04/08/29(日) アンブレイカブル 04/08/24(火) 五輪瞥見 04/08/20(金) やわら 04/08/16(月) スパイダーマン2 04/08/14(土) 血中コンピューター 04/08/06(金) 酒は百薬の長? 04/08/02(月) 『偽のデュー警部』 04/07/31(土) ASAKUSA STYLE FIREWORKS |
04/07/25(日) 真珠の耳飾りの少女 04/07/21(水) 暑い日はやはり鰻ですか?∈(゚◎゚)∋ 04/07/20(火) 鼻づまりの休日 04/07/18(日) 硝子のハンマー 04/07/14(水) チョコレートの誘惑 04/07/07(水) トロイアの女たち 04/07/06(火) 夏休みの宿題 04/07/05(月) アダルトコミックな画集を買う |
2004/08/29(日)[映]アンブレイカブル
ということでオリンピックの最終日。うちの女たちは男子バレーボール決勝ブラジルVSイタリア、フェロモンむんむん男たちの対決にキャーキャー言っとりました。私はもちろん新体操個人決勝だが、イスラエルの美少女カテリーナ・ピセッキが決勝に残っていないのでちょっとテンションが上がらない。若い頃の倍賞千恵子によく似ているアンナ・ベッソノワの応援に切換えたのだが、軟体美女カバエワに負けちゃった。まあ、みなさん美女なので、だれが勝っても文句はないですが。
*
でろりとした日曜。随分前の映画をDVD鑑賞『アンブレイカブル』。
当時ネットでの評判は散々だったので見逃していたのだが、これが意外と面白かった。いや、傑作といっていいくらい面白かった
どうも、期待はずれとか金返せとか言ってた人たちはかなり先入感を持って見過ぎてたんじゃないだろうかね。というかシャラマン監督の前作『シックスセンス』と同じようなサプライズを予想していたのかもしれない。「アンブレイカブル=壊れない。不死身の男の驚愕の正体」そして物語がすべてひっくりかえるみたいな感じのね。さもなくば、正体が判明してからのアクション一杯の大活躍の方を期待してたのかもしれない。サム・ライミやキャメロンの映画みたいな。
そんな先入感を持たずに見れば、無駄な科白が一つもない、実に端正に練り上げられた、見事な映画です。鏡を使ったカメラワークが多用されたり奇をてらっているようで、すべてのカットは無駄なく物語に奉仕している。
ただ、漫画(できればアメリカンコミックのヒーローもの)に理解ある人でないと、登場人物の心情にハア?という感じかもしれない。『Xメン』や『スパイダーマン』シリーズがヒットしている今見ると、より味わい深いかもしれない。『スパイダーマン2』から特撮を剥ぎ取って、ある方向に進化させると、この映画になるに違いない
2004/08/24(火)[ス]五輪瞥見
【美女ウォッチ】
2ちゃんでは、[1] 柔道野村忠宏選手の美人妻、[2] 通訳のおねーさん(だれ?)、[3] 柔道塚田真希の姉思いの妹
、という順位のようだが、私の方は今回はアシスタントのニンフたちに目を奪われて、美人選手探しはしていない。(2ちゃんのランキングには選手がいないじゃん!)日本選手の活躍でそっちに頭がまわらないということもあります。
美人ではないかもしれないけど、サー!の福原愛ちゃん萌え。「頭は真っ白、顔は真っ青
」とか受け答えが15歳とは思えないうまさなんだよね。可愛さや面白さも微妙に加味して、基本的に頭のいい子なんでしょう。自分で「前人未到のン連覇をなしとげまして
」なんておっしゃる某大選手とはちょっと違う。
わたし的ヒロインはやはり柔道の塚田真希。劇的な逆転劇。投げられて押さえこまれそうになったのを逆に返して、押さえ込んだときにペロリと舌を出した、というか舌なめずりしたシーンがアテネオリンピックの(今までの)ベストシーンであります。相手は塚田選手の後ろ袈裟固めでまったく動けない。一本勝ちして塚田が両手を挙げた瞬間、わが家族も声をそろえて叫びました。「太ってて良かった〜!」
……実際、塚田は男女合わせた日本柔道選手の中で最重量だそうだ(井上康生や鈴木桂治より重い)。「柔道選手団最重量の塚田です
」とみずから挨拶して笑いを取るそうだから、いいやね。
【アナウンサー】
やはり、「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!
