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06/09/27(水) 美しい国の言葉
06/09/24(日) パイレーツ・オブ・カビリアン・デッドマンチェスト
06/09/23(土) 最近の力士の所作と小泉純一郎時代の終焉
06/09/12(火) 金剛力士vs大魔神
06/08/20(日) 最後にして最初の人類
06/08/19(土) ミミズクとオリーブ/嫁洗い池
06/08/08(火) ガッツ石松と亀田
06/08/05(土) 寿き焼@夏休み
06/07/22(土) プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展
06/07/16(日) 花道の麗人
06/07/09(日) ファッション通信
06/07/05(水) テポドンの6割はパチンコでできている
06/07/01(土) ヨーロッパ文化と日本文化(子供編)

2006/09/27(水)美しい国の言葉

トシのせいか、TVのアナウンサーの発音が妙に気になることが多くなってきた。先日もNHKのニュース番組で「鉄砲」を「てっぽう」」と前にアクセントをおいて発音していた。番組中にでてきた一般の人(研究者や種子島の住民)が発音していたとおり「てっぽう」が正しい日本語のアクセントだろう。

「旬の味」の「旬」も、TVでは「しゅん」と発音されることが多い。これも正しくは「しゅ」でしょう。耳ざわりでしかたがない。

別に私の好ききらいというだけではなく、本来「ラマ」→「ドラマ」、「でんしゃ」→「でんしゃ」のように、日本語の単語は日常化していくにしたがって、語頭にあったアクセントの強調が消えて平板化していく。「旬」も「鉄砲」も十分に日本語としてなじんでいるのだから、語頭にアクセントをおかれると違和感を感じるのだ。

もしかして、私が関東人だからゆえの勘違いをしているかもしれないが、最近の公共放送での変化であるということは間違いない。原因は、わからない。

2006/09/24(日)パイレーツ・オブ・カビリアン・デッドマンチェスト

丸の内ピカデリーに『パイレーツ・オブ・カビリアン・デッドマンチェスト』を見に行く。

これを見に行くために前作をDVDで買った(1000円ちょっとと安かったこともあるが)。今回も映画的面白さは十分だが、あからさまに「次回に続く」ものだったので感想は据え置き。ただ、敵海賊がグロいという前評判だったが、どちらかというと旧くなった寿司ネタという感じで、ちょっとあぶってわさび醤油をつければいけそうな感じでありました。

しかし本格的な海賊映画というのは、私たちの世代には郷愁を感じさせるものがある。ラム酒のラッパ呑みや呪われた幽霊船などのお約束の設定がたまらないのだ。『ピーターパン』『宝島』など少年向けの翻訳小説で読んだときのわくわく感が蘇ってくる。漫画だと石森章太郎の『黒い幽霊船』なんて傑作もありました。

*

帰りには谷中の『トルソ』という小さなイタリア料理店で、車海老とトマトのパスタをいただく。一人できりまわしている気さくなシェフに、ソースの甘みの出し方をうかがうと、トマトの甘さは胡椒で出すのだと教えてくれた。

2006/09/23(土)最近の力士の所作と小泉純一郎時代の終焉

最近、大相撲の取組み、時間一杯で自分のまわしをバシッと叩いて気合いを入れる力士が増えたようだ。朝青龍の専売特許だと思っていたが、かっこいいのでみんな真似をしているのだろうか。

高見盛の「気合い入れ」も人気はあるのだが、真似をする力士はさすがにいない。あれは特殊な才能がいりそうだから、おいそれとは真似できないのだろう。真似をしても白星につながりそうもないのも一因かもしれない。

明日、秋場所優勝の朝青龍に総理大臣杯を授与するのは、安部官房長官らしい。小泉時代の終わりを実感させられて、正直ちょっとさびしい。別に小泉シンパではないが、なんといっても最近の首相の中では、抜群に面白かったではないか。郵政解散と刺客候補なんていうサプライズはなかなか天才的戦術家であると思えたものだ。筑紫哲也の仏頂面とセットで忘れられない。

主要マスコミによれば、次の政権への期待はアジア(マスコミ用語では中朝韓3国を指す)との関係改善だそうだ。私は頭が悪くてよくわからないのだが、その3国といわゆる関係改善をして、なにかいいことがあるのだろうか?

