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(2000/08/27)電話で抱きしめて
メグ・ライアン主演、3人姉妹とその父親の物語。病床の父親の世話を、忙しいからと次女に押しつける長女と三女に挟まれて八方ふさがりのメグちゃん@次女。タイトルにもあるように、全編に渡って電話のやりとりが重要な位置を占めている。ひっきりなしにかかってくる携帯電話に振りまわされてもう爆発寸前、今の時代を象徴している姿である。メグちゃんを見に行ったようなものだが、軽妙な笑いも随所に撒き散らされていて、意外と面白い映画だった。
電話で抱きしめて:オフィシャルサイト
(2000/08/25)WHITEOUT
サル君大活躍のホワイトアウト、なかなか迫力のある映像で楽しめる。雪に閉ざされた巨大なダム、壮大である、が、身も心も凍えそうで、絶対そこに居たくないなあ、という気分百倍。そう思わせるだけ効果てきめんということか。そんな人里離れた男臭い仕事場に、むりやり華を添えるのが松嶋菜々子である。華がないと映画が沸かないから、居るはずのない場所に、是が非でも松嶋菜々子を居させるように設定してしまう心遣いに感謝でもしなくてはならないのかも。事件は会議室で起こっているんじゃない、ダーームで起こっているんだぁ!! と、サル君の怒りの声が聞こえてきそうな作品であった。
ホワイトアウト:オフィシャルサイト
(2000/08/20)熱帯夜
1999/08/20から続く
この道を進めと言うのか。延々と続く細い黒道を見ながらしばし佇んだ。それは確かに道のようである。道らしく見えるのだが、どう見ても軟らかそうなのだ。足が埋まりそうに思える。最初から判っている見え透いた子供だましの罠にむざむざひっかかれとおっしゃるか。いくら暑くて朦朧としていると言っても、そのくらいの分別は残っている。無視してこのまま寝ていようかと思ったのだが、目覚めてしまった以上、蒸し暑くてとても寝てはいられない。さてどうしてくれよう。何か飲みたい。喉が渇く。白い部屋を見回したところで何があるわけでもない。それどころかさっきまで寝ていた筈のベッドまでいつのまにか消滅している。つまりここは単なる白い囲いの中に過ぎないのだ。その一辺だけが軟らかそうな黒道へと続く出口となっている。蒸し暑い白い囲いの中に残るか、黒道へ歩を進めるか、選択肢はふたつである。なぜなら黒道の両脇には、何もないのだ。虚無の空間に艶やかな黒道が伸びていることになる。敢えて三つ目の選択肢を加えるとするなら、その虚無の空間に身を躍らせるか。それはできない。それでは意味がないではないか。部屋はだんだん暑さを増してきた。なるほどそういうことか。この部屋に居続けることはできないのだ。そのうち体が溶け出すだろう。それでゲームオーバーだ。俺はいつのまにかゲームをさせられている自分を肯定している。まてよ、蒸し暑いだけで楽しくもないゲームなら早々と終わらせたほうが利口ではないか。意味などはじめからないのだから。俺は勢い良く黒道の脇に広がる虚無の空間に身を躍らせた。さあこれで・・・虚無の空間は俺を拒否した。勢い余って弾き返された俺の体は、シナリオ通りに黒道の真ん中にころがった。痛くもない。やはり軟らかかった。思う壺だな、と苦笑いしながら白い部屋のほうに目を向けると、最早そこは白くはなかった。オレンジ色になっている。熱い空気が部屋の方向から漂って来た。オレンジ色はどんどん濃さを増し赤みを帯びてきた。吹き来る風も熱くなっている。限界だ。部屋から遠ざかる以外に道はない。そして残された道はただひとつ、黒道である。
