12/05/26(土) つつじ、竜巻、マンゴー、KATAGAMI 12/05/22(火) 東京物語を見たり沙漠の魔王を買ったり 12/05/15(火) めくるめく世界/サセックスのフランケンシュタイン 12/04/25(水) 血圧最先端治療と江戸の屁をする養生 12/04/17(火) 京都小旅行より帰宅 |
12/04/10(火) 妖怪学の祖 井上圓了 12/04/08(日) シャドウゲーム/スプライス 12/04/06(金) ツリー見る染井吉野は首かしげ 12/04/03(火) 「玄鶴山房」と「家政婦は見た!」 12/04/01(日) 地震予知 |
2012/05/26(土)[雑]つつじ、竜巻、マンゴー、KATAGAMI
2012/05/22(火)[漫]東京物語を見たり沙漠の魔王を買ったり
GWに借りた映画DVD色々が見終わっていないのに、またアマゾンで買ってしまった。ウルトラマン全話DVDと平成ガメラ3作BDが合わせて3千円ちょいという安さなんだもの。さすが北米版。
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BS3で「東京物語」。60代後半から70代を演じてる笠智衆が当時40代後半かとわかるとさすかにびっくり。俺より十も下かよ。でもさすがに未来に残す映画100に選ばれただけのことはあります。この映画をよいなあとわかる歳まで生き残れてよかったあ。
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「沙漠の魔王完全復刻版」。
17,850円は高いようだが、昔古書店のガラス棚の奥にもう一桁多い価格で収まってたのを見た記憶があるので、安いような気もしてしまう。
ということで、予約してしまった。予約で本買うなんて、宮沢りえの写真集の広告を新聞朝刊で見て逆上して電話予約して以来だ。
1967年頃にCOMで紹介された沙漠の魔王の記事。
2012/05/15(火)[本]めくるめく世界/サセックスのフランケンシュタイン
アレナス『めくるめく世界』(国書刊行会)読了。
歴史小説のような冒険小説のような伝奇小説のような大法螺話。「百年の孤独を凌駕する作品というにふさわしい」と帯に高橋源一郎が書いてるけど、さすがにマルケスの密度には及ばない。
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H・C・アルトマン『サセックスのフランケンシュタイン』(河出書房新社)読了。
フランケンの怪物が不思議の国のアリスを拉致陵辱というから耽美的先鋭的な小説かと思ったら、もっと軽い─香山滋のエキゾチックミステリのよう。むしろ活字で書いた高橋葉介か。なかなか珍味にしていけました。
2012/04/25(水)[科]血圧最先端治療と江戸の屁をする養生
昨日のニュースで薬が効かない重症高血圧を劇的に改善する手術の成功を報じていた。腎臓周辺の交換神経をカテーテルで焼き切るらしいが、いわゆる興奮して血圧が上がるのの逆を行くわけだ。すごい。
私も何年か前に血圧が高くなった。薬と運動と食事で標準以下に下げ、今は薬の量も半分以下になったので問題はないのだが、更に上の手段があると知っているのは安心感があっていいものである。
ただ日本ではまだテスト段階で、厚労省の認可の遅さからして一般人が普通に受けられるようになるのはまだずっと先だろう。高血圧治療薬は製薬会社にとって断トツに巨額を稼ぐ大変なドル箱。変な圧力がかからなければいいが、かからないわけはないのだろうな。
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日本漢方医学開祖の一人今大路道三の伝えし長生の秘訣に曰く「長生は粗食正直ひゆたらり勝手次第に御屁めされよ」。
「ひゆたらり」がわからないが子孫が長生の翁に聞くと「暑い火に近づかず熱い湯を避ける」とのことらしい。
(根岸護衛「耳嚢」巻の九「今大路家懸物の事」)
「御屁めされよ」が笑わせるが、のんびり質素にすごせば長生きできるということだろう。江戸幕府の官医(漢方医)と言えば「陽だまりの樹」では悪役だが、現代だと先端手術より人気はありそうだ。私には交感神経を焼くなんていうブラック・ジャック風味も魅力的だけどね。
2012/04/17(火)[旅]京都小旅行より帰宅
2012/04/10(火)[本]妖怪学の祖 井上圓了
菊池章太『妖怪学の祖 井上圓了』読了。
妖怪学というより宗教本の流れで読んだのだが、これが明治哲学史にもなっていて実に面白い。登場する人物の錚々たること、勝海舟、福沢諭吉、内村鑑三、上田秋成、河口慧海、坪内逍遥、三遊亭圓朝、小泉八雲、フェノロサ、柳宗悦、柳田国男…