小泉以前、関係悪化していないころの3国との関係といえば、散々金を払って、国民を拉致され(それを知らされず)、領土である島を武力で占領され、国定教科書に日本を諸悪の根源と書いている国に日本の教科書に難癖をつけられ、特に今と変わったところ良かったところなど一つもなかったのではないだろうか。

小泉が辞めたら、早速途絶えていた首脳会談が復活するようだが、過去の3国との首脳会談は結局経済支援を約束させられて終わっていたような記憶しかない。小泉時代は少なくとも日本国民に役に立たない金を払わなくて済んだ分、国民の利益にかなっていたと思うのだがどうか。

クイントゥス『トロイア戦記』(講談社学芸文庫)、マイク・コナリー『ナイトホークス(上下)』『ブラックアイス』(扶桑社文庫)、谷崎潤一郎『武州公秘話』(中公文庫)、遠藤秀紀『人体 失敗の進化史』(光文社新書)購入。

2006/09/12(火)金剛力士vs大魔神

NHK『迷宮美術館』で運慶の東大寺金剛力士像を見た。

全高8.4m。

ゆらりと動き出すところを、妄想して恍惚としました。

……来年は奈良に行こう。

唐突に思ったことは……『日本沈没』もいいけれど『大魔神』をリメークしないかな。


2006/08/20(日)最後にして最初の人類

Amazonオラフ・ステープルドン 『最後にして最初の人類』(浜口稔訳/国書刊行会)読了。

数度の大戦争を経験した人類は、24世紀、ついに世界国家を実現、高度な科学文明を築くが、核エネルギーの暴発が地球のほぼ全域を焦土と化してしまう。わずかに生き残り、世界再建を果たした人類を襲う火星人の侵略、生物兵器に端を発した疫病の蔓延。度重なる災禍によって肉体的、精神的に退行した人類は、しかし再び進化の階梯を登り始め、地球を脱出して金星や海王星に移住を開始する…。20億年に及ぶ人類の未来史を驚異の神話的想像力で描いて、アーサー・C.クラークらに決定的な影響を与えた伝説的名作。

(AMAZONの商品説明より)

感想は明日以降。他の読了記予定『魔の山』『ヘレネー誘拐・トロイア落城』『ホメーロスの諸神讃歌』『日本の漢字』……あくまで予定なので書けないかもしれない。読む方優先なのだが、感想書いとかないとすっきり読み切った気がしないのもたしかなのだ。


2006/08/19(土)ミミズクとオリーブ/嫁洗い池

Amazon:ミミズクとオリーブ芦原すなお 『ミミズクとオリーブ』、『嫁洗い池』(創元推理文庫)読了。

美味しい郷土料理を給仕しながら、夫の友人が持ち込んだ問題を次々と解決してしまう新しい型の安楽椅子探偵――八王子の郊外に住む作家の奥さんが、その名探偵だ。優れた人間観察から生まれる名推理、それに勝るとも劣らない、美味しそうな手料理の数数。随所に語り口の見事さがうかがえる、直木賞受賞作家の筆の冴え。

讃岐名物の「醤油豆」。焼いたカマスのすり身と味噌をこね合わせた「さつま」、黒砂糖と醤油で煮つけた豆腐と揚げの煮物。カラ付きの小海老と拍子木に切った大根の煮しめ。新ジャガと小ぶりの目板ガレイ(ぼくらの郷里ではこれをメダカと呼ぶ)の唐揚げ…次々と美味しいものを作るぼくの妻は、なんと名探偵だった!数々の難問を料理するそのお手並みを、とくとご賞味あれ。

(AMAZONの商品説明より)