罠にかかった俺はたどたどしい足取りで歩きはじめた。ぐにゃぐにゃしていて歩きにくい。粘土の上を歩いているような感覚だ。誰かが見ていたら、馬鹿歩きに見えるだろう。SillyWalkの王様だ。止まっているエスカレーターに踏み込んだ時のような気分の悪さである。エスカレーターは動いているという先入観がSillyWalkを招く。はじめから階段だと信じればSillyWalkにはならないのだが。そんなことを思いながら黒道を見つめるとなぜか固いアスファルトに思えてきた。まさかなあ、これも先入観だとでも言うのか。歩きながら目を閉じてみた。どうせ踏み外すことはできない道だ。あっ。普通に歩けるではないか。なんてこった、くだらん。軟らかいと思い込んだまま何百歩も歩いてきてしまった。立ち止まり振り返ると既にあの囲いは見えなくなっている。ずいぶんな距離を歩いたものだ。少し休もうかと思いかけて息を詰めた。見えなくなったのは囲いだけではない。今歩いてきたはずの黒道が後ろの方から少しずつ見えなくなっている。そして消えていくスピードが徐々に早くなっているのだ。もしかしたらヤバいのか。走り出した。後ろも見ずに走りたかったが気になってそうもいかない。チラチラと振り返るとそのたびに道の尻尾と俺の距離が狭まってきた。全力疾走、なんでこんなに蒸し暑いところを必死で走らなければならんのだ。早く逃げないと道が消えて奈落の底に落下。ああ、もうすぐそばまで迫ってきた、わあ、落ちる、あっ、と叫んだ時には俺のからだは落ちる代わりに前に弾き飛ばされてしまった。虚無の空間はあくまでも俺を弾き飛ばすのだ。弾き飛ばされて落ちた所にまた虚無が迫ってきて俺を弾き飛ばす。痛くはないが、何度も何度も弾き飛ばされて無理矢理前に進まされるというのは著しくプライドを傷つける。お、俺のペースで進ませろくそったれ。スーパーボールのようにぴょんぴょん弾みながらフッと前を見ると、赤や黄色に塗りたくられた趣味の悪そうな門が目に入った。あれが黒道の終点か、ようやくぴょんぴょん道中は終わるのか。趣味の悪い門が近づいてきた。門の後ろには大口を開けた昇り龍がよだれを垂らしながら俺の到着を待っていた。うわっ、食われる、そう思った時には昇り龍の口の中に飛び込んでいた。ずるずると暗くて熱い管の中を落下して行く。やがてどさりと尻餅をついて落下が止まるとチンジャオロースーの臭いがした。
2001/08/20へ続く
(2000/08/16)サウスパーク
♪ アニメ映画である。とってもヤバイぞというアニメ映画である。アメリカのCATVで放送されてるらしい。すごいなヤンキーって。これもWOWOWで放送されたらしいけど蚊帳の外。無修正映画版ったってアニメなんだけどセリフはFUCKしまくりである。子供が見ちゃいかん。外人じゃないからアンクルファッカーとか言われてもどうってことないけど、字幕入りである。日本人にわかりやすいように丁寧に親切にすこぶるヤバく字幕が入っていて、ヤバダバドゥーである。ただちょっとミュージカル調で疲れるところもある。性描写だけでなく人種差別や問題発言も目白押し、ついにカナダと戦争を始めてしまう。すんげくヤバアニメなんだけどキャラクターがかわいい。
サウスパーク:オフィシャルサイト♪ 関係ないけど、タイタンA.E.、七人みさき、サウスパークは渋谷で3本ハシゴして見たのである。夏休みならではである。全部座れたけどやっぱ疲れた。栄養源は途中で食べた桂花のDiDi麺である。
(2000/08/15)怪:七人みさき
♪ 1月にWOWOWで放送された京極夏彦ムービーだが、WOWOWなんぞ契約していなかったので指をくわえているだけだった。指はユデダコのようになってしまった。カットされた所も含んだ完全版というので少しはなぐさみにもなるが、どこがカットされていたのかもわからん。巷説百物語に出てくる又市、おぎん、百介などが映画に登場。御行の又市は田辺誠一、白装束でいかにも妖しげであるが、なんかセリフが軽がるしい。もっと禿げてたほうがよかったかも。山岡百介は怪奇佐野史郎、やっぱるい妖しげだが四六時中何か企んでいるような役者だから、もっと無垢なほうがよかったかも。山猫廻しのおぎんは遠山景織子、べっぴんさんだから嬉しいけど、もうちょっと歳の行った裏表のありそうな役者のほうがよかったかも、あ、でもやっぱ若い方が嬉しいけど。小松政夫もおいしい役をやっていたけど、いつギャグをやるかとハラハラしてしまった。
七人みさき:オフィシャルサイト
(2000/08/14)タイタンA.E.
