高齢者向けイメクラサービスの有効性

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総務省が5/17に発表した家計調査報告（貯蓄・負債編）－平成22年平均結果速報－（二人以上の世帯）によれば、日本の貯蓄全体の約6割以上を60歳以上の世帯が保有しており、その割合は1年前よりも更に増えています。

[society] はてなブックマーク - 日本の貯蓄の６割が60歳以上の世帯に集中 - 月明飛錫

高齢者自体が増えているので、60歳以上の世帯が保有する貯蓄が増えることは自然な流れではありますが、高齢者がそのまま溜め込み続け、亡くなって相続する頃にはすでに高齢者となった子どもに引き継がれることになると、高齢者間でグルグルカネが周り、ほとんど使われることのない死に金となってしまいます。

何故高齢者がカネを貯めこむのかについて、しばしば年金などの社会保障への不安が挙げられますが、年金の制度改革をするにしても数十年の移行期間が設けられる中では、今の高齢者は「逃げきれ」ることがほぼ確定していると言えます(*1)。

(*1)国債が暴落してハイパーインフレなどが起きれば(物価スライドが完全には適用されないとして)別です。

では何が不安なのかと言えば、社会との繋がりが切れてしまうこと、もっとシンプルには誰も話し相手になってくれなくなってしまうことではないでしょうか。財産を残して貰えそうな期待があるからこそ、子どもも積極的に介護したりしますし、孫もお小遣いを貰えると思ってニコニコして寄ってきますが、生前贈与で全て子ども達に渡してしまったら、誰も寄ってこなくなってしまうのでないか、ということです(*2)。日本は概して若さに価値を置く社会ですから、高齢者であるというだけで敬ってくれる人はいません。記憶力もどうしても曖昧になっていますので、何度も同じ話を繰り返したりします。特に会社で偉い立場にいた人が、地域社会との繋がりもない状態で会社を引退して、誰もちやほやしてくれなくなった時の寂しさは想像がつきそうです。

(*2)実際には、そんなに現金な人ばかりではないでしょうけど。

ほとんど健康であるにも関わらず、高齢者が病院や医院に毎日のように通うのは、医者、看護士や他の「患者」といった話し相手が欲しいからでしょう。ある種のサロンとして機能してしまっています。また、コールセンターも、若い人(しかも女性が多い)が電話口に出てくれることから、話し相手としてうってつけです。

[society] はてなブックマーク - モンスタークレーマーしんどい

しかし、このように話し相手が欲しいためだけに病院に通えば、医療費の増加に繋がるだけでなく、ただでさえ医師不足の中で、本来病院にかかりたい人の診療時間が削られてしまいます。コールセンターなどのサービスの場合も、他の人に対応する時間が削られ、ビジネス的にマイナスですし、オペレータのメンタルにも良いとは言えません。

振り込め詐欺は、結果的に高齢者から若年層にカネを移す上で一定の役割を果たしてしまっているのですが、できれば合法的で高齢者もハッピーになれるウィンウィン()な方法はないものでしょうか。

そこで、タイトルの高齢者向けイメクラサービスの出番ということになります。

イメクラと言っても、性的なサービスも場合によってはあってもよいかもしれませんが、あくまでも基本は話し相手です。話し相手が欲しいということだけであれば、キャバクラでも良いのですが、普通の世帯が毎日利用はできないので、富裕層にはキャバクラでお金を落として頂くとして、標準レベルの世帯向けの話し相手サービスが有効ではないでしょうか。しかもイメクラですから、必要に応じて役割をプレイして話し相手になる訳です。つまり、子ども(*3)として、孫として、相手が元サラリーマンであれば部下として、等々。混合介護の有料オプションとしての提供も考えられます。電話であれば、ダイアルQ2のような形があります。有料になったコールセンタですね。

(*3)「役割をプレイ」すると考えると、合法な「オレオレ」だったりもするのですが。

問題があるとすれば、高齢者ほど経済格差が大きいことです。そもそも、カネを持っていれば周りに人が寄って来て、話し相手にも困らず、カネがないほど話し相手がいないのだとすれば、話し相手サービスを使いたい人は、あるいはそういう人ほど、カネがないということになってしまいます。ただ、さしあたり高齢者から若年層に所得移転をすることが目的とすれば、カネがない人はとりあえず気にしなくても構わないかもしれません。前述のような、医療費の抑制を目的とするのであれば、自己負担額の増加で対応すべきでしょう。

Posted: 2011年05月22日 00:00 ツイート