Amazon:嫁洗い池シリーズ物短編ミステリの第一集と第二集。はっきり言って、ミステリとしての推理部分はまるでつまらない。どんな謎だったか全然覚えていない。しかし、小説としては面白い。

なんといっても会話が愉快である。毎回、ワトスン役のしょぼくれた小説家の家に彼の旧友の剛腕刑事が訪ねてきては難事件について語るのだが、この小説家が役にたたないくせに、だまって聞いていない。なにかと茶々といれるのに刑事が言い返して掛け合いになるのだが、これが漫才のようで笑える。読む方は癖になって次も読みたくなる。

もう一つ魅力は上の紹介文にもある、毎回登場するちょっと珍しい讃岐料理の数々の美味しそうな描写だ。冷静になって考えると、実際に食べたらそんなに旨くはないのではとも思うが、そこは文章の力だろう。小説を読んだあと、こちらもたまらなくなってウルメを焼いて一杯呑みはじめたりしてしまう。

最後に忘れていけないのは、名探偵役である「奥さん」、作家の妻である。名前もないこの女性は、実に「男の理想」として描かれている。美人で聡明、料理が上手くて趣味は実益もかねた縫い物、出かけるのは嫌いでいつも着物で家にいる。長電話もしないし、まめで綺麗好きで夫への気働きも抜群。……フェミニストが火病を起しそうな設定だが、男の考える妻の理想像であるのは間違いない。まあ、こんな人は現実には存在しないから安心してもらいたい。

この夫婦には子どもがいない。しかしそのかわりと言ってはなんだが、話の最後に必ず、おくさんのかわいがっている一羽のミミズクが家の庭にやってくる。浮世ばなれした名探偵おくさんは知恵の女神アテナの化身なのだろう。


2006/08/08(火)ガッツ石松と亀田

小汚いものは見たくないので、当然、亀田の試合なんてものは見ていない。

いろいろ言われているようだが、私がなにより不思議なのはアンナモノの視聴率が40%を超えているということだ。

見た人はその時間をドブに捨てたような気分になったことだろう。人生を無駄遣いすることはない。良いボクシングの試合が見たかったら、長谷川穂積イーグル京和の試合を見ればいいのだ。さもなくばWOWWOWに入って、世界の一流どころの試合をジョー小泉さんの駄洒落に耐えながら見るのも良い。野球だってメジャーリーグ、サッカーだってワールドカップが人気なのだから。

アンナモノを見た視聴者より悪いのは、当然、彼ら(善良なる視聴者)をだましたTBSですね。

ボクシングの試合中継を地道に続けて(金を正しく出し続けて)いれば必ずヒーローや名勝負は生まれる。それをバラエティ的予定調和に無理やり収めようとするから、こういう醜悪なことになる。ハプニングや偶然のドラマを恐れていて、なにがテレビマンだと言いたい。「笑っていいとも」の「友だちの輪」が最初期にはあきらかにヤラセなしアポなしだったと言ったら驚かれるだろうか。それがいつしかぬるい予定通りの対談コーナーになってしまった。しかし、その感覚でボクシングをやられたらたまらない。

もっとも、TBSにはタイ人をかませ犬に使って超人的ヒーローを作るということでは前科がある。キックボクシングの沢村忠という成功(?)例があるのだ。あの味が忘れられないのかもしれない。

もっとも沢村は亀田と違って天才だったが、それでも過酷な使われ方をして消えていった。毎週毎週30分番組で倒し倒されつのKO劇を演じさせられたら、どんな鉄人でも壊れてしまう。TBSは同時期に同じ30分番組でウルトラマンを放映していたから、沢村もTBSから見れば同じカテゴリーだったのかもしれない。悪い怪獣がムエタイ戦士で、スペシューム光線の代わりに真空飛び膝蹴りで敵を倒すというわけだ。

まあ、亀田親子やTBSがどうなろうと知ったことではないが、これで世間からボクシングがうさんくさく思われ、名試合を見る機会が減るかと思うと口惜しい。

亀田は今回の試合で初回に見事にひっくり返されて、あとはグダグダだったそうだが、初回のダウンというとあの大場政夫の2度のフライ級防衛戦を思い出す。あの名勝負をリアルタイムで見られた私は幸運だった。