♪ アニメ映画である。地球が消滅した後の人類再生をかけた壮大なストーリーとかいうので見たくなった。確かに壮大だし、CGも綺麗だし、なんとなくスターウォーズをアニメで見ているような感じ、似たようなシーンも多いし・・・面白いけど役者の顔がいまいち好きじゃない。見てないけどアナスタシアと同じ顔だもん。
タイタンA.E.:オフィシャルサイト
(2000/08/07)オビワン死す
♪ オビワン・ケノービ役のアレック・ギネスが亡くなった。ベイダーに切られて魂だけになった時は、既に60歳を越していたが、今回、星になったのは86歳であった。空の上からオビワンが、フォースと共にあらんことを見守っていてくれるだろうか。スターウォーズが20年も前の映画だということなど、つい忘れてしまうが、あの頃のルークやレイアも今は見る影もない。当時いちばんニヤケた三流のあんちゃんのように見えたハンソロが、今では押しも押されぬ大スターとなった。まったく宇宙は広いものだ。実は彼こそ実世界で通用するフォースを隠し持っていたのかもしれない。アレック・ギネスがハリウッドでフォースを発揮していた頃のことは、あまりにも古くてよくは知らない。
(2000/08/04)免許更新
♪ 運転免許の更新をした。ひさしぶりだ。あたりまえか。当然ながらゴールド免許である。前回からゴールド免許になった。それよりなにより嬉しいのは、ついにカードサイズの免許証になったことだ。前回の更新時期には既にカードサイズが始まっていたにもかかわらず、在庫が余っている警察署だったからなのかどうなのか知らんけど、従来通り、あの中途半端にでかい携帯に不便な免許証を握らされてしまったのだ。あの時は悲しかった。詐欺にあったような気分だった。こ、こ、こんなでかい時代遅れの免許証をまた5年間持ち歩かねばならないのかと地団太を踏んでしまった。ジダンダってなんだい? 病原菌みたいな気がするのはカンジダと似ているからか? んなこたぁどうでもいいが、警察署で更新すると後日郵送になるので今回は運転免許試験場までわざわざ出向いた。15分のAVと15分のトークの後に手渡されたカードサイズ免許をしばし眺めて、クレジットカードと重ねて大きさを再確認して満足であった。でかくて困っているカードはあとひとつ、レンタルビデオYOU&Iのスタンプカードだ。じゃまくさいぞこれは。事故や違反を起こしてはいけない。更新のたびに2時間もアダルトビデオを堪能しなければ免許をもらえなくなるぞ。
(2000/08/03)パーフェクトストーム
♪ 今世紀最大の嵐がやってくる。30メートルの荒波に翻弄されるちっぽけな漁船、容赦ない自然の脅威が、CGとはいえ生々しくせまってくる迫力のある映画だ。30メートルといえば台風の波としては最大級なのだそうだ。隕石が落ちて何千メートルという桁違いの津波が押し寄せてくる映画と比べれば屁のような大きさとも言えるが、もしもこんな大きな波が来たら・・・というSFではなく、10年程前に実際に起こった事を映画化したものであるから、臨場感は本物である。船乗りだったらいつ遭遇してもおかしくないコワさが伝わってくる。船の映画といえばタイタニックを思い出す。タイタニックは静かな海だったが、あまりにも大きな船の反乱に為すすべもなく呑み込まれて行くちっぽけな人間が描かれていた。パーフェクトストームは小さな漁船と一体となって大波に立ち向かう人間が描かれている。そういう意味で漁船は紛れもなく被害者であるが、タイタニック号はもしかしたら加害者であったのかもしれない。黒々とうねる大波が不気味で恐ろしい。
パーフェクトストーム:オフィシャルサイト
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