」という歴史に残る名セリフを着地とともにピタリと決めた刈屋富士夫アナにつきるでしょう。金メダル。元々、ロボコンの実況などで気の利いたアドリブをかましてくれるし、声も滑舌もいいしイケメンだし、オリンピック以前から注目していたのですよ。ニュース読みやナレーションは「美術系」石澤典夫アナ、実況は刈屋アナで決まりでしょう。(なにが)
【レスリング】
浜口京子選手は残念だったけど、あのうるせー親父がいなかったらもーちょっと本領発揮できたのではないか。そろそろ親離れ子離れの時期ではないのかいな。
アニマル浜口はもちろん元プロレスラー。国際プロレスでラッシャー木村と組んでいた職人的名プロレスラーだった。引退後は元のボディビルダーに戻ってジムを作り、ほとんどプロレス界には顔を出していないようだ。だから京子ちゃんのプロレスデビュー→神鳥と対決!なんて悪夢は金輪際ない……と信じたい。
同じような人では、馬場や猪木のサポート役をずっと務めた「火の玉小僧」故吉村道明もそうだった。引退後は古巣の近大相撲部で後輩の指導に当たり、プロレス界には一切かかわらなかったらしい。
よほどイヤな思いをしたのだろうか。
2004/08/20(金)[ス]やわら
柔道最重量級男女とも金メダル。いやあ、気持ちよかった。鈴木桂治の小外刈りや内または美しかったし、塚田真希の試合展開もドラマチックだった。今回は不可解な判定があまりないのも気持ちよく見られている一因だろう。
2ちゃんねるで「オリンピックを楽しんできます、とか言ってた世代が一番だめだったよなあ
」という発言があった。当たっているとは思うのが、その世代がコーチや指導者になってきたのが、今回の成果につながったような気もするのだよね。
2ちゃんねるといえば、井上康生の試合の前に「井上はポカしそうだけど阿武にはがんばってほしい
」なんて書込みもあった。ねらー、おそるべし。
*
それにしてもアテネオリンピックのアシスタントのおねーちゃんたちはみんな綺麗だ。ギリシャがこんなに美人国だとは知らなかった。さすがミューズやニンフの末裔たちだけのことはある。
◇
今日は大阪出張。順調だったが、おかげで少々仕事が忙しくなりそうな気配。
2004/08/16(月)[映]スパイダーマン2
日劇PLEX『スパイダーマン2』。
アメコミ好きとしては、オープニングにしびれました。かっこよすぎ。結構ベタなロマンス好きとしては、ラスト、MJに顔を見せたシーンでウルッとしました。原作をしっかりリスペクトしてる作りなので、MJとうまくいかないわけはないのだけどね。(原作ではとっくに結婚して娘もいる)
SFアクションはさすがに今回の方が上だが、青春映画としては前作の方が若者たちの人間関係がこまやかに描かれていたようが気がする。今回は主人公の悩みに重点がおかれたのでしかたがないが。
悩むヒーロー像に関しては前作のときの拙レビューを引用しておこう。スパイダーマンだけでなく、悩むヒーロー像はマーベルコミックの得意技でアンチヒーローという言葉で呼ばれてました。