ガッツ石松輪島功一も大場と同時代に世界チャンピオンだった人々だ。試合後の番組で亀田親子は彼らを批判したガッツ石松に対し奴よばわりしたりタメ口をたたいていたが、ボクサーとしての石松は彼らからみたら雲上人のはずだ。

中南米北米の強い選手がごろごろしている層の厚いライト級で戦い、若い時にボクシング史に残る名チャンピオン、ロベルト・デュランに挑戦して10回KOで敗れている(これも見ているが、失神KOではなく毎回鉄拳を雨霰と浴びてのイヤ倒れだった)。その負けを糧にした(のだろう、多分)その後、やはり強豪世界チャンピオン、ロドルフォ・ゴンザレスを見事なKOで倒して戴冠し、5度も防衛している。

まあ、昔話をはじめるときりがないので、興味ある方はここや、ここを見てほしい。

なんにしても、石松と亀田では、同じボクサーでもマウンテンゴリラとニホンザルほど貫禄に違いがあるということだ。OK牧場?


2006/08/05(土)寿き焼@夏休み

更新が停まっていましたが、例年通り夏休みで、ネットにもつながない一週間をおくっていたわけです。

今年は松坂の和田金で和牛の味を堪能するのが目的。私はアメリカンビーフはあまり好きではない。別に贅沢なわけではなく、牛より鶏肉や豚肉の方が好きな安上がりな体質なのだ。そんな私でも、やはり旨い牛肉はうまい。とろけるようで甘いというだけでなく、牛肉の本当の香り(いわゆる牛臭さとは別物)がするのだ。もちろん値段も安くはないが東京で同じ味とサービスだったら軽く倍はする。

肉食の歴史が浅い(というか中断があった)日本人にとって、牛肉はやはり贅沢品なのだ。贅沢品だからこそ、甘く柔媚で香り高い製品を作れたのだろう。肉は主食であろうアメリカ人やオーストラリア人などの意見はまた違うのかもしれない。なんにしても、私は当分牛肉を食べたいとは思わない。豚肉と鶏肉の日常にもどるとしよう。

松坂もなかなか上品な良い街である。松坂城址も石垣しか残っていないが、紛いものの天守閣を復元したりなどしてしないのが、まさしくつわものどのの夢の跡……風情を感じさせて味わい深い。隣接している本居宣長記念館で昔の日本人の勉強ぶりに頭が下がり、城外の武家長屋跡の美しさに日本家屋の良さを認識する。

今年最高気温を記録した日だったが、和建築の風通しの良い二階から松坂の街を眺めているとエアコンのない時代でも、夏を過ごせた理由がわかるような気がする。

市内のとある茶店の二階がミニギャラリーになっていて籔内佐斗司の作品が展示していた。

翌日からは、人の少ない海岸で何もせず、ぼんやりと泳ぎ、あとはごろごろ眠って過ごす。海辺で読書三昧のつもりだったが、本も読まなかった。

ということで、更新やメールの返事は明日からということであしからず。籔内佐斗司『狸寝入り』


2006/07/22(土)プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展

東京国立博物館平成館で『プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展』を見てきた。

若冲の「紫陽花双鶏図」「鳥獣花木図屏風」(デジタル日本画!)といった垂涎の作品を眼前にするのは、文字通り眼福。特に「花鳥人物図屏風」「鶴図屏風」の白地に濃墨と薄墨だけで描かれた極限までシンプルな表現に参りました。「紫陽花双鶏図」のような高密度高彩度の迫力絵とは対極の飄逸な線と形。これだけで十分満足であります。

若冲人気で名前を冠した展になっているが、他にもいいものがたくさん出ている。円山応挙の「懸崖飛泉図屏風」、長山蘆雪「白象黒牛図屏風」、河鍋暁斎「妓楼酒宴図」など、見逃すには惜しい名作揃い。プライス氏の眼の高さを思い知らされる。琳派の鈴木其一という画家はこの展覧会ではじめて知ったが、知的なとてもいい絵で気に入ってしまった。

