記号という人類の発明品の偉大さは十分にわかっているつもりだが、他人の創造物である記号表現に自分の絵が左右されているのはいささか寂しいものだ。
私の手を導く「記号」の正体は、いままで読んだり模写したりしてきたマンガのイメージの集積だ。こいつらは非常に非常に強力である。マンガやゲームの世界にとどまらず、ファイン・アートや映画演劇のヴィジュアル面にも大きな影響を与えていることはどなたも認めることだろう。もちろん、日本だけでなく世界中に影響を及ぼしている。
もしかしたら、日本という国がなくなっても、日本人という人間がいなくなっても、日本が生んだマンガ的記号表現だけは、日本の
ミーム(文化的遺伝子)としてしぶとく生き残るのかもしれない。
他にはな〜んにもなかったりして。
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『カブキの日』小林恭二(新潮文庫)、『檸檬夫人』団鬼六(新潮文庫)、『罪深き誘惑のマンボ 』ジョー・R.ランズデール(角川文庫)、『Mr.クイン』シェイマス・スミス (早川ミステリアスプレス文庫)、『 スター・ウォーズエピソード2クローンの攻撃 』R.A.サルヴァトア(ソニー・マガジンズ文庫)購入。
『スターウォーズ/エピソード2/クローンの攻撃』について、思いついたことをもう少し。
一番の存在感を示した、ドゥークー伯爵だが、どこかのサイトにあった、「命名は日本語の毒から?」ってのはないだろう。最初に
クリストファー・リーの配役ありきで、彼の代名詞「ドラキュラ伯爵」からだと思うけどね。
カウント・ドゥークー Count Dookoo
カウント・ドラキュラ Count Drakura
クリストファー・リー=イアン・フレミングの従兄弟で007の悪役「ドクター・ノオ」のモデル。貴族の血をひき7ヶ国語を操る。
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闘技場でオビ=ワンが槍で怪物と戦うシーンは、『
恐竜百万年』で原始人がアロザウルスと戦うシーンへのオマージュだろうね。
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闘技場といえば、パドメは怪物の攻撃をよけそこなってスーツのおなか部分をちぎられてへそ出しになってしまった。これだけの露出で、レイア姫がジャバ・ザ・ハットに捕まって半裸に首輪という扇情的スタイルにされたのに匹敵するサービス度は十分にあった。
キャリー・フィッシャーには申し訳ないのだが、
ナタリー・ポートマンのフォース、じゃなかったチャームには隔絶した威力があった。
鎧袖一触。
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エピソード3でルーカスは驚かせてくれるだろうか?と書いたけど、アナキンの父親がシスの暗黒卿だった、ってのは予想のうちなので、驚きには入らない。
シスの暗黒卿の正体はパルパディーン最高議長ではなく・・・ん〜と、ジャージャーピンクスだったりすると面白いのだけど、さすがにそれはないか。
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私が一番、スターウォーズの新シリーズで物足りなく思うのは、ダース・べイダーが登場しないこと。あの恐怖そのもののような真っ黒な巨体の悪役の存在感あってこそのスターウォーズではないか。
だから、本当はアナキン少年がジェダイの騎士になり、フォースの暗黒面に誘惑されてダース・ベイダーが生まれるまでは、エピソード1、せめて2までで完了させて、あとは皇帝の手先として暴虐の限りを尽くすところをじっくり描いてほしかった。
エピソード3の後半がそんな展開になるのだろうか?
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佐伯俊男『淫剣花』(河出書房新社)購入。
ちらりとのぞいた娘が「なんじゃこりゃ!」とぶっとんでました。R18指定だっての。
日比谷スカラ座『
スターウォーズ/エピソード2/クローンの攻撃』を観る。
観てしまうまで、ネットのレビューや感想は読まずに目をそむけていたので、これからゆっくり読みにまわろう。その前に自分の感想を少々。
ヴィジュアルイメージについては、もういうことはない。すごいの一言。細部まで贅沢に造りこまれている。
私の好きなシーンはオビワン・ケノビが暗殺者の手がかりを追って昔なじみに会いに行くレストラン。ハードボイルドミステリに良くある場面なのが嬉しい。四本腕の旧友のキャラも、いかにも危ない橋を渡ったこともあるぜ的な感じでいい。妙に色っぽいウェイトレスロボットが、ルーカスの出世作『
アメリカングラフィティ』のローラースケートウェイトレスを連想する造型でニヤリとさせてくれる。
以下、ネタバレ満載につきご注意。
賛否両論かまびすしい「恋愛」については、私は恋愛描写大好き派。にしては本作の恋愛描写は物足りない。恋人たちが惹かれあうプロセスをもっとじっくり撮ってもらいたかった。クライマックスも恋愛と結びつけた方が劇的だったと思う。
アナキン・スカイウォーカーが腕を斬り飛ばされるのは恋するパドメ・アミダラの目の前で、彼女をかばうために体勢をくずしたがため、でなくてはいけない。悲鳴を上げて駆け寄るパドメ、アナキンをかばうように身を投げ出すが、二人の頭上にはドゥークー伯爵のライトセーバーの光が・・あわやという瞬間、別のセーバーががっちり受止め、セーバーを握るのは、当然マスター・ヨーダ・・・と、こうこなくては。
しかし、伯爵を演じた
クリストファー・リーの強そうなこと。1922年生まれのはずだから、今年80歳!・・本当に吸血鬼なのではないだろうか。アナキンがいくら修行してもとても勝てそうにはない。しょうがないからニンニクでおどして胸に杭をぶちこめ。
パドメ役の
ナタリー・ポートマンは文句なく美しい。アナキンの
ヘイデン・クリスティンセンもかっこいいし、とてもこの二人からレイアとルークが生まれてくるとは思えん。しかしお姫様、「情熱を抑えるのが義務」とか言っといて、背中(う、美しい)丸出しや胸のふくらみあらわなファッションは、ちょっとなんではないだろうか。縁もゆかりもない東洋人のおじさん(私だ、わたし)でさえくらくらしてしまうのに、幼い日の甘酸っぱい思い出を忘れられない血気さかんな二十歳の若者がなんじょうもってたまろうか。
アナキンが暗黒面に傾いていく契機をむくわれぬ恋愛ではなく、母を救えなかった悔恨にしているのは悪くはない。しかし、それならタスケン大虐殺のシーンは省略せずに徹底描写せねば。累々たる死体の山の真中で息をつくアナキン。その表情にはダース・ベイダーを彷彿とさせる鬼相があらわれている・・・・ゲームのような追っかけっこシーンは短縮してもこういうシーンをかっちり撮らないと、劇的盛り上がりに欠けてしまうのだけどなあ。
なにはともあれ、次のエピソード3で最終作となるのだろうが、先が描かれてしまっているというのは、なかなかつらいものがある。悲劇的展開しか望めないではないか。あの暗黒甲冑のダースヴェイダー郷が誕生するシーンをラストにするしかないように思うがどうなのだろう。もしも、私の予想が見事に裏切られて驚きの展開をしたら・・
ジョージ・ルーカスを尊敬します。
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オビワンとアナキンとパドメが囚われて、闘技場で処刑されるシーン。『
サイボーグ009』の『
地底国ヨミ編』のクライマックスにそっくりなんだけど、偶然だろうか?
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スティーブン・ミルハウザー『イン・ザ・ペニーアーケード』(白水社)購入。
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