昔、虫プロが出していた『COM』というマンガ雑誌があって私は創刊号から愛読していた。そこに翻訳家小野耕世が外国マンガを紹介する連載記事があったのだが、その一回めが「スパイダーマン」だった。たぶん本邦初紹介だろう。ナショナルコミックの『スーパーマン』に対抗する、マーベルコミックの等身大のヒーロー、いや「アンチヒーロー」と紹介していた。おそらくこの「アンチヒーロー」という言葉もここではじめて使われたのではないだろうか。
敵役のドク・オクトパスの造型は前作のグリーン・ゴブリンよりはるかにかっこいい。キャストの濃い顔のアルフレッド・モリナは『ショコラ』では敵役の男爵役で出ていた。ちょっと荒井注に似ている。ついでにヒロインのキルステン・ダンストと卓球の福原愛は似ている。
とにかくスパイダーマンの飛翔シーンが気持ちよくてこのシリーズは大好きだ。ニューヨークの摩天楼ジャングルを撮るカメラが美しい。1と違ってシネマスコープだしね。
2004/08/14(土)[科]血中コンピューター
生命の遺伝情報を担うDNA(デオキシリボ核酸)に簡単な処理を加えると、半導体になることが、独立行政法人「物質・材料研究機構」と東北大学などによるコンピューター計算で分かった。
直径2ナノ・メートル(ナノは10億分の1)のDNAを利用すれば、一般的なシリコン半導体より極微小の電子部品を簡単に作れる可能性があり、研究者らは「次世代部品につながる成果」と期待、15日発行の日本物理学会誌に発表する。
[読売新聞]2004/08/14 03:07
SF者はみんなグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』を連想したに違いない。記事のリンク先によればDNAは生体内では絶縁体なので、細胞内でコンピュータチップになれるわけではないようだ。でも、ATCG素子による計算アルゴリズムは応用できそうではないか。なんて、ちょっとわくわくさせられた真夏のニュース。
◇
最近読んで、まだレビューというか感想文書いてない本。忘れないうちに題名だけでも書いておこう。
ピーター・ラヴゼイ『苦い林檎酒』『つなわたり』、杉田敏『アメリカンジョークの世界』、長谷川真理子『進化とはなんだろう』、大江健三郎『取り替え子(チェンジリング)』、モーリス・ルヴェル『夜鳥』、四方田犬彦『白土三平論』、泡坂妻夫『大江戸奇術考』。
*
仕事で八重洲地下街を通ったので、八重洲古書館で岩波文庫ばかり7冊購入。本を買うのはひさしぶりだ。また積読と書いてない読了記がたまってゆく。
ダーウィン『種の起源』(上下/八杉龍一訳)、『ダーウィニズム論集』(八杉龍一編訳)。進化論発表時の世の雰囲気を知りたくて。
ロンゴス『ダフニスとクロエー』(松平千秋訳)。アテネ五輪記念?
ドストエフスキー『罪と罰』(上中下/江川卓訳/岩波文庫)以前読んだのは米川正夫訳の新潮文庫版。『謎解き罪と罰』の江川卓訳はどんなんだか、読むのが楽しみ。
2004/08/06(金)[旅]酒は百薬の長?