これほどの逸品が全てUSAにあるというのは、日本人としてはちょっと口惜しいが、戦後、世界ではもちろん日本でも全く評価されていなかった若沖(だけではないが)の絵を「自分の眼だけで」選び出してコレクションし日本で再評価させたのがプライス氏だ、というのでは文句のつけようがない。

若沖だけでなく、琳派の酒井抱一や鈴木其一の再評価のきっかけもプライスコレクションだという。

バブル期にゴッホやセザンヌなどの「評価の定まった」絵画を法外な価格で買いあさった日本の大馬鹿経営者とは、比べるのも無理なほどまったくレベルが違うのはたしかだ。

それだけにプライス・コレクション全体には統一されたなにかを感じる。奇想とかユーモラスな表現への好みはもちろんだか、フランク・ロイド・ライトに師事した建築家らしいガチッとしたものがある絵が好きなんだろうなと思う。

その意味で2500円の展覧会カタログは迷わず買うことをお勧めする。私は冒頭のプライス氏自身が自らのコレクションを語る文章を読むだけでも、買った甲斐があったと思った。

この展覧会の珍しいのは、かなりの数の絵(特に大きな屏風絵)がガラスケースのない状態で、変化する光源の元で展示されていることだ。まるで昔その絵が飾られていた和室で朝日から月夜までの一日を早送りで見たような気分にさせてくれる。日本画の特に金箔地の光の効果を見せてくれる博物館の英断に感謝したい。この日本画を見るための光の工夫もプライス氏の研究にかなり示唆されているらしい。


2006/07/16(日)花道の麗人

大相撲名古屋場所も早や中日。今場所は朝青龍が好調なので気分良く見られる。

残念ながら名古屋場所はここのところ入りが悪い。今場所も二階席以上は空席がかなり目立つ。

それを補うかのように、名古屋の桟敷席は華やかだ。はっきり言えば、かなり派手めのおねーさん方の姿が目立つ。高そうな着物にひさしをそびやかした髪型。東京場所は地味。大阪も派手だが名古屋には及ばない。

まあ、大相撲はハレの場所。少々けばくても華やかなのは正しくTPOに合わせたファッションと言えるだろう。

毎日見ていると、一日こっきりではなく、連日同じ席に同じ顔が坐っている。もちろん、着物は毎日違う。大女将風が多いが、若女将も少なくない。

正面西の端の砂っかぶりや、数列後ろ東花道寄りになかなかの美女が来ているので、興味ある向きは注意して見るのがよろしかろう(肝心の取組みを見逃さないように)。

毎日だけでなく(名古屋場所は年一度なので)毎年見かける方もいらっしゃる。前述の二人もそうだが、特に目立つのが東の花道ぎわの席が定位置の年配の女性。ひときわ高価そうな品のいい着物を粋に着こなして、連日観戦している。当然毎日違う着物です。

この女性が素敵なのは、見ている様子から本当に相撲が好きなのが伝わってくることだ。制限時間近では固唾を呑んで見守り、贔屓らしい力士が勝つと嬉しそうに笑い、負けると悔しそうだが笑みは忘れず、結果がどちらでも惜しみなく拍手をおくる。観客の鏡である。

すぐ座布団を投げるような(心根の)貧しい客は見習ってほしいものだ。(特に九州場所がひどい)

絵は、特定の一人ではなく大女将風大相撲愛好者の合成イメージ。本物のみなさんは化粧はもうちょっと濃いめかもしれない。


2006/07/09(日)TVファッション通信

ファッションにもブランドにも、全くうといおっさんの私だが、TV東京(and BSジャパン)の『ファッション通信』はかれこれ10年以上見続けている。

世界屈指のデザイナーとモデルと演出家が金をかけて作ったショーなんだから、面白くないわけがない。30分と短いし、なにも考えずに綺麗なものを見るのは精神衛生上、大変よろしい。

番組の監修・出演を続けてきたファッションジャーナリストの大内順子さんがナレーションも担当している(一人ではないが)。これが実に独特というかクサいというか、いかにもファッションという感じで盛り上がるのだ。

昨年はナポレオンとジョセフィーヌをテーマに 究極のマスキュリン・フェミニンで見せた「ドルチェ&ガッバーナ」の、今年のテーマはゴシック・スタイルとロック・テイストのミックス。ボリューム感のある布地のあつかいでグラマラスな成熟した女性のゴージャスで力強い女性像をを提案しながら、胸元や裾のリボンでガーリーな雰囲気も表現するという、なんとも贅沢なコレクション。ミラノトレンドを牽引する「ドルチェ&ガッバーナ」がどんな進化を遂げるのか、今年も目を離せません。

……何を言っているのか半分もわかりませんが、このナレーションがないと、「ファッションショー」を見ている気がしない身体になってしまった。

数日前、NHK-BSでもミラノコレクションを放映していた。これが全然面白くない。見せているものは同じなのだが、あのナレーションがないのだ。やはり、『ファッション通信』はあのクサいナレーションあっての『ファッション通信』なのだと再認識した。

クサさだけではなく、ショーのメークアップの詳細の解説があったりして、そのへんも、興味ある人にはためになる(と思う)。

最近はNHKの『新日曜美術館』より『美の巨人たち』の方が面白いし、TV東京の30分のアート系番組はなかなか侮れません。

2006/07/05(水)テポドンの6割はパチンコでできている

  1. アメリカ独立記念日に北朝鮮ミサイル発射
  2. 北朝鮮ミサイル発射と同時に韓国竹島周辺海域調査

これを偶然の一致と思うのはよほどおめでたい人だけだろう。

日米政府はノテウとジョンイルがつるんでいると疑って(確信して?)いるだろうけど、今回の北朝鮮と韓国のあからさまな行動はそれを誇示しているともとれますなあ。

早いとこ日本海にイージス艦と迎撃ミサイルをずらりと配備してくれないと、のんびりネットもしてられない。牛肉ぐらいとっとと解禁してやろうじゃないか。食べないけど。

あとパチンコは全面禁止の方向で。覚醒剤は持ってるだけで死刑でよろしく。

あと、↓この人たちが今なにしてるか、ちょっと気になる。
 日本のマスコミの取材団、朝鮮総連の提案を受けて平壌入り

2006/07/01(土)ヨーロッパ文化と日本文化(子供編)

前回の続き。しつこくて申し訳ないが、ネタの宝庫なので。

子供が放火して家族を焼殺したり、母親が子供を虐待死させたり、といった事件が続くと、決まって「最近の若い親は育て方を知らない」とか「最近の子供はこどもらしさがない」とかいう声が聞こえてくる。すると逆に「『最近の若いものは』という言葉は何千年前の粘土板にも残っている」なんていう反論が出てくる。

では、実際に昔=16世紀の日本の子供とその育て方はどうだったのだろう。フロイスが書いているところをいくつか抜粋してみよう。

どうだろう。日本のことを書いてるとは到底思えないほど、21世紀の日本人の子供とその親とは全然違っているではないか。前回も紹介したとおりフロイスは決して親日家ではない。むしろ日本人を見る目は辛辣だ。だから差っ引いて考える必要はない。ほとんど事実だと思っていいだろう。

やはり、日本人と日本文化は「今頃の若いものは」と言われているとおり、一世代ごとに微妙に劣化し、400年の間にフロイスが書いた美点のほとんどは雲散霧消してしまったのかもしれない。

しかし、400年の間になくなった悪徳もある。フロイスが書いている16世紀の子供と僧侶の関係である。

「忌まわしい行為」とはもちろん衆道=男色のことですね。現在でも、僧侶はともかく、学校の教師が生徒と淫行して逮捕なんていう事件は、毎週のように起きているので、なくなったとはとてもいえないか。

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