妖怪博士というのが通り名?だが、井上圓了は哲学普及の方便として妖怪(怪奇現象)が全て幻想であることを説いたのであるから、たとえば水木しげるとはだいぶ方向性が違う。柳田国男などは圓了の啓蒙主義を嫌ったらしい。ただし圓了の妖怪研究としてのフィールドワークは柳田に勝るとも劣らないものであったようだ。
圓了の学閥閨閥どこにも属さずに宗教改革思想改革を目指す独歩性は、当然理解者が少ないが、傑物は傑物を知るエピソードがある。
徳川家の財政を預っていた勝海舟は慶應義塾の財政援助を求めてきた福沢諭吉をけんもほろろに断ったが、実学流行りの時代に哲学館(現東洋大学)などを創設する圓了を気に入り、自らの揮毫を度々送る(篤志家の寄付に効果ある)など随分援助したらしい。
福沢諭吉は勝海舟を随分恨んだようだが、この維新の英傑は諭吉が財政難といいながら三田の私有地を温存していたのが気に入らなかったようだ。諭吉さん、さすが後年お札になるだけのことはある。それにひきかえ圓了は、蓄財とは無縁の掛け値なしに無欲無私の人だったことを海舟はわかっていたのでしょう。
夫れ余は赤貧多病固より権勢の途に奔走して営利を争ふの念なく毀誉の間に出没して功名を貪むるの情なく唯終身陋巷に潜んで真理を楽しみ草茅に坐して国家を思ふの赤心を有するのみ。
(井上圓了「仏教活論序論」)
2012/04/08(日)[映]シャドウゲーム/スプライス
「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」をMOVIXにて鑑賞。劇場で映画を見るのは久しぶりだ。第一作より面白い稀有な二作目。ガイ・リッチーの映像のリズムにもやっと慣れた。歳食ってくると早いテンポについていくのが大変なんだ。その代わり小津安二郎みたいのを退屈しないで観られるようになるけれど。
3年位前のSF映画「スプライスをDVD鑑賞。バカホラーのようでかなりあぶない感性のおたく映画ですな。気に入りました。セクシャルクリーチャーの造形がいい。CGと生身の合成だからこそのエロスっぷりがツボにはまってしまった。
2012/04/06(金)[雑]ツリー見る染井吉野は首かしげ
ジョギングコースの土手の染井吉野はやや散りかけだが花見客盛況。上流の陽光桜は満開で濃い桜色の重たげな花は染井吉野より私は好きなのだが、周囲に花見客は皆無。花の好悪より、こちらはスカイツリータワーが見えないので敬遠されているようだ。
スカイツリータワーはジョギング中も通勤中も見えるので、日々背が伸びていく近所の子を見ているような気になっていた。成人して社会人として旅立ったようだけど、近所のおじさんはちょっと淋しい気にもなるであります。
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「酒は燗肴は刺身酌はたぼ」こんな狂歌を聞くと一杯やりに行きたくなる。まあ、たぼはどちらでもよいが。
…近年下賤侠客の徒、(若い)女をさしてたぼといふ
(耳嚢巻之九「酒宴の席禁好物歌の事」)
2012/04/03(火)[本]「玄鶴山房」と「家政婦は見た!」
芥川龍之介全集1〜6(全小説)読了。私的ベストは「地獄変」。以下順不同で「藪の中」「偸盗」「素盞嗚尊」「世之助の話」「ある日の大石内蔵助」「鼻」「蜜柑」「河童」「玄鶴山房」
「玄鶴山房」は芥川龍之介の作品の中でも名作だけど、寝たきりの玄鶴の介護をする甲野という看護婦が雇い主家族に向ける心理=冷たい観察と密やかな悪意が、初期の「家政婦は見た!」(ミタではなく市原悦子の方)にとてもよく似ている。
「家政婦は見た!」の原作は松本清張の「熱い空気」。芥川賞作家の清張が芥川の「玄鶴山房」の看護婦をヒントに悪意の家政婦像を創造したとしたら、「家族八景」等に連なる家政婦もの(そんなジャンルがあるかどうかはともかく)の系譜を考える上で興味深い。
もちろん清張を貶めるつもりは全くない。発想元がどこからであろうと「熱い空気」は傑作です。
2012/04/01(日)[時]地震予知
「西日本“巨大地震”高知で津波予想34m超」。しかし、4月1日の紙面とは間が悪い。311以前に予想してたのなら大したもんだが、羹に懲りて膾を吹くの感無きにしもあらず。得てして自然は裏をかくものなので、今度は日本海側から来たりしないかいな。
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晴れ渡った気持ち良い天気だが、花粉も多大なりで、ジョギングもマスク着用、さわやかさ半減なり。土手の桜は満開でジョガーより花見客が断然多い