今年の夏休みはつれあいと二人(娘も息子も一緒には行きたがらない)伊勢・志摩にでかけた
まあ、楽しくはすごせたのだが、どうも夏風邪の影響が残っていたのか、出発当初はなんとも体がだるくてしかたがない。そのだるさは一日めの午前中まで続いた。
それでも伊勢神社内宮門前のうまいものやがたちならぶ、おはらい町・おかげ横丁の面白さにうかれ歩いていた。あいにく小雨まじりの天気で、むし暑い。神宮の御料酒「白鷹」を取り扱う老舗の「三宅商店」で、たまらず冷やした濁り酒を飲む。といってもぐい飲み一杯百円を自然塩をつまみに飲むだけなのだが、これがうまい。冷たい濁り酒が全身にしみわたり汗がすーっとひいて行く。呑みおわった時にはきれいさっぱり体のだるさがとれていた。
「白鷹」と「塩」を買いこんだのは言うまでもない。
2004/08/02(月)[本]『偽のデュー警部』
ピーター・ラヴゼイ『偽のデュー警部』(早川ミステリ文庫/中村保男訳)読了。
以前、友人知己お薦めの『煙草屋の密室』を妹に借りて読んだとき、まとめて貸してもらった中の一冊。長期間積読にしておいたのが間違いだった。これは私が今まで読んできたミステリーの中では、5本の指に入る面白さでありました。
1920年代という時代設定(チャップリンも登場する)、書かれたのも1982年、20年以上前だが、面白さとは古びないものだ。イギリスからアメリカに渡る豪華客船内という「密室」で殺人事件が起り、探偵も被害者も犯人も証人も野次馬も船客、という設定はアガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人』などを連想させる。船が舞台という点ではパット・マガーの『目撃者を捜せ! 』か。どちらも名作中の名作だ。それらと比べても決して本書は遜色ない。
トリックらしいトリックは出てこない。しかし「先の展開の読めなさ」や伏線の張り方の巧妙さは先に挙げた諸作と比べても本書が上だろう。題名からも察せられるとおり、「偽警部」が探偵というのもユニークだ。しかも、この偽警部、乗船した目的は、女優で大金持ちの妻の殺害なのである。その他登場する人物たちの描写もイギリス人作家らしいユーモアと皮肉が効いていて楽しい。大富豪夫婦のやりとりなどは『ダーマ&グレッグ』のグレッグの両親そっくりで笑いました。
しかし、本書のラスト、ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか、いまだに悩んでいるのだが、これは作者のたくらみに見事にはめられたということでしょうな。
◇
娘の中学時代の親友で、今はニュージーランドで高校生活を送っている子がいる。彼女から娘に入ったメールによれば、授業で「ドラキュラ」について調べねばならなくなり(どんな授業なんだ?)ネットで検索したところ、うちの「吸血鬼企画」にぶつかってしまったそうだ。
まさかキーワード「ドラキュラ」で同級生の父親のサイトがヒットするとは思わなかったのだろう。娘にたしかに父親のサイトか確認してきたそうだが、確認できると「大変助かりました」と伝えてくれと返信がすぐきたそうだ。お役に立てたのは嬉しいのだが、もっとちゃんと学術的なサイトも調べた方がいいのではないかと、ちょっと(だいぶ)心配になった。もっともテキスト的資料というより、ドラキュラの絵を描いて添付したかったようで、それなら参考にはなるかな、と一安心。
2004/07/31(土)[雑]ASAKUSA STYLE FIREWORKS
今日は浅草の花火。うちの近くから見えるのだが、昨年は風が冷たくてふるえながら見た記憶がある。今年の暑さなら缶ビールがうまい花火見物になりそうだ。
今年から隅田川沿いに新しくできた公園の芝生にたくさんの地元民が集まり、案の定、みんな缶ビールを片手に花火を楽しんでいる。
われわれ夫婦のビニールシートの前は8人ぐらいの若者のグループ。花火そっちのけで話に夢中。4カップルだから、遠くの花火より近くの彼女や彼氏なのはしかたがないか。
