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Torneで一変したTV視聴スタイル
Misctorne(トルネ)(CECH-ZD1J) ソニー・コンピュータエンタテインメント 2010-03-18 by G-Tools |
ちょうど今日、Torneの機能アップデートが発表されています。Torneを購入して2ヶ月弱ぐらい経ちましたが、TVの視聴スタイルが完全に一変しました。正確に言えば、Torneだから一変したというよりは、HDDレコーダであれば何でも良く、たまたまTorneの価格設定が現代の視聴スタイルへとレイトマジョリティの背中を押してくれたということになります。
これまでHDDレコーダやキャプチャカードの類は持っていない化石世代で、たまたま家にいる時に関心のある番組がやっていれば観る程度。ただ、観る番組はNHKのニュースおよびドキュメンタリと、WBSおよびその前時間の3点セット(カンブリア宮殿、ガイアの夜明け、ルビコンの決断)ぐらいでしたので、その時間に家にいなければ観なくても気にならないぐらいの位置づけでした。
それが、取りあえず録っておいて、好きな時間に観られるようになったことで、TV番組の総視聴時間が結果的にかなり増えているように感じます。ニュースやドキュメンタリだけでなく、映画や将棋(NHK教育)なども、取りあえず録っておいて時間のある時に観るようになりました。
Torneは操作UIこそ多少洒落ていますが、機能的には普通のHDDレコーダに比べると極めてシンプルで、地上波デジタルをHDDに録画する以外は本当に何もできません(*1)。中で使われている部品も恐らく相当にチープで、マンションのケーブルTVでは受信状況が強過ぎて認識できず最初焦りましたが、公然の技になっている入出力逆挿しで映るようになったぐらいです(→TorneまとめWiki)。
そのため、自分のようにすでにPS3は持っていて、HDDレコーダを買うほどでない、という人(PS3のユーザ層を考えればレア?)以外には全く勧められませんが、逆に条件にフィットすれば、悪くない買い物です。少なくとも私の場合、結局、追加でTorne用に1TB HDDを買ってしまった程、活用しています。PS3とセットで買うぐらいなら専用のHDDレコーダの方がいいので、爆発的に売れるようなものではないでしょうが(*2)、見た目には少し力を入れるけれど、安価な部品を使い、機能をシンプルにしてリーズナブルな価格で提供する、割り切った商品戦略が綺麗にハマっている例です。若者(という程自分は若くもないですが)のTV離れがまことしやかに言われるなかで、CMスキップがあるとは言え(Torneはあえてこの部分を弱くしていると思います)、好きなときに観られる(*3)という利便性を高めることで、HDDレコーダがむしろTVというメディアを延命しているということもあるのかもしれません。
(*1)ネット経由で皆が何を録画しているかを共有するトルミル機能とかありますが、ちょっとしたお遊びみたいなもの。マーケティングデータ収集としても、一番多く録画されているのが「けいおん!!」と「Angel Beats!」とか、正直、ユーザ層偏り過ぎでしょう。いやま、確かに自分も録っているんですがね。毎週忘れずに勝手に録っておいてくれるのはありがたい。
(*2)つまり、Torne単体での利益ではなく、PS3販売のテコ入れが狙いだとしたら今のままでは弱い。
(*3)もちろん、ビデオの時代にも録画自体はできましたが、管理の手間やコンテンツの検索性などで、HDDレコーダは圧倒的に利便性が違いますので、適当に録っておいて観たそばから消して行く運用が気軽にできています。
Posted: 2010年05月19日 00:00 ツイート