後方にはインド人の家族。まったくわからない言葉でしゃべり続けているが、ご主人に携帯電話がかかってきた。流暢な日本語で商談らしき会話の最後でこう言っていた。「トーキョーの花火は世界一だね!」
肝心の花火は毎年見ていても、なにかしら新しい趣向があり飽きない。深い色合い、乾いた爆裂音、かすかに香る火薬の匂いはTV中継では絶対味わえない。晴れた夜空の下、川風が心地よく、なかなかよい気分の花火見物でありました。
◇
【ニューヨーク30日共同】ボクシングの元統一世界ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソン(米国)が、30日に米ケンタッキー州ルイビルで行われた試合でダニー・ウィリアムズ(英国)に4回KO負けした。
私の中ではタイソンは、イベンダー・ホリフィールドに11ラウンドTKOで敗れてWBA世界ヘビー級タイトルを失った試合で終わっている。もう8年も前だ。全盛期はそれよりもさらに前、デビューから4年間くらいだろう。いいトレーナーとマネージャーがついていれば、もう3、4年は全盛期を延ばせたかもしれない。もったいない話だ。しかし、優秀なトレーナーやマネージャーを馘首したのはタイソン自身。人格や運やスタッフすべてをふくめて「ボクサー・タイソン」なのだから、「もし」や「れば」の話をしてもむなしいことではありますな。
2004/07/25(日)[映]真珠の耳飾りの少女
7/23(金) シネスイッチ銀座にて『真珠の耳飾りの少女』を観る。
金曜日の会社帰りにつれあいと和光前で待ち合わせて見に行ったのだが、まだ結構混んでいた。知らなかったのだが金曜日は女性半額デーだとのこと。まあ、得したような気分だが、要はロードショー料金が元々高いのだよなあ。今は二番館、三番館や名画座という便利なものもないし。シネスイッチ銀座は元の銀座文化。2本立てで350円の時代にはずいぶん洋画を見せてもらったものである。
それはともかく、映画は私的本年No.1(何本も見ていないのにNo1も2もないもんだが)のいきおい。ストーリーうんぬんよりなにより、フェルメールの世界をよくあそこまで映画で再現したと思う。映し出される一カット一カットが、フェルメールのあの絵この絵を連想させる。絵に直接つながるアトリエや登場人物のコスチュームだけでなく、オランダはデルフトの風景や屋敷の影や光までが、フェルメールが絵を描いた時代の世界としての説得力がある。
脇役の女中頭の姿が、『牛乳を注ぐ女』を連想させる、貫禄ある体格、コスチュームなのにはニヤリとさせられる。
少女役のスカーレット・ヨハンセンはフェルメールの絵には全然似ていないが、清純さと官能性をあわせ持つ独特の美貌と演技は素晴らしい。ヌードどころか、髪の毛でさえなかなか見せないのだが、顔のアップだけで脊髄を直撃するものがありました。もちろん女優の力だけでなく、演出と撮影の妙でありますな。
7月30日まで。
2004/07/21(水)[時]暑い日はやはり鰻ですか?∈(゚◎゚)∋
昨日の東京の最高気温は39.5度。今朝は未明でも30度を超えてたそうな。もう熱帯だね。
キリンが16日まとめた消費者の意識調査によると、夏ばてした時に食べたいものは、男性は「うなぎ」「焼き肉」など味の濃い料理、女性は「麺類」「野菜料理」などあっさりした料理と性別で好みが分かれた。
調査はインターネットで6月18〜24日に実施、全国の20歳以上の男女8347人から回答を得た。
「夏ばてした時に食べたい料理は何ですか」という質問(複数回答可)に、男性は「焼き肉」「うなぎ」がそれぞれ41.1%と同率で首位。そば、そうめんなどの麺類は40.7%で2位だった。
一方、女性は麺類が50.9%でトップ、2位は野菜料理の30.1%とカロリーの低い料理が主流。焼き肉は3位でうなぎは5位だった。
[毎日新聞]
鰻や焼肉を食べられる時点で夏ばてしてないという意見もあるけれど、疲れているときは高蛋白でビタミン豊富なものを取ったほうがいいのはたしかだ。鰻は柔らかくて食べやすいしぴったりではあるが、美味しいのは高いし、本当は真夏より脂ののった秋の方がうまそうだ。
なので、昨夜のうちの夕食は豚肉たっぷりゴーヤチャンプルー。豚肉はビタミンEたっぷりで疲労回復にはよいですよ。ゴーヤの苦味で頭もはっきりするし、なにより安い。
といいながら、やっぱり鰻も食べたいなあ。できれば尾花か前川で<もっと稼ぎなさい。
*
暑さ対策にはこんなのもあるらしい。
この作業着、実際着てみて驚いた。涼しい、いや、寒いくらいだ。「汗をかいてると、とりわけ涼しいんです」と、作業着に身を包んだ男性――開発したピーシーツーピーの市ヶ谷弘司社長――は涼しい顔だ。
「空調服」という名のこの作業着、背中についた2基のファンが、体全体に風を送って汗を気化。気化熱で体が冷えるという仕組みで、お風呂上がりの濡れた体に扇風機が心地よいのと同じ原理だ。
[ITmediaニュース]
作業着としてなら良いのだろうだけど、くつろげるとは思えないなあ。そばにこれ着てる人がいたら見た目だけで暑苦しそうだし。
*
とりあえず、日本政府に猛暑対策としてやってほしいのは、外回り営業マンと会社や役所の偉い人の「上着着用禁止条例」ですね。もちろん国会議員さんには率先して半袖シャツで登庁してもらいましょう。(「省エネルック」なんていう頭ゆるんだような茶番はなしよ)
2004/07/20(火)[身]鼻づまりの休日
せっかくの連休だったというのに、ひさしぶりに夏風邪などをひいてしまった。土曜日は微熱ながら発熱して寝込んでいたし。この日記で検索したら、風邪ひいたのは一年半ぶりだ。その前は5年くらいひいていなかったので、頻度が上がってきた?やだな。
しかたがないので、本読んだりDVD見たり絵描いたりまったりすごしてましたが、いまだに鼻がつまっていて本調子ではない。
今週はそ〜っと仕事をして調子をとりもどし、週末は映画を見にいこう。とりあえずの予定は『真珠の首飾りの娘』(もうすぐ終わってしまう)、次は『スパイダーマン2』(無料券もらった)。
その前に暑中見舞いも完成させなければ。もちろん人魚のねーちゃんです。
2004/07/18(日)[本]硝子のハンマー
貴志祐介『硝子のハンマー』読了。
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号。廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。
密室殺人といえば本格推理小説の王道中の王道。あの『黒い家』の著者が執筆に4年かけたというだけに、パズルまがいの新本格とは一味も二味も違う完成度だ。
本書は二部構成になっている。第一部では事件と謎が提示され、探偵役の二人(ホームズ役は泥棒上がりの防犯コンサルタント、ワトソン役は美貌の女弁護士)が次々と仮説を立てては密室のからくりに迫ろうとする。この仮説の一つ一つとそれが否定されていく過程が、本格好きにはたまらなく面白い。「変装入れ代わり時間差トリック」などは凡庸な新本格作家ならこれで一本書いてしまえるくらいだ。本書ではあっさりいかに現実性がないかをあばかれてしまう。やっと二人が真相にたどりついたか?というところで、謎の解明はもちこされひっぱりながら一部は終わる。
二部はがらりと趣きが変わって、真犯人の一人称的描写になる。彼の生い立ち境遇から犯罪の動機、計画立案の過程、実行手順が丁寧に描かれる。このへんは本格、新本格だとさらりと流されてしまうところだが、倒叙ミステリーなみにじっくりと書込まれている。一部だけだと新本格としてなら良いかもしれないが、パズルだけの底の浅い小説になってしまう。この二部のおかげで「小説」としての厚みが出た。「殺人にいたる動機」などはまだ少し説得力に欠けるとは思うけどね。
一部二部ともに、現代のセキュリティ事情について実に良く取材研究しているという印象だ。やはりこれくらいでないと読みごたえのある小説にはならない。もうミステリーならなんでも読むということもなくなったので、このレベルの作品だけ読めれば満足です。なんてことをいうと一年に一作も読むものがなくなってしまうかな。
*
今気がついたが、たったこれだけの文章で「新本格」が4回も出てくる。しかも、すべて否定的な意味合いで使ってる。たいして読んでいないが、どれもひどかったということですな。『占星術殺人事件』だけはまあまあだったけど。
◇
祝朝青龍四連覇。来年の名古屋場所では、横綱朝青龍は間違いないが、大関には白鵬、黒海あたりが来ていそうだ。う〜ん、インターナショナルで面白い。日本勢も勉強嫌いのでぶばかりスカウトしていないで、レスリングや柔道の猛者をターゲットにして育てれば面白くなるだろう。なんといっても大相撲はまだまだ安定度も格式も経済力も捨てたものではない。少なくともプライドやK1よりアスリートの就職先としては魅力的だとおもうのだけど。
2004/07/14(水)[映]チョコレートの誘惑
NHKーBS映画劇場『ショコラ』。
フランスの小さな村にやってきたヴィアンヌと娘のアヌーク。ヴィアンヌは不思議なチョコレート・ショップを開店する。客の好みをピタリと当て、しかもそのチョコレートは客を必ず幸せにしてしまうのだ。厳しい戒律に縛られた村人の心が解き放たれ、チョコレートのおかげで自由な空気が広がり笑顔があふれた。そんな中、伝統と規律を重んじる伯爵が、彼女達を村から追放しようと村人に働きかけて…。
最近映画を観る頻度が極端に落ちていて、いわゆるハリウッド的大作しか観なくなっていた。こういういい映画をたくさん見落としているんだろうなあ。実に映画らしい映画でした。
『バベットの晩餐会』とか、食べ物の魔力で人々が変わっていくという話しは大好きなのだ。小説だとハリー・クレッシングの『料理人』なども面白い。まして『ショコラ』はチョコレートだ。ただの料理・デザートではない、もともと媚薬だった妖しさが映画にそこはかとないエロチシズムを与えている。魔力というのも単なる形容でなく、映画の随所にちらちらと魔術的不思議が埋めこまれている。あからさまなファンタジーよりこういうのが好きだ。
なんといっても主役のジュリエット・ビノシュが美しい。決して美人でもないし派手な格好をするわけでも濃厚なラブシーンがあるわけでもないのに、とてもエロい。顔や胸元や足先のなにげなく撮るカメラの視線がうますぎ。あまりめだたない役だけどジョニー・デップもかっこいい。私の好きなレナ・オリンが珍しく耐える地味な役で出演。ビノシュより9歳も上にはとても見えない。今回は蜘蛛女ではないので男を誘惑したり殺したりはしないが、しっかりフライパンで殴り倒していた。
2004/07/07(水)[映]トロイアの女たち
そうですか『トロイ』はやはりダメダメですか>H2さん。
H2さんのレビューを読みそこなっていましたが、前世紀の話しなのに「何世紀も支配してきた我々が」なんていう科白があるというのをどこかで読んで、一抹の不安はは持っていたのです。ギリシャ神話好きなもんで期待してたのに残念。木馬の場面でラオコーンはどんな映像だったんだろう?とか。
*
DVDが出たらレンタルで観るぐらいがちょうどよさそう。
『トロイ』でヘレンを演じたダイアン・クルーガー。良くはしらないけど、静止画で見るかぎりなかなか綺麗。私のヘレンのイメージからは少し清楚に過ぎるかなあ。
トロイのヘレンで有名なのは、やはり1955年の『トロイのヘレン』のロッサナ・ポデスタ。これまた見たことはないのだが、左の写真の驕慢なお姫さま、右の写真の野性的な少女、ともになかなか良きヘレンだと思う。
しかし私の見た一番のヘレンは『トロイアの女』のイレーネ・パパスだ。載せた写真はあまり良くないが、映画で見せた黒髪黒い瞳のいかにもギリシャ的な風貌のヘレン像は強烈でした。
映画そのものはキャサリン・ヘップバーン、バネッサ・レッドグレーブという名女優が火花を散らす大悲劇だ。彼女たちの嘆きの原因である悲惨な戦争の元凶でありながら、かつて裏切って捨てた夫、敵将であるメネラオスにしおらしく命乞いをするヘレネ。しおらしく見せながら実は自分の魅力に自信満々である。何年たっても彼女の色香に逆らえないメネラオスは剣を握り締めながら、ついに振り下ろすことができない。
う〜、書いていてぞくぞくしてきてしまったぞ。
*
『トロイアの女』の原作はエウリピデスの同名のギリシャ悲劇だが、エウリピデスには『ヘレネ』という作品もある。夫を裏切ってトロイアに行ったヘレネ(ヘレンはヘレネのローマ読み)は実は女神ヘラが作った幻だったという能天気な話し。ヘレネは戦争の間、僻遠の地にかくまわれていて、なにも知らずに闘っていた夫と、戦後涙の再会をするという昼ドラか韓ドラのようなベタな展開。エウリピデスもなんでこんなの書いたのだろう。いや、なかなか面白いのですがね。
2004/07/06(火)[本]夏休みの宿題
娘の高校は夏休みの課題がやたら多い。これが普通なのか、読書感想文まである。先生の推薦は岩波ジュニア新書とのことだ。
もう少し歯ごたえのあるのにしたらどうだいと思ったが、実際に言葉を発するときはもっとひねってしまうのが悪いくせ。「ジュニアってんだから中学生向けじゃね?先生に馬鹿にされてるな」なんだから、ろくでもない親である。本当はジュニア新書といってもなかなかのラインナップで馬鹿にしたものではない。
一覧をてれーっと見ていた娘のチョイスはなだいなだ『いじめを考える』。理由は「感想文が書き易そうだから
」。どうも、感想文を書かせる宿題が本嫌いを作っているというのは真実のようである。
「お前なあ、そんな安易な発想はみんながするに決まってるじゃないか。夏休み明けにはいじめについての感想文が百もならぶぞ」と私。「えー、そんなこといったってどうしたらいいんだよ」
で、買ってやるからと、私が選んでやったのは次の2点。
松沢哲郎『チンパンジーはちんぱんじん』。
長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』。
自分の好みを押しつける親というのも本嫌いを作る要因のような気もするが、いいの、自分の読みたくない本を買うのはストレスがたまるから絶対買わないのだ。
*
およそ35年ほど前のことになるが、倉橋由美子さんを訪ねて高校生に読ませたい1冊を選んでもらいにいったとき、即座に、「それなら、やっぱりホメロスね」と言われたことが、いまなお耳の奥に残っている。
やはり、このくらいのことは言いたいよなあ。ホメロスの『イリアス』『オデュッセイアー』とヘシオドスの『神統記』くらいを読んどくと、『トロイ』は絶対面白いと思う。(って『トロイ』はまだ見ていないや)みんな岩波文庫で手軽に買える。リンクはまた後日。
2004/07/05(月)[美]アダルトコミックな画集を買う
Esteban Marotoの『Wonders』。アマゾンで1,414円。
随分昔に、銀座のイエナで買ったアラビアンナイトを描いた画集に魅了されたイラストレーター。ジョン・ヴァーリイのSF『バービーはなぜ殺される』の豪華本の挿画を描いていたので絵柄を見れば知っている人もいるかもしれない。
官能的的な女体のデッサン力は抜群で、特にペン画のシャープな描線がうまかった。本書は鉛筆画が主でペン画がないのが残念。うまいのは変わっていないが、今はうまい人はたくさんいるし、題材もヒロイックファンタジーっぽいのはMarotoらしさが感じられず、あまり面白くない。カラー画もあざとい配色で感心しない。
残念ながらちょっとはずれでした。
Luis Royoの『Visions』。アマゾンで1,910円。
今のうまい人の代表。ヨーロッパのヘヴィメタ系バンドのCDジャケットで有名らしい。
Marotoの描く美女はソフィア・ローレンやキム・ノバクのようなクラシカルな美女だが、Royoの描くのは現代的な美少女だ。ただし小悪魔的で妖艶。Serpieriほどハードコアではないが、SMやタトゥーやドラッグが似合う危険な美しさである。
Marotoもそうだが、Royoの画像もネットで沢山手に入る。だけどやはり印刷された画集の大きさで見ると、印象が全然違う。脊髄にズンとくるものがあります。
こちらは